男三人+猫。平和を味わう。
長洲泳に、瀬ノ尾翁との出会いについて聞いてみることにした。
「瀬ノ尾さんとは、いつ出会ったの?」
「うーん、覚えてないな」
「そう?」
「・・・・・・」
僕と長洲泳は瀬ノ尾氏の庭に椅子を出し、木斛の木陰で外を眺めていた。
当の瀬ノ尾さんは出かけていて、僕らは勝手に彼の庭でくつろいでいるのだ。
「何か、知らないうちに。猫が懐くみたいにして」
「ん?」
「このブチ猫みたいに。いつからかやってくるようになった」
「それって、瀬ノ尾さんの口から聞いてるみたいに聞こえるけど」
「だよね