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女性アスリートのコンディショニング🌛~月経・基本編~



女性である限り、月経は切っても切り離すことのできない身体の生理現象です。


自身は女性であり、ランナーとして運動性無月経を経験したことから現役の間、月経は無くても良いのか?大丈夫なのか?という相談をよく受けました。
実際、私は中学1年生から10年間のランナー生活の間、自然に月経が来ることはなく、臀部に打つ筋肉注射やホルモン剤の投与など西洋医学の力を借りて、比較的レースの少ない時期(自身は1~2月)に月経を起こすようにしていました。(初潮は小学6年生になる頃です)


一般的に月経周期は28~30日としますが、1週間ぐらいの誤差は東洋医学的には普通の範疇とします。また、不定期な状態であっても、1ヶ月か2ヶ月はよくあることで、3ヶ月以上続くようになって初めて病的な範疇としてみます。



しかし、日常的に激しいトレーニングやウエイトコントロールに励む女性アスリートにとってトレーニング内容、体質によって個人差はありますが、結論から言うと月経が止まるのは仕方がないことなんです。



一流ランナーの多くは、追い込み時期は月経がなく、しばらくトレーニングを休むとまた始まります。しかし、またトレーニングを再開すると止まります。これは正常な反応なのです。



女性というのは陰に属し、陰は内向きで静の性質を持つように、本来できるだけ気血を消費するようなことを避けて温存しておくというのが、女性の生活の仕方です。
これは妊娠出産の準備をする為に子宮に気血を集め、フカフカのベッド状態を保つようなイメージです。
このように気血を温存すれば、気血が余りますので、その余剰分を月に一度月経として排出し、気血を入れ替えます。



ランナーの場合、盛んに気血をトレーニングで消費しますので血の余剰分がありません。そうすれば当然月経を止めなければ激しく血虚に偏り、女性器(子宮)に重大な問題が生じてしまいます。
よって、月経が止まるのは、ある一面から言うと未だ身体を正常に保とうとする自然治癒力の現れであると判断すべきだと思います。
自然治癒力とは自身の命を守る為に生まれ備わった力です。



無理に病院へ行く必要はありません。
思春期の女性アスリートにとって、産婦人科へ行くというハードルはかなり低くなったといえども、やはりまだまだ羞恥心があり、検査に嫌悪感を感じたという声も少なくありません。


以前、身体に不調和なホルモン関係の薬で、強引に起こそうとする方が心配です。と記載していた点に対して目を通してくださった現役の女性スポーツドクターの方にそうは思いませんとご指摘いただきました。



しかし、脈や腹証を診ると胸脇苦満や脾、腎が弱った状態を表しているのです。
これは決して数値化できません。

自身は約9年間、年に1~2回の使用でしたのでホルモン剤による薬害はなかったと思いますが、毎月の使用を数年継続しているとおそらく薬害の影響で腎の弱りを表す症状が顕著に出ているはずです。
陸上競技の長距離アスリートで挙げると、まさに疲労骨折がその代表的な例です。

月経を起こす為、または遅らせる為(コントロールする為)、更には骨密度を上げる為(疲労骨折のリスクを軽減する為)に使用している物が結果的に自身の精気を消耗させているのです。


最近は、月経を遅らせるピルやホルモン剤を積極的に使用しようという声もよく耳にしますが、まずは何の為に使用するのかを本人が知り、また代償があることも納得した上で使用して欲しいと思います。

解決編へ続く➡➡➡



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