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【就活コラム】「就活って何だ 人事部長から学生へ」

2025年春に卒業する大学生の就活が、本格的に始まりました。

就活は、就職する1年以上も前から始めることになります。夏以降、インターンシップに参加した学生や、企業のリクルーターと接触している学生もいるようです。殆どの学生がすでに就活を始めています。就活は中盤戦です。売り手市場と言われていますが、安心して就活を先延ばしにしていると、後々慌てることになります。

今のうちにしっかりと就活の情報収集をするとよいでしょう。就活本を参考にする学生もいます。しかし、就活本に頼りすぎるのはよくありません。就活生と個人面談で話していると、「就活本に書いていることが正しい。」と答える学生がいます。また模範解答の人物になりきる学生もいます。

経験豊富な企業の採用担当者なら、すぐに気がつきます。マニュアル化した学生が大手企業や人気企業に採用されることはありません。面接は、本当の自分を面接官にアピールする「場」です。面接では、他の学生と違う自分らしさが求められています。

「就活って何だ 人事部長から学生へ」は、日本を代表する人気企業の人事部長にインタビューすることにより、採用活動における企業の本音と意図が明確になっています。採用担当者が、学生の何に注目し、どういう点を評価し、結果的にどんな人物を採用しているかがわかります。

資生堂の人事部長が、応募してきた女子学生のエントリーシートを読んで涙したエピソードは、私も感動しました。私の個人面談で、資生堂にエントリーする学生には常に伝えるエピソードで、学生も皆感動するお話です。目頭が熱くなる女子学生もいました。

「幼い頃、私は祖母に大変かわいがってもらった。祖母は資生堂の白粉を使っていたので、大学に入って最初のアルバイトで資生堂のコンパクトを買ってあげた。祖母は大層喜んでくれたけど、自分で働いたお金は自分のために使いなさいと言ってくれた。その後、就職活動を始めたところで祖母は亡くなってしまった。悲しみの中、遺品を整理していたら、そのコンパクトが出てきて、裏側に私の名前が書いてあるのを見つけた。私と祖母をつないでくれた資生堂で、また誰かと誰かを結ぶことができたらうれしいです。」

(森建『就活って何だ 人事部長から学生へ』文春新書、59頁)

就活は、マニュアル本に頼らず、採用担当者の目線に立って、エントリーシートを書くことが必要です。個性を大事にして、自分らしさを伝えることで、他の学生と差別化できます。独自の就活を目指す就活生には、おすすめの一冊です。

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