書きたいことを言語化できないときに。 TAE(thinking at the edge)という手法
自分の身体感覚に注意を向けて問題解決をする、というかインサイトを得るというメソッドがあって、フォーカシングというんですが、
読書猿さんの『アイデア大全』を何気なくめくっていたら、
フォーカシング/ 言葉にならないものを言語化する汎用技術
TAEのマイセンテンスシート/ 何を書くかを身体に尋ねる
という章が目に留まりました。フォーカシングは独学ですが少しかじったことがあって、でもずっと忘れていました。
書きたいことがぼんやりとあるんだけど、言語化できないという今の僕の現状打破のために、上記ふたつの手法を提唱しているフォーカシング・インスティチュートのwebページでマニュアルを手に入れて、自分を素材にしながら取り組んでみました。
Ⅰ とりあえず、「小説を書くこと」について、もし僕の「身体感覚」が何か言いたいことがあるとすれば、それは何だろう? 僕は、身体感覚が伝えたいことに耳を傾ける〈巫者〉となる。なにしろ、赤裸々ですが、ご容赦を・・・・・・。
Ⅱ キーワードになりそうな言葉に下線を引く。で、それらについて、より自分の気持ちにぴったりな言葉を探す。
Ⅲ もう一度、感じている感覚を新しい言葉で書いてみる。
↑ こうなると、もう詩的言語めいてきますね。それでいいらしいです。
今までどこか「公的/ public」な言葉でしか表していなかったところを、どんどん核心へ降りていくにつれ、僕らの書く文章は、通常その言葉が意味するところから逸脱し始めるらしいです。
Ⅳ さっき浮かび上がってきた文に関わるような、何か具体的な出来事を書く。一般化したこととか、メタファーはよろしくないらしい。ぐっ。
↑ 一周回って(?)千葉雅也っぽくなってきましたが、まだまだ抽象的ですよね、まだ。何か具体的なエピソードを出さなくてはなりません。
このエピソードはわりと最古層から出てきました。今でも体感的にはチリチリします。児童集会で前で発表するのがいやでした。そのことが「書くこと」と関係があるのかどうかはわかりません。マニュアルによれば、そこは考えなくていいらしいです。
Ⅴ このような出来事(マニュアルでは "facets" とある)を4つ挙げる。で、ディティールごとの関係を見つける。何かそこにパターンのようなものが見つかるか? もうひとつ浮かんだfacet。
Ⅵ (できれば)4つのエピソードを挙げ、それぞれから、別のエピソードを見たときに何かわかることをクロスして探る。
僕が得たインサイトは、なんかいつも僕と世界、つうと大げさだけど、まわりとの間に何かゴロンとある感じ。疎外感とかいう意味をはがしてしまって、ただ、ゴロンとそこに何かがある感じ。で、そのことをやっぱり僕は寂しく思っているし、あきらめてもいるような気がする。
今のところ、このTAEをやってみて得られたのはあんまり明るい結論じゃない。やりかたも、ファシリテーターに就いて丁寧にやってはないから、拾い方も恣意的だけど、おもしろかった。
正式には14のステップがあるんですが、だんだんとパーソナルな次元へ降りて行って、そこで得た新鮮な言葉でもって、今度は他人へ向けて何かを語れるようになる。そこまでが目標らしい。今までとは違う言葉を使って自分の考えを表せる。それって、めっちゃ楽しいと思いませんか?
僕が今日やった範囲で出てきた言葉遣いは、まだまだ僕的にはありそうな言葉ばっかりでした。もっと掘ってみないとな~。
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