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アフターコロナに出現するデジタル監視社会

2020年に世界中の政府やWHO(世界保健機関)、そしてマスコミによってコロナ騒ぎが始められた直後に書かれた記事の内容を、3年ぶりに読み返してみました。そこでは、いわゆる「アフターコロナ」の世界はどうなるか?という未来予測が語られており、そろそろ、そんなタイミングなのかな?と思いまして。

残念ながら元の英文記事はアクセス不可になっていましたが、下記indeepさんのブログの中で翻訳が掲載されています。

▼コロナ禍によってもたらされた変化

以下に、現在でも注目すべきポイントを抜粋しました。


「新しい日常(ニューノーマル)」が始まっている

アメリカを始め、多くの国や地域で、この実施期間も不明確な事実上の戒厳令が、国民に受け入れられたため、これは、おそらく「新しい日常」となり、将来的には「過剰な警告」が数え切れないほど実施される可能性がある。それはさまざまの他の口実の下での「注意」となるはずだ。(→これは今でも続いてますよね。だいぶ無視されるようになってきましたが)

ソーシャルメディアの検閲が激化する

「ビッグブラザー(巨大な監視システム)」はすでにここにあるが、それは、ソーシャルメディアの投稿に対する検閲を「社会的に無責任である」という理由により強化することで、これまで以上にソーシャルメディアへの投稿はチェックされるだろう。これはパンデミックに関するものから始まり、他のさまざまな「政治的に正しくない」投稿へと拡大されるかもしれない。

ワクチン義務化の時代がやってくる

コロナの大流行が収まった後、国民にワクチンが強制的に使用されるのを止める方法はおそらくないだろう。 人々は、ビジネス、旅行、そして政府の公的な給付を受け取るためには、摂取の証明が必要となるかもしれない。

リモートでの学習と仕事が増加する

多くの人々が家に閉じこもるしかなく、多くの人々が、必要な商品を購入する以外に離れることができないため、遠隔学習と遠隔での在宅仕事が一般的になるだろう。

ユニバーサル・ベーシックインカムの導入

コロナに対する世界の対応によって触媒された世界的な経済崩壊の規模と範囲を考えると(元の社会体制には戻れないことを踏まえると)、今後は、各国政府が国民が最小限の基本的な商品やサービスを購入して、配布するようになるかもしれない。

現金が消える

致命的なウイルスが紙幣によって拡散する可能性があるという恐怖(←これ大間違いでしたが…)によって、あるいは、各国政府がベーシックインカムを分散させる好ましい方法としての完全なキャッシュレス社会が到来する可能性がある。


「海外旅行の制限」など、元記事であげられていて現在は行われていない項目は割愛しています。

コロナウィルスの危機が去った後も、ウクライナ戦争による食糧危機(西側先進国の市民には大幅なインフレ)、2023年に入ってからは気候危機と、常に恐怖を与えるイベントが続けられています。

SNS上ではそれらの出来事の公式情報の真偽を問う投稿は「フェイク」や「デマ」として検閲されたり、ひどい場合には、プラットフォーム側からアカウント凍結といった強行措置が取られる事例も見られますよね。

また、日本を筆頭に主要先進国では7〜8割にも及ぶ国民が、事実上の義務という形で、新型コロナワクチンを接種しています。

在宅でのリモートワークは働き方の選択肢としてすっかり定着したものになり、電子マネーの拡大と共に現金の使用頻度も減っています。そして、ベーシックインカムの名前をメディアでも聞くようになり、公約とする政党も現れてきています。

振り返ってみれば、これらの変化はコロナ禍によって「可能になった」、もしくは「押し進められた」とも言えるのではないでしょうか。

世界経済フォーラムのクラウス・シュワブ会長に言わせれば、まだまだこれらの変化は道半ば、なのかもしれないですけど。

▼リアルからネットへの依存が加速

もし、上記でリストアップした内容をひと言で表現するなら、「ネット依存」が進められた、と言えるかもしれません。

言うまでもなく、コロナ禍での世界中の衛生当局からの指示は、人との接触を可能な限り減らすソーシャル・ディスタンス、外出禁止、マスク着用が基本になっていました。これまでもネット上での人と人とのコミュニケーションは存在していましたが、コロナ禍によってさらに加速され、日常の多くの時間を占めるようになったのですから。

また、多くの金銭取引、ショッピングや飲食(デリバリー)もネット上に移行され、今では生活のあらゆる場面がネット無しには成り立たなくなった、と言っても過言ではありません。

そんな中、もしネットが遮断されたらどうなるか・・・?

