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主は、希望は、我の傍らにあり
前置きこの記事は、言の葉の集い Advent Calendar 2022の12月24日に投稿した作品となります。
ちょっと重めの小説ですが、お読みいただければ幸いです。
本文僕らを乗せた飛行機は、雪の新千歳空港にたどり着いた。機体から降りると、冬の北海道のひんやりとした空気を肌に感じる。僕のふるさとである札幌まで、まだしばらくかかるだろう。
今年も降誕祭の日がやってきた。
……あの聖夜の奇
我等復活の日を待ち望む
夕方までは大嵐だった天気が、嘘のように静まりかえっていた。今日は、一週間遅れの復活大祭。我々はこの復活大祭をどんな祭りよりも盛大に祝うのだ。この復活大祭を祝う前にはどんな祭りも祝ってはいけないという習わしに則って、僕は電車に乗って聖堂を目指していた。
「夜の電車に乗るなんて久しぶりですね」
僕の天使、明日香がニコッと笑いながら微笑む。しかし、僕の表情は浮かなかった。昨晩僕が見た夢は、あの友人の
壁を越えるのが、私の夢!
前置きこの作品はFM言ノ葉の「第6回 きっとあなたの1400字」という企画に投稿した作品となります。
それと共に、第4回 VRメモフラワークショップにて、私自身をモチーフに書き上げた自伝的作品になります。
そして、『井の頭公園のエルフの物語』の記念すべき第1作になります。
本文 この私に、生きる価値はあるのだろうか。
何度も失敗しては何度もリセットして、たどり着いたのはVRの世界。外見も
井の頭公園のラスクちゃんはお砂糖とお塩でできている
前置きある意味私を代表する作品かもしれません。
この作品が描かれた背景についてはこの記事をお読みいただけると助かります。
なお、2024年1月21日(日)のモノガタリ交流会にてこの作品を発表させていただきました。その際のスライドはこちらです。
本文 私の友人が、興味深い話を持ってきた。普通の少女のように見えるが、この井の頭公園の池の竜神の娘であり、エルフである私にとっては大家と言える存在であ
君の笑顔でも治らない病
ゴールデンウィークも過ぎてしばらく経った五月の日曜日、井の頭公園のラスクちゃんの話を書き上げた私はいつもの友人である竜神様といつもの居酒屋に向かっていた。竜神の娘は見た目は若そうに見えるが、今度はしっかり大人びた服装で現れている。
「お待たせっ。お、原稿、できたのかな?」
この地の守護神であり大家である彼女の頼みとあっては、私も書かない訳にはいかないのだ。普段は筆の遅い私だが、その時は寝食を忘