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ニュースつぶやき:「メラミンスポンジ」

 汚れが激落ちするあれの話。


 このあいだ同僚と雑談していて、彼女が東京ディズニーシーのアトラクションの体験談を語って聞かせてくれました。その時しきりに「ソラニンはすごい」「ソラニンは乗るべき」と興奮混じりに連呼しており、わたくしは(ほほほ……ソアリンのことですわね(⁠*⁠´⁠ω⁠`⁠*⁠)……)(ソラニンはじゃがいもの芽の毒成分でしてよ(⁠*⁠´⁠ω⁠`⁠*⁠)……)と微笑ましく思っておりましたの。後でこっそり正式名称を教えてさしあげましたら『もっと早く教えてよ!』と背中を叩かれました。南無三。

 でも、この手の勘違いって、よくあることだと思うのです。

 人は、まったく知らない言葉を耳にしたとき──へたをすると目にしたときでも──なかば自動的に、自分の知っている音節にあてはめてしまうことが多いと思いますの。かく申しますわたくしも、幼少のおりには「雷雨」を「ラー油」だと思っていたりしましたし。

 そして長いこと勘違いしていたのが、そう、メラミンスポンジ。汚れがよく落ちるあれですわ。わたくしはあれを、ずっと「メラニンスポンジ」だと思い込んでいたのです。日焼けしたスポンジ?
 毎年大掃除のたびに使っていて、家族に向かっても「メラニンスポンジ持ってきて!」などと言っていたのですけども、nとmの違いしかないためか家族もわたくしが違う単語を言っていることに気づかず。商品名やネット記事などで見かける機会があったにもかかわらず、ずっと「メラニン」だと思っていたのですから、思い込みの力の恐ろしさを感じますわ...…

 そもそも、メラミンとは、なんなのでしょうか?

 現代の日本でスポンジと言えば、ほとんどの方が、黄色い本体に緑色のシートを貼りつけた、あの「ウレタンスポンジ」を想像することでしょう。海に棲むカイメンを想像するのは、美術関係者か、入浴にこだわりのある方くらいではないでしょうか。そしてメラミンスポンジとは、ウレタン樹脂ではなく「メラミン樹脂」を原料として作られているものだそう。

 メラミンは有機窒素化合物の一種で、メラミンとホルムアルデヒドから作られるメラミン樹脂は耐熱・耐水・絶縁・耐磨耗にすぐれ、さまざまな工業製品や建造物に使われています。すごいですね!ファンタジーで言うと、火と水と電撃と物理に強いという夢のような素材ですわ!
 この耐磨耗にすぐれるというのがポイントで、スポンジ状だとわからないかもしれませんけれども、メラミン樹脂のモース硬度はなんと「4」(アクリル樹脂は3.5)。鉄のモース硬度が4~5なので、メラミン樹脂がいかに堅牢な素材なのかがわかります。メラミンスポンジで他のプラスチック製品をこすると傷がつくのは、このためですね。
 わたくしも昔はメラミンスポンジを茶渋取りに使っていたのですけど、要は研磨して──汚れを削り落としてきれいにしているため、ティーカップ自体にも少しずつ傷をつけていることに気がついてからは、茶渋落としにメラミンスポンジを使うのはやめました。感動するほどきれいになるんですけどね。


 それにしてもメラニンスポンジとは……("⌒∇⌒")

 

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