エピクテトス/アンソニー・ロング編/天瀬いちか訳『自由を手に入れる方法』(文響社、2021年)を読んで。
哲学は小難しい。そう思う人は多いのかもしれない。例えばプラトンやアリストテレスやカントの倫理思想を紐解く人々は、書いてあることはそれなりに理解できたとしても、よくわからないという実感をもつこともあるかもしれない。そういった人々に薦めたい哲学者がいる。それはエピクテトスである。いっときマルクス・アウレリウスが注目され、その著である『自省録』を読んだことがある人もいるかもしれない。そのマルクス・アウレリウスの思想の基盤にあるストア派の考えの基礎を築いたのがエピクテトスなのである