ウェブサイトやSNS、Eメールの閲覧だけでなく、動画、オンラインショッピング、電子マネー、銀行決済、行政サービス、マップなどのサイトやアプリがすべて使用できないことになります。

例えば、地震災害や中国の脅威のある台湾では、ネット遮断に備えて通信網やデジタルインフラの耐性を高める計画を想定しています。

台湾が実効支配する馬祖列島で2月、海底インターネットケーブル2本が中国国旗を掲げた船によって切断され、デジタル通信が遮断された。

2006年の地震でも台湾周辺の海底ケーブル8本が切断の事態となり、復旧に数週間を要し、アジアの多くの地域でインターネットや銀行、国境を越えた取引に支障が出た。

出典

台湾の災害対策計画には、台湾全域で衛星受信機700台の設置が盛り込まれている。受信機は固定式や移動式になるとみられ、いずれも低軌道(LEO)と中軌道(MEO)にある複数の衛星群からの通信を受信できるように設定する必要がある。

出典

この記事では、現状はネット遮断などに対応するのは「不可能」だと述べています。デジタル先進国とされる台湾でさえ、です。
記事の最後に、緊急時に衛星受信が可能なのはイーロン・マスク氏が所有するサービス「スターリンク」だけというのも気になるところですね。

また、ネット遮断までいかなくとも、大規模なサイバー攻撃のリスクも懸念もあり、世界経済フォーラムが警告を発しています。

ロシアによるウクライナ侵攻が長期化の様相を呈する中、ロシア軍が再攻勢を仕掛ける公算が高いことを考えると、一斉的なハイブリッド攻撃の一環として悪意のあるサイバー作戦が展開されることが予想されます。

出典

サイバーレジリエンスの実現は、サイバーセキュリティにおける最大の課題の一つです。実現に必要なのは、一時的な取り組みでも単一のアクターによる取り組みでもなく、国家や企業の枠を超えた協調的な取り組みです。

出典

注目すべき点を太字にしました。要はロシアから西側諸国への「破滅的なサイバー攻撃」が予想されるので、国際的な防御体制を築く必要がある、という主張です。サイバー攻撃がネットにとどまらず、電力やエネルギー関連といった生活インフラ施設にまで及ぶ可能性を指摘しているのが物騒ですね。。。

▼マイナンバー制度もネットへの国民情報の一元化

日本国内を見てみると、政府が普及を進めようとしている「マイナンバーカード」と、その元になるマイナンバー制度もネットがなければ成り立たたない仕組みですね。

内閣府のページにはこうあります。

これまでも、例えば、福祉サービスや社会保険料の減免などの対象かどうかを確認するため、国の行政機関や地方公共団体などの間で情報のやりとりがありました。

しかし、それぞれの機関内では、住民票コード、基礎年金番号、健康保険被保険者番号など、それぞれの番号で個人の情報を管理しているため、機関をまたいだ情報のやりとりでは、氏名、住所などでの個人の特定に時間と労力を費やしていました。

社会保障、税、災害対策の3分野について、分野横断的な共通の番号を導入することで、個人の特定を確実かつ迅速に行うことが可能になります。

出典
内閣府ページより

この制度のコンセプトを簡単に言うと、個人情報を集約し、よりアクセスしやすくする、という点になります。国民からも、政府からも、です。

2021年5月には、政府はマイナンバー制度を利用して、個人の所得・資産の情報を集めることを発表。翌2022年3月には、個人の医療情報を集めると検討していることが報じられています。

世界を見てみると、国連も同じように2030年までに世界中すべての人へのデジタルIDを配布する計画「ID2020」を持っています。SDGsの「誰ひとりとして残さない」というスローガンに対応するものです。

