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カレーのワルツ

自宅で作業するので、ほとんど自炊している。妻は、魚は好きだが肉食はせず、僕は還暦かんれきを過ぎてもお肉大好きなため、別々に料理することがしばしばある。

現役時代は旅館・ホテルの取引先が多く、共同の事業に取り組む社長や役員の接待もあったから、それなりご馳走にあやかる機会も多かった。
ただ、根がグルメでなく、高級な料理を値段なりにおいしいとは思っても、プライベートで行きたいかと言えばそんな気は起こらない。
外食するなら、年々減っていく町の中華や定食屋を好む。惹かれるのは、古くて小汚い構えの店だ。

すき家なら、納豆たまかけ朝食しか頼まない。「吉野家の牛丼はなかなかにうまい(by三上寛)」ならぬ納豆たまかけ朝食は、なかなかにうまい。
ちなみに看板商品である牛丼は、なかなかに食わない。こだわっているつもりはないのだが、一つの店=一つのメニューになる傾向である。
最初に選んだ料理が気に食わないと、二度目はない。いま思い返してそうだったと気づく程度で、ポリシーがあるわけじゃなく、もともと備わった嗜好性しこうせいなんだろう。

外食を(ほぼ)やめて4年目に入った。自分では、凝った料理は一切しない。
代表するのはやはりカレーで、一度に大量に作る。数日間、玄米にカレーをかけるだけで過ごす。ラクだし、不思議と飽きない。

フライパンに少し多めの油を引き、みじん切りにしたニンニクをきつね色になるまで中火で揚げる。
ニンニクのみ取り出し、残った油で野菜をためる。あめ色玉ねぎがおいしいと聞くが、面倒くさいので8つに切って一緒に調理している。
ジャガイモに焦げ目がついた辺りで、水を投入。指定が1,300mlなら1,000mlくらいに抑える。あまり水っぽくならず、好みの食感になるからだ。
控えめな中火で、1時間半近く煮込む。野菜が溶けず形が残るので、ここには時間をかける。アクとりも何度か行う。
最後の段階で、揚げたニンニクと肉を投入する。豚のバラ肉とモツを混ぜるのが定番。
火が通ったら鍋をおろし、濡れ布巾を下に敷いて冷ます。ちょっと間をおいて、エスビー食品「ゴールデンカレーバリ辛」を入れる。昔は「ジャワカレー」一すじだったが、今はうけつけなくなった。なんでだろう。
そのまま数分放置し、ゆっくり撹拌かくはんして馴染ませる。これで(小麦粉の)ルーがダマにならず、おいしく仕上がる。
20分ほど弱火で煮込み完了。
食べる分だけよそったら、すぐに鍋を冷水に浸ける。冷めたところで冷蔵庫に即収納。これをすれば3~4日経っても、いたまず食せる。

食べる直前、高カカオチョコレート(カカオ分が70%以上)を5g、胃に入れておくのがきもである。チョコレートには糖質の吸収をゆるやかにする効果があり、血糖値が急に上がらないため脂肪の蓄積を抑制する。
次の日トイレに行くと、ここで詳しくは書かんが、ある効果があったと理解できるはず。

あれ?
自炊するようになって、味付けの基本をマスターしたぜって書こうとしたら、なぜかカレーライスの話になっていた。いつもながら、れるよなー。

ついでに思い出したが、高校生のとき渋谷道玄坂のカレー店『ワルツ』に行った。ライスを三角錐型さんかくすいがたに盛った「ピラミッドカレー」がウリの、遠藤賢司えんどうけんじの店である。
味も良かったが、店内に漂う昭和の薫りが懐かしい。
今週もまたカレーライス食べながら、『カレーライス』なんか聴こうかな。

https://www.youtube.com/watch?v=K4uli5Cyoys&ab_channel=JapaneseObscurities

イラスト hanami AI魔術師の弟子

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