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【翻訳】ショートスタックでAxをフラットコールする【MTT】GTOWブログ.69

ポジションの無いところからのプレイはとても難しいが、トーナメントでは不可欠なことである。アンティですでに多くのポットがある以上、小さなレイズに対して簡単にブラインドを手放すわけにはいかない。スタックがそれを許す場合、ソルバーはしばしば、ポジション外からフロップ後にプレイするよりも、小さいペアやオフスーツのAxハンドのような強いが特にプレイするのが難しいハンドでブラインドからオールインすることで、レイトポジションからのレイズに反応する。

しかし、非常に浅いスタックサイズでさえも、これが常に真実というわけではない。例えば、こちらが20bbのスタックでBTNのミニレイズに対するBBの対応だ。


小さいスーテッドAxはすべてレイズをコールし、オフスーツのAxの多くもリレイズを選択しない。これはスタックサイズが小さくても同じで、14bbのスタックでもコールするハンドも多い。

これらのスタックサイズでBTNのレイズに対してオールインすると、どのAxハンドもプラスの期待値(EV)になる。ソルバーがそれらのいくつかでオールインを控えるのは、それが利益にならないからではなく、コールする方がより利益が出るかもしれないからだ。他の種類の直感に反するコールと同様に、ソルバーがどのようにしてプリフロップで単にオールインして終わることよりも同等またはそれ以上の価値を後のストリートで見出すと予想しているかを理解することが重要だ。

この価値は主に二つの源泉から来ている:

  1. BTNのレンジにこちらにドミネートされたハンドが含まれる状況を作り、両プレイヤーがペアをフロップしたときにより多く勝つ為。

  2. エースがペアになったときにブラフや薄いバリューベットを誘発する。




このコールは本当に正しいのか


ソルバー戦略が予想外の場合、さまざまな選択肢の期待値(EV)を調べてみると良い。混合戦略は常に均衡に近い決定を表し、最適なプレイは相手の反応に大きく依存する。しかし、純粋戦略でさえ、期待値が非常に近い場合があり、相手のわずかな不均衡が均衡時にソルバーが決して使用しないオプションを好む理由となることがある。

例として、20bbのスタックでBTNのレイズに直面した場合、GTO WizardはBBはコールと小さな3betをミックスするが、決して使用されないオールインオプションでもおおよそ同じEVがある。

従ってこの状況で、より複雑なソルバーの戦略を採用するよりも、常にオフスーツのAxをオールインするという単純なルールに従った方が、お金を無駄に燃やすことが無いかもしれない


しかしながらスーテッドAxの場合は各選択肢のEVはそこまで近くない


エクイティリアライゼーション


オフスーツAxの問題点は、広いオープニングレンジに対して良いエクイティを持っているにも関わらず、そのエクイティを実現するのが難しいことである。そのエクイティのかなりの部分は、ペアをフロップしていないにもかかわらずAハイでリードしていたり、6アウツのドローがあるボードから生じるが、BTNはしばしば小さなCbetでこのエクイティを否定する。

相手をフラッシュオーバーフラッシュするのは素晴らしいが、それがスーテッドAxが追加の価値を見出す場所では無い、特に浅いスタックの時は。ただしバックドアフラッシュドローをフロップでヒットするだけでこれらのハンドはBTNの小さなCbetをコールするのに十分であり、彼らのエクイティをオフスーツの時よりも多く実現することを可能にする。

こちらがJ♠ 7♦ 2♣で33%のポットコンティニュエーションベットに直面したBBの戦略だ。


バックドアフラッシュドローは全てコンティニューすることで利益をもたらし、期待値(EV)でほぼ0.5bbを稼ぐ。バックドアがない唯一のA6sと、全てのA6oは、約40%のエクイティを持っているにもかかわらず、フォールドする他に選択肢がない!


