土用なもんで、もう少しだけ湿のおはなし。
日本人には湿の病が多いという話。
それは何故なのか?
日本は四方を海で囲まれた島国であるためにどの方向から吹く風もみな海水の湿気をおびた、湿った風となって人体に当たる。
さらに降雨量が多く、加えて山々が連なる地形が、降雨による水気を乾かすことを邪魔するために湿度が高くなる。
自身も盆地といえば、奈良、京都、三重と夏は暑く、冬は寒いといった地域で住んだことがあるからよくよくわかる。
さらに運気論(五運六気、自然界の気候の変化の法則)には1年を
・厥陰風木(春)🌸
・少陰君火(春~夏)🌱
・少陽相火(夏)🍉
・太陰湿土(長夏)🌻
・陽明燥金(秋)🍂
・太陽寒水(冬)⛄️
と古代中国の気候を分類してあるが、
日本は少陰君火と少陽相火の間にも太陰湿土(梅雨)🌧️の時期があり、湿に犯される時期が2回あるということになる。
気温の関係から、梅雨時期は湿熱に犯されることが多く、長夏の時期では寒湿に犯されることが多くなる。
夏至に向けて、陽の気が高まる(気温がぐんぐん上がる)梅雨時期とまだまだ暑い時期と言えど、陽の気が落ちついてくる長夏の時期では同じ太陰湿土であっても身体に与える影響も違ってくるということ。
上記のことから、日本にいる私たちは外側から湿気の影響を受けやすく、また湿った空気を吸い込むことで身体の内側も湿気てくる。これにより全身の気血のめぐりが悪くなる。
そのような土台で、胃腸に負担をかけるような過食、脂っこいもの・味付けの濃いものの過食、肉食が多い、水分摂取量が多すぎ、そのような食生活を続けていると一気に湿邪となって、人体を犯すことになる。
ただ、このように記載すると、なんでもかんでもダメ、ダメ、ダメ。。。。となって食べられるものがないとなる方も多く、あまり我慢をさせ過ぎると心が緊張し過ぎた結果、肝の気が高ぶって、気血のめぐりが悪くなるということがあるので、良い塩梅を自身の中で見つけて欲しいと思う。
病も、怪我も急には起こらない。
すべてに小さな積み重ねとなる原因があり、
どこかで停滞が起こるから、どこかで鬱滞が起こる。
気血のめぐりが正常であれば、四季がめぐるように心もめぐる。
様々なコト、モノが溢れる世の中だからこそ
四季がめぐるように日々の養生をほんの少し心掛けていると、すぐに手に入る情報に振り回されることも苦しくなることもきっとなくなるはずだと信じている。
色々と書いてしまったが、
大切なのは季節によって、人によって、場所によってそれぞれの養生の仕方は違うということ。
そして、常に今の四季を過ごしながら、次の四季への準備をしているということを忘れずに。
2023.5.3(水) 春の土用期間🌱
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?