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土用なもんで、養生のおはなし。

季節に関わらず、日本にいる私たちは外側から湿気の影響を受けやすく、また湿った空気を吸い込むことで内側も湿気やすい。
そのような状態で胃腸に負担をかけるような過食をすると余計にだめよというおはなし。


健康のために水分をたくさん飲みましょうというおはなしをよく耳にするが、これは日本にいる環境で日本人がやってしまうと大変なことになる。

日本人の健康法は水分を控えること。

この水をたくさん飲むといいという健康法はもともと海外のモデルさんたちがやって人気になったようだが、彼女らの暮らす地域は乾燥しているから、この健康法があっていて、さらに言えばそういう方達は、適度に運動をし、食事も節制して気をつけて、食べ過ぎない、脂っこいもの、味付けの濃いものを取りすぎない、肉食に偏っていない。

だから、飲んだ水が身体の中をを洗うように入って出ていく。
日本人がマネをしてやると飲んだ水は消化吸収せず身体に停滞する。
また食事の節制ができていない方が、この水の部分だけを切り取って、マネをして制限なく沢山飲むと身体に水が停滞し、湿邪となり、これが全身の気血のめぐりを悪くする。


さらには、水が陽気の発散を邪魔するために身体の内側に熱が籠り、湿熱という状態になって重大な病となる恐れがある。
※湿熱の汗はサラサラではなく、ジトーっとしたべたべたした感じを想像してもらうとわかりやすい、また粘ちょう性、痛み、ニオイを伴う症状が出やすい。

地域性を考慮せず、また食事の仕方も考慮せず、ただ水を飲むというところだけ切り取ってやるととんでもないことになる。

日本人でも沢山水を飲んでもいい方は胃腸が非常に強い方、食事を質素に節制して、適度に運動ができている方に限る。

胃腸の弱い方や日頃から過食気味、肉食の多い食事の方、味付けの濃い食事をしている方がさらに水を沢山飲めば、何度も言うように大変なことになる。。。


日本人に胃腸が弱い人が多いのは、湿気の中にいるから。
皮膚の色が黄色っぽいのはこれもまた湿気の中にいるから。
だから、現代は食事が欧米化してきているが、湿気の多い日本人に欧米の食事は基本的に合わない傾向にある。
やはり、古来から伝わる日本食、和食が合わせやすく、私たち日本人の環境、体質に対して理にかなっている。


理想はこんな感じ?


何事も0か100かではなく、こういったことを念頭にあると、何故同じタイミングで不調が続くのか、薬を飲んでも完治しないのか、また心地よく過ごすための大きなヒントになると思う。


大切なのは季節によって、人によって、場所によってそれぞれの養生の仕方は違うということ。


水分摂取のことに限らず、すべてのことに当てはまると断言できるのはアスリートの養生、コンディショニングに対して徹底的に向き合って来たからかもしれない。


余談ではあるが、アスリートを診る機会が多い頃、この太陰湿土の時期(梅雨前後)に大きなレースや試合が重なっていた為、どのような疾患においても脾胃(消化器系)を中心にコンディショニングのお手伝いさせてもらった。
特に水分摂取の部分は個々に違うので、永遠の課題にはなっているが、試合本番だけではない多くの時間を共有させていただいたおかげでわたし自身、大きな自信に繋がる機会を多くの学生、アスリートから得ることができた。
また、失敗談という経験も然り。。。
むしろほとんどが失敗談かもしれない。笑


改めて、古典医学の叡智を書物に遺してくれた先人達をはじめ、その想いに賛同してくれたすべての方々へ感謝し、その想いが循環していくことを切に願う。


養生は生きている限り、四季がめぐるように続いていく。
それはアスリートとしての一生、一章が終わってもなお変わらない。


参考資料
じんせいに気づきを与えてくれた投稿📔


2023.5.5(金) こどもの日🎏
春の土用期間🌱

明日から立夏なので、ひとまず土用なもんで、シリーズは終わり。(勝手にシリーズ化)

天の気に振り回されないよう、
内側から水はけのよい身体づくりを!!



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