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子供のためのオルセー美術館(70)海辺の不思議な世界/マティス、クロス、ピカソも大好きなシャヴァンヌの絵

夜明よあけまえのうみ


なみおと。そしてうみこう、
あかるくなってきたそらにカモメがえました。

たばねたながかみかぜにゆらすと背中せなかんやり、

うみのにおいがとおりすぎます。

不思議ふしぎ青色あおいろしろ世界せかい
あのひとたちはいったいだれでしょう。

むかしむかしの古代こだいのおはなしてくるような、ゆめなかたことがあるような、そんな海辺うみべです。

このは、シャバンヌがきました。
うすくもやのかかったようなくすんだいろ、まるでかたちでもくようなせんかれたひとたち。

マティスやクロス、ピカソも、この幻想的げんそうてきなシャバンヌの感動かんどうしました。

マティスの

© Musée d’Orsay, Dist. RMN-Grand Palais / Service récolement

クロスのロングヘアは

たくさんのいろのてんてんで。

部分

ピカソは、

CRÉDIT (C) Centre Pompidou, MNAM-CCI, Dist. GrandPalaisRmn / Philippe Migeat DROITS D'AUTEUR: (C) Succession Picasso - Gestion droits d'auteur

こんなカクカクの現代的モダンきました。
へんなかたちだけど、やっぱり海辺うみべにすわってるひとえるかも。


さあ、最後さいごにもう一度いちどシャバンヌをてください。

たくさんのアーティストが影響えいきょうけたシャバンヌの
これをまねしたら、みんなもなんかけそうながしてこない?



Pierre Puvis de Chavannes (1824 - 1898)
Jeunes filles au bord de la mer 1879
ピエール・ピュヴィ・ド・シャヴァンヌ
海辺の少女たち  1879

シャヴァンヌの絵は、その美的感覚や主題へのアプローチの仕方において、アカデミックな伝統的な芸術や印象派とは似ても似つかない。
構図の単純さ、シルエットの図式化されたデッサン、限られた色彩、弱いモデリング、奥行きのなさ、表面のくすみ、全般的な単純化、そして、背後から描かれた人物によって形成されたようなモチーフを持つ古代からの主題、これらすべてが、まったく独創的な詩的ヴィジョンを物語っている。
この作品は、マティスやピカソに至るまで、同時代やその後の世代に多大な影響を与えた。

musée d’orsay 
Artwork caption copied Henri Matisse Nu bleu IV 1952  Don Maria Schrepel, épouse de Jean Matisse, 1979 Succession H. Matisse © Musée d’Orsay, Dist. RMN-Grand Palais / Service récolement

Henri Matisse
Nu bleu IV.   1952
アンリ・マティス
ヌード・ブルー IV.  1952

Henri-Edmond Cross
La Chevelure Vers 1892
アンリ・エドモン・クロス
髪 1892   (過去記事No.57)

Henri-Edmond Cross
L'Air du soir Vers 1893
アンリ・エドモン・クロス
夕べの風 1893  今回は部分

CRÉDIT (C) Centre Pompidou, MNAM-CCI, Dist. GrandPalaisRmn / Philippe Migeat DROITS D'AUTEUR: (C) Succession Picasso - Gestion droits d'auteur

Pablo Picasso 
Femmes devant la mer  1956
パブロ・ピカソ
海辺の女性 1956

お読みいただきありがとうございました。
シャヴァンヌの独特な雰囲気と単純化されたフォルムはマティス、ピカソ以外にも多くのアーティストに影響を与えました。
地味な色の大きな作品ですが青と白がとても美しい。そしてひと目見たらあら不思議、皆様それぞれに色んなお話やイメージが浮かび上がること間違いなしです。
美術館ではこの絵を観る人は少ないですが、この透明な色とそのフォルムは、実際にご覧になっていただきたい作品の一つです。



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