ドミネイトしているペア


BTNのオープニングレンジは20bbの時ややポラーであり、スタックが浅くなるにつれてその傾向を強める。これは、BTNがスモールペア、スーテッドブロードウェイ、オフスーツAxのような中程度のハンドを含むオープンオールインレンジを採用しているためである。


BBのオールインは、ドミネイトされたハンドをフォールドさせたときに最も利益を得る。ドミネイトしているハンドがフォールドするとき、最も得をしない。したがって、A2oやA3oのようなハンドは、より良いAxをフォールドアウトさせることができ、また、BTNでは2や3を含むドミネイトされたハンドはあまりオープンしないので、これらのハンドの価値を失う心配があまりないため、オールインに最適なハンドとなる。

しかし、BTNのオープンレンジには、BBのショブにフォールドするスーテッド7や8、さらにはオフスート8xがたくさんあり、フォールドする小さいAxもある。従って、A7oやA8oのオールインはBBにとって魅力的ではない。
このような浅いスタックでは、大きなポットを獲得するのにトップペアは必要ない。J72rのフロップで小さなCbetに直面したBBは、A7oを中心にセカンドペアをチェックレイズする。


もちろん、より良いハンドにコールされることもあるが、BTNのレンジにある弱い7からバリューを得ることもある。


Aがペアになったとき


異なる状況下では、A8oは「トラブルハンド」または「リバースインプライドオッズのあるハンド」とみなされることがある。もしあなたがアーリーポジションからのレイズをコールし、後ろに多くの資金があった場合、あなたは自分のエクイティがアンダーリアライズであることを予想するだろう。エースがペアになった場合、それよりも悪いハンドからバリューを得るのは難しく、より良いキッカー相手にそれなりの大きさのポットを奪われることもある。

BTNレイザーを相手に20bbディープでプレイする場合、この心配はない。実際、BBのAxは全て約200%の素晴らしいエクイティリアライゼーションを持っている。


プリフロップでAxをオールインすることが魅力的なのは、まさにこのためである。相手が予想していない手札が現れると、大きな報酬を得ることができる。まれにAハイのフロップでトップペアを作った場合、相手はブラフやバリューベットをする多くのインセンティブを持つことになる。BTNがA72rのフロップでCbetをした後、9♥のターンでダブルバレルをする戦略を考えてみよう。


彼らはブラフやセカンドペア、サードペアの一部も含め、レンジの80%近くをベットするのだ!


まとめ


ボードカバレッジの概念は、プリフロップのコールレンジにAxがなかった場合に起こりうる悪い事態という観点から、防御的に説明されることが多い。エースハイのボードでエクスプロイトされるかもしれないので、時々Axをコールして「自分のレンジを守る」必要がある。これではまるで、ブラフされないように自分のレンジの他の部分を守るためだけに、利益のあるオールインをパスするかのような犠牲のように聞こえる。

ソルバー戦略は、他のスポットで失ったEVを取り戻そうと短期的にハンドの価値を放棄することはない。

しかし、ソルバー戦略には、このような「アドバタイジング」は決して含まれない。それは、後の機会でバリューを回収することを期待して、現在のスポットにおけるハンドの価値を放棄するというものである。ソルバーがこのようなハンドをコールすることを勧めるのであれば、理論的には、それは少なくともオールインするのと同じくらい利益があるに違いない。

均衡状態でEVが近い選択は通常、正しいプレイは相手の反応次第である。AxでコールすることのEVがどこから来るのかがよくわかったところで、特定の相手に対してそのEVを獲得できるかどうかを考えることができる:

  • 相手がエースハイのボードで積極的にブラフをかけるか?

  • 彼らはセカンドペアやサードペアでビッグポットをプレイするのか?

  • そもそも、そのようなドミネートされるようなハンドをレンジに入れるほど、相手は広くオープンしているのだろうか?


他の要素もオールインとコールの相対的なEVに影響を与えるが、これらは特に大きな要素である。これらの質問の答えを予測することに集中すれば、状況に応じてこの場でコールやオールインをする有益な機会が見つかるだろう。



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