京都シルバーガイドクラブ「智和輪」テキスト

祇王は、『平家物語』に登場する女性で、白拍子の舞を得意としていたことで知られていた。平清盛が祇王にひとめ惚れし、近江生まれの祇王は、母と妹を伴って京都へと出てきて、妹とふたりで白拍子になり、清盛の寵愛を受けることになった。蜜月はしばらく続き、清盛は祇王の願いはなんでも叶えてしまうという溺愛ぶりだった。しかし、清盛は、新たに出現した仏御前に心を移してしまった。そうなると祇王が目障りになってしまい、ついには母、妹と一緒に屋敷を追い出してしまった。清盛は、屋敷を出た祇王に、元気がない仏御前の前で白拍子を舞ってくれと頼んだ。心根のやさしい祇王は、清盛の願いを聞き入れ、仏御前の前で舞った。情けなくみっともない自分の姿に、祇王は後悔のあまり自害をも決意したが、母親に説得され出家することにした。それが当時の往生院という寺で、やがて祇王寺となった。

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