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怒りが知らせる緊急事態 - 不安を受け入れありのままの自分に還る -

自分を救う「怒り」の正体

ルカススタッフのSumieです。暑い日が続きますがいかがお過ごしですか?
気温が上がると食欲が減ったり睡眠が短くなるなど、疲れが出やすくなりますね。

今日はそんな暑い季節、なるべく避けたい「怒り」について。イライラが教えてくれる大切なメッセージについてご紹介します。ご自身を見つめるヒントとしてお役立てください。

怒りは本能

みなさんはどんなときにイライラしますか。

・望んだ反応がかえってこなかったとき
・大切なものが壊されたとき
・期待を裏切られたとき
・我慢が限界を超えたとき

いろんなシチュエーションが思い浮かぶでしょうか。

現在の心理学では、怒りは「自分を守るための感情」で人間の本能と認知されています。
その起源は、人が猛獣や毒をもった生き物と隣り合わせの暮らしをしていた時代に遡ります。
その時代は、いつどこから攻撃されてもおかしくなく、恐怖に備える必要がありました。
そのとき効果を発揮したのが怒りの感情です。
体からもアドレナリンというホルモンが分泌され、臨戦態勢に入りやすくします。

しかし、現在の暮らしでライオンや毒蛇に襲われる状況は考えにくいですね。代わりに私たちは別の不安を作り出し怯えているようです。

怒りは弱さの副産物

次に、怒りは二次感情ともいわれています。先ほど挙げた恐怖をはじめ、不安、悲しみ、裏切りなどネガティブな感情が一次感情です。
つまり、怒りはいきなり発作的に起こるわけではなく、普段から積み重ねている不安や恐怖の結果といえます。

ですから、私たちが怒りに対処する上で必要なことは怒らないようにすることでも、怒りをぶつけることでもありません。

本当に必要なことは、心の底で抱えているネガティブな感情に気づき、認めていくことです。
もしイライラしがちな毎日から少しでも解放されたいと思った方は、ご自身に問いかけてみてください。

「いま私はなにに怯えている?」と。
その答えがわたしたちが作り出している不安そのものです。

不安がもたらすのは不安

例えば、実はすごく自信がない人がいるとします。職場では頼られる存在だけれど、心の奥ではいつ大きな失敗をするかとヒヤヒヤ。
毎日完璧でいるよう鎧を身につけているが故に、少しでもうまくいかないことがあるとイラッ!

些細なことかもしれませんが、こんな風に小さなストレスを溜めていくと、ある日突然体調を崩したり、思い通りにいかないことを他人のせいにするなど、結局またネガティブな気持ちを心に抱えます。

「怒りは無謀をもって始まり、後悔をもって終わる」ー古代ギリシア数学者,ピタゴラス

ピタゴラスの言うように、怒りはどこか無謀、つまり無鉄砲で無思慮なところに芽生えるものです。
そして人を傷つけたり苦しめます。誰にとっても得しません。

しかし、もし完璧ではない自分に気づき、周囲と分かち合うことができたらどんなことが起きるでしょう。

恐れか、信頼か

人の行動は、恐れか信頼、2つのうちどちらかの心理が働いています。

お金や人脈、地位など物的価値の喪失を恐れている人は、それらの喪失を恐れ安定した生活や環境を望み、他者や物ともたれあう依存関係(力関係)に陥ります。
そのような関係では互いが期待通りの行動をしなかった時に不快感を味わうため、それをいかに感じないようにするか?が行動の基準になります。

一方、信頼をベースに行動するところには、あるがままの姿で完璧だという自己信頼と、他者をむやみに評価せずありのまま受けとめる他者信頼が根底にあります。
これが本来の協力、助け合いです。

このような関係では、恐れからくる窮屈な空気とは真逆のオープンで自由な空間が広がります。
またインスピレーションに恵まれる機会も増え、結果をコントロールしているときより大きな豊かさが舞い込むようになります。

みなさんは二つのうち、どちらをベースに行動したいと思いますか?
たとえ過去の自分が恐れをベースにしていても、今ここから信頼をベースに行動を始めることができます。

弱さを認めた人から調和する

自然界はお互いに不足を補いバランスをとっています。ミツバチはミツバチの、太陽は太陽の、海には海の役割があり、ただ淡々とそれをこなします。流れに身をまかせ、手が届く以上のことはしません。

そして人間も自然の一部です。本来は生まれ持った役割を淡々とこなすだけで自然と調和します。
しかしエゴや欲が生み出した環境の中で役割がわからなくなってしまったり、できないことまで無理するようになったのが現代人の苦しみでしょうか。いくら頑張り結果を残しても、満足することができないという欲求不満の状態は不安を増すばかりです。

また、弱さをを受け入れるのはこれまでの社会では難しいことでした。いかに賢く、いかに人と馴染めるか…そんなことが評価の対象となっていたからです。

しかし、時代は少しずつ変化しており、繊細で心に敏感な人が他者の心をも感じられるようになっています。
そのような人は強がっている人の中に弱さを、自信の無い人の中に強さを見出します。わたしたちが「できない」「怖い」と口にしなくても、本当の姿を他者のほうがすでに感じていることはよくあることです。
そして、いつ助けてあげようかとタイミングを待っている人もいます。

ですから、弱さを認めていくことは恥ずかしいことではありません。
自然界でも、何か行動を起こせばそのうち3割はエラーが起きるとされており、本来不完全ささえ自然がもたらすコントロールです。

失敗を恐れ慎重になるより、ただこの瞬間、目の前のことに全力を注ぐほうが有意義なことがわかります。
そしてそれが、わたしたちが自然な状態に戻っていくための方法でもあるのです。

まとめ

「怒りは不安のあらわれ」「不安を受け入れていくことが自然な自分に戻る方法」であることをご紹介しました。

つい人に理解を求めがちなわたしたちですが、つらい自分を救えるのは他でもない自分ただ一人だということがわかります。
自分が認めていないことは他者からも理解されませんから、つらいときほど自分の中にその理由を探してみたいですね。

私自身も以前はイライラしがちで周りの人を困らせていました。
なぜこんなに怒ってしまうのだろう?
と追求していくうちに、繊細な自分が隠れていたことを見つけ、一つ一つ認める度に目の前の現実も変化していきました。

まだまだ不安はなくなりませんが、みなさんと一緒に愛が溢れる穏やかな世界を創造していきたいと思っています!
信頼が広がりますように☆

ライター:Sumie☆

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