淡想11【渡りに舟】
「ピアノを習いたいか?」、父が放つ言葉に我が耳を疑い、恐々と聞き直してしまう。
実は何軒か有る支店の大家の娘さんが、自宅で教室を開いているそうで、それが事の発端らしい。
その噂を掴んだ彼が、いい格好しいの性格を発揮させたお陰か、私に白羽の矢を立ててくれた。

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