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ニュースつぶやき:「Auto Brewery Syndrome── 自動醸造症候群」

 体内でアルコールを生成できる人間がいる話。


 以前の職場に、常に陽気でキャッキャしている子がおりました。最初は単なる陽キャかと思ったんですけど、どうにも違和感がございました。はしゃぎかたが、なんだか酔っぱらいのそれに似ているのです。(まさか勤務前ににお酒を飲んできてらっしゃいますの...…?)と思って、冗談まじりに本人に直接訊いてみましたら、飲んでいない、昔からこうだという返事だったので、笑って流しながらも(この子はきっと脳内でアルコールを生成しているにちがいありませんわ)と内心で思ったものです。

 しかし、先頃のニュースで実際に「自動醸造症候群(Auto Brewery Syndrome)」という体内でアルコールを生成してしまう疾患があることを知り、びっくり。

 メカニズムとしては、「腸内に棲む酵母や菌などにより消化管内の炭水化物が発酵、アルコールを生成する」というもの。正式な診断を受けている人は世界に20人ほどしかいないとされております。


 お酒は好きですし、酩酊状態のヒャアーーーーーーという無敵の気分も好きですけど、ごはんを食べるたびに自動で酔っぱらっていては、日常生活が成り立ちませんわ。もちろん、食事後に運転などすれば、当然飲酒運転と同じこととなります。

 なんともやっかいな症状ですけど、これは腸内細菌そう(腸内フローラ)内にアルコール生成酵母などが優勢にならないと起き得ないこと。開腹手術や、抗生物質を服用して腸内細菌叢をリセットするなどしなければ、まず起こり得ないはずですわ。

 ということは、職場のあの子にも何らかの病気があって、それが巡り巡ってあんな風になっていたのかもしれませんわね。今はどうしているのかしら。素で『わーい☆わーい☆』と言いながら、あまり周りを見ずに出勤してくるような子で、人見知りせずにガンガン距離を詰めてくるタイプでした。どこかでしょっぴかれていないといいのですけど。




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