子供のためのルーブル美術館(29)世界チャンピオンはだれゴッホ?・レンブラント/モネとスーティン肉を描く
どうして自画像を描くの?
今から400年前、オランダの画家レンブラントは、自画像を100枚も描きました。
レンブラントを敬愛している画家ゴッホも自分の絵をたくさん描いて有名ですが
それでも40枚なので、
自画像世界チャンピオンは、レンブラント!
どうしてそんなに自分の絵ばかり描いたのでしょう。
それは、光の加減で肌の肉の色はどうなるだろう、
座り方や、笑ったり怒ったりした時に表情はどういうふうに変わるのだろうと、知りたかったのです。
研究熱心なレンブラントは、興味を持ったらとことん観察して描きます。
そして、今度は、解体された牛の絵を描きました。
オランダでは昔から、人々の暮らしの絵の中に、牛や豚を解体する様子が多く描かれたのです。
でもレンブラントの絵は、それまでの伝統的な絵とは違っていました。
レンブラントは牛の体の中がどうなっているのか、やっぱりくわしく知りたくて注意深く観察しました。
そして、内蔵を細かく描くために、絵具を厚く塗ったり、筆のあとが見えるくらい荒々しい筆使いをしました。
するとどうでしょう。
まるで牛が輝いているように、そこから光が出ているように見えてきました。
暗い影から浮き上がるような明るい光をキアロスクーロという方法で表現したのです。
あれ?
あそこに誰かいる。
のぞいている女の人は、まるで美術館に彫刻を見にきた人みたいにじっと牛を見ています。
のちにこの牛の絵は、ドラクロワからシャガールまで多くの画家たちに影響をあたえました。
前にご紹介したゆらゆらゆれる画家、スーティンは肉をこんなふうに描きました。
やっぱりスーティン、肉もゆらゆら〜
そして
大人の皆さんが大好きなモネも描いてますよ。
またまた上品な生肉!
やっぱりモネ!
Rembrandt Harmensz. van RIJN, dit REMBRANDT
Le Boeuf écorché 1655
レンブラント
解体された牛 1655 ルーブル美術館所蔵
CHAÏM SOUTINE
La Table Vers 1919
シャイム・スーティン
食卓 1919 オランジュリー美術館所蔵
Claude Monet
Nature morte: le quartier de viande Vers 1864
クロード・モネ
静物画 一片の生肉 オルセー美術館所蔵
お読みいただきありがとうございました。
今日はお肉特集になりました。
屠殺牛の残酷な絵、とは片付けられない芸術的センスが感じられるレンブラントの代表作、神々しいまでの不思議な光が美術館の一室に放たれます。
それがまた、困窮したレンブラントの請け負った肉屋さんの看板のアルバイトだった可能性もある(ルーブル美術館)わけですから、解釈には奥が深いですね😆
さて、オルセー美術館のモネのお肉、これは恐らくジゴダニョー(Gigot d'agneau) 仔羊のもも肉でしょうか。ご丁寧にもニンニクとオリーブオイルのポットまでも描かれています。今晩の夕飯には、この仔羊のローストとワインで(お子様なしの)大人な雰囲気、ご一緒にいかがでしょう🍷
どうぞ良い日曜日をお過ごしください。
レンブラント自画像についてはまた改めて。
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