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居場所をなくした発達障害児の母が感じたこと【浮き身】鈴木涼美著

「若者が集まれる場所がない」

去年の今の時期に、我が町であった町長選挙と議員選挙で話題になりました。

「それはどういうこと?」と違和感がありました。
選挙の争点になったのは、この時が初めてです。

そもそも「居場所がない」とはどういうことなのか?
この本を読みながら考えてみました。


・学校や職場に所属しているけど

学校にも行っていない、仕事もしていないなど
社会との接点がない人なら
「居場所がない」イメージがわきます。

この話の主人公は大学に行ってなかったとは言え、大学生でした。しかも仕事をしています。
他に集まっていた人たちも、
別の職場で働いていました。

所属している場所がそれぞれあるのに
なぜあのマンションの一室に集まるのか。

学校や職場にはなくて、
あのマンションに一室にあるものは何だろうか。

・役割を求められない居場所

この部屋にいる限り、少なくともしばらくは何者にもならずに済むように感じ、出ていく理由を持てずにいた。

浮き身 p107

「何者にもならずに済む」という言葉に
求めているものが表れているように感じました。

主人公の場合、大学生で夜の仕事はしていたものの
どちらも役割を求められます。
大学生なら学生としての役割を、
仕事なら業務内容に応じた役割を求められます。

あのマンションの一室は、
役割を求められなかったので、
居心地がよかったでしょう。

「開業するまで」と締切がなければ、
出ていくきっかけがなかったかもしれません。

役割を求められない居場所は
贅沢な場所かもしれないと気づきました。

・感想

私の場合、長男に発達障害の診断が出てから
親子ともに居場所がなくなる感覚を味わいました。

元々通わせようと考えていた幼稚園の入園をやめました。
幼稚園からお断りされたわけではありませんが、
年齢相応の成長ができていない子どもを通わせるのが難しいと感じたからです。

「行ける保育施設すら存在しない?」
「ずっと私が家で見続けないといけない」と
覚悟していたくらいです。

役場に聞いても、町外の施設については情報がないため、教えてもらえませんでした。
一から自力で探すつもりでいました。

赤ちゃんの頃から連れて行ってた遊び場でも 
数々のトラブルを起こしていたため、
「彼みたいな子を連れてきては迷惑だろう」と一時期足が遠のいていたくらいです。

※その後、保育所が見つかりました。

「居場所がない」ことが、ここまで社会から拒否された気分になるとは思いませんでした。

どんなに他人から見て「??」と思っても
当人にとっては居心地がよければ、
そこが居場所になると感じました。

以上、ちえでした。
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