ID2020には、マイクロソフトやアクセンチュアといった世界的なIT企業も参加。ブロックチェーン技術を活用したデジタルIDシステムの構築が始まっている、というのが2021年の話でした。

その中で興味深いのは、IDがなく医療や教育などの社会保障が受けられないアフリカの一部の国では、システムを構築する方法として、ワクチン接種もあげられているという点です。

マラウィやタンザニアではおいてワクチン接種率は9割を超えるため、ワクチン接種とともにIDを発行すれば、より多くの人にIDを提供する機会になり得ます。

出典

▼「社会信用システム」で国民管理の先端をいく中国

デジタルIDにとどまらず、国民管理の先端を行っているのがお隣の国・中国です。それを最も分かりやすく示すのが「社会信用システム」という制度で、これは「国民がすべてポイント(得点)で評価される」という仕組みです。

例えば、「信号無視はマイナス〇〇点」とか、「献血するとプラス〇〇点」などのように評価されます。

そして、マイナスが大きくなり「信用のできない人物」という評価に変わると、その人物は飛行機や長距離列車に乗ることもできない、家を買えない、家族が大学に進学することも難しいなど、社会生活に支障が出てきます。

米Business Insider紙の記事の翻訳を紹介します。


中国の「社会的信用」システムは市民をランク付けし、共産党が信用できないと判断した場合は、インターネット速度の制限やフライト禁止などの罰を与える。

中国共産党は長年にわたり、膨大な人口の行動を監視し、"社会的信用 "に基づいてランク付けするモラル・ランキング・システムを構築してきた。

2014年に初めて発表された「社会信用システム」は、「社会主義市場経済システムと社会統治システムの重要な構成部分」であり、2015年の政府文書によれば、「信用を守ることは栄光であり、信用を破ることは不名誉である」という考えを強化することを目的としている。

サウスチャイナ・モーニング・ポスト紙によると、このランキングは中国の経済企画チーム、国家発展改革委員会(NDRC)、中国人民銀行、中国の裁判制度によって決定される。

このシステムは個人だけでなく、企業や政府組織にも利用できる。Wired紙が報じたように、中国で急成長しているハイテク業界を含む民間セクターは、独自の非政府採点システムを導入している。

例えば、シンクタンクのメリクスによると、ジャック・マー傘下のアント・グループが所有するセサミ・クレジットは、買い物習慣の調査など、従業員に対して独自の非公式採点システムを使っている。

CNBCが報じたように、このプログラムは近年、全国で数百万人を対象に試験的に実施されており、2020年までに完全に運用・統合される予定だった。

しかし、現在のところ、この制度は断片的で自主的なものだ。中国には中央の社会信用システムがないため、多くの地方政府機関がシステムのあり方を実験している。

MIT Tech Reviewによると、中国は現在、信用度を測定するための中央集権的なアルゴリズムを使用していない。村々を歩き回り、住民の善行を書き留める「情報収集員」によって実施されることもある、かなりローテクな方法だ、とMITテックレビューは言う。

しかし、Wired紙によれば、社会的信用システムは最終的には義務化され、全国で統一される予定である。

実際、全国的な社会信用システムが現在提案されている。MIT Tech Reviewが入手した文書によると、中国政府の国務院は11月中旬、「社会信用システムの確立に関する法律案」を発表した。

この法律案は、「習近平総書記の信用制度に関する法制度の改善に関する重要な指示の精神を実施する」ために作成されたと、フィナンシャル・レビュー紙は報じている。

悪質な運転と借金で社会的格付けが下がる可能性

個人の信用スコアと同様、社会評価スコアもその人の行動によって上下する。

正確な方法は不明だが、違反の例としては、悪質な運転、禁煙ゾーンでの喫煙、ビデオゲームの買いすぎ、フェイクニュースのオンライン投稿(特にテロ攻撃や空港警備に関するもの)などがある。

その他に罰せられる可能性のある違反には、ビデオゲームを長時間やりすぎる、軽薄な買い物でお金を浪費する、ソーシャルメディアに投稿するなどがある。

