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TOEICについて思うこと

ずっと英検について書いていたので、TOEICについても書いてみようと思います。

私は正直、TOEICは英語の試験としてあまりよくできていないように感じます。それは基本的にリスニングとリーディングという受け身の能力だけを測る試験で、総合的な英語力をはかるものではないことと、ビジネスでの英語能力をはかる試験となっているものの、実際のビジネスシーンでは、TOEICで高得点が出たからといって、コミュニケーションが円滑になるわけではないからです。

実際にTOEIC900点以上を取っていても、英語が話せないという人はざらにいます。逆に600点台でも、十分英語で仕事をしているという人もいます。しかしTOEICを求職者の履歴書の足切りにしている会社が多いため、高得点の人達が採用されがちです。しかし仕事が始まってみると、それほどの英語力ではなかった、ということがよくあります。TOEIC高得点取得者はこのあたりに注意する必要があります。世間の「TOEIC900点以上取得者」に対する英語力への期待は、こっちが想像するより高いです。「通訳翻訳が難なくこなせる」と思ってる会社、多いですよ…!

最近知ったのですが、TOEICではメモをとってはいけないそうです。問題用紙に書き込みしてはいけないとのこと。私、受けたとき思いっきり書き込みしてましたが…(汗)試験官は見回りに来てましたが、一度も注意されなかったので、このルールを知りませんでした。そもそもなぜ書き込みしてはいけないのでしょうね?ビジネスの英語能力をはかる試験と、書き込みの有無は特に関係ないような気がするんですが…

このように試験としても問題があるように感じますが、私は最近特に、言葉は悪いですが、TOEICは「金儲けに走っている」ように見えます。

最近まで、日本のTOEIC運営側は、過去2年間のテスト結果だけ残し、それ以前のスコアは消去していたようです。これはのちに、10年分は見られるというようになったようですが…そして今、TOEICは「有効期限は2年」ルールを実施しようとしています。

またこれは知ってる方も多いと思いますが、日本ではTOEICの過去問は売っていないのに、韓国では手に入るのです。

TOEICの最大の顧客は日本と韓国です。簡単に言ってしまえば、受験者はこの二か国のみで、他の国ではTOEICはそれほど知名度も効力もありません。

その韓国でさえ、今は昔ほどTOEICを受けなくなっています。となると、TOEICの受験者はほぼ日本、ということになります。

ここまでくると、日本は「ちょろい」と思われているのではないか、という気持ちになってきます。日本は、真の英語力がはかれる試験ではないアメリカの会社が作った試験を受け続け、最大の顧客でアメリカの会社を儲けさせているにも関わらず、過去問題集は売ってもらえないのです。

いったい背景にどういった事情があるのか分かりませんが、私はこういう試験を受けるのはちょっとむなしい気持ちになります。お金儲けのために利用されているような気が…みんなしないのでしょうかね…?私の見方がひねくれているんでしょうか?

私は英検を受けたときに、「これはよくできている試験だな」と感じ、問題を作っている側の気合のようなものを感じました。しかし、TOEICにはそれを感じないのですよね…これは英語を教える仕事をしている人であれば、きっと共感していただけるような気がするのですが…

そんなわけで、えらいTOEIC批判の話になってしまいました。私の結論としては、どうしてもTOEICのスコアが受験や仕事探しに必要であれば、受けたらいいと思いますが、そのスコアが達成された後は試験から離れ、「真の英語力を手に入れる」べく、別の努力をする必要があるだろう、ということです。

よくトーイッカーというTOEICを受けつづける人たちがいます。これは完全にアメリカの試験作成会社(ETS)と日本のTOEIC運営側の罠にはまっています。TOEICは5点刻みで点数が出るために、前より点数が落ちていたり、点数が変わらなかったりする場合、「次こそは!」という気持ちになりやすく、また頻繁に試験があるので、ほぼ毎回受けて、ゲームのようにはまってしまうという日本人は多いです。

しかしよくよく考えてみれば、半年なり、しっかり試験対策をして受けるほうがよっぽど点数はあがるはずです。毎回、そう点数が変わらないというのは、何か原因があるはずで、それがクリアにならない限り、受け続けていても結果は同じです。

あなたは1年間にどのくらいのお金をTOEICに費やしているでしょうか。もし、3万以上費やしているという方がいれば、正直もったいないように思います。試験4~5回分の料金で、近場の海外の往復航空券ぐらい買えます。たとえ英語圏でなくても、今は台湾でも韓国でも英語を話す人は多いです。試験を受け続けるのではなく、一度でも海外に出てみる。そうして、自分の英語力がどれほど通用するのか、また現地の人はどのくらい英語を話しているのか。良くも悪くもその衝撃が、帰国したときの英語を勉強するモチベーションになるはずです。

試験、特にTOEICからの卒業は、英語力を上げるのに大切なことです。ぜひ試験にしがみつくことのないように、本末転倒にならないようにしたいものです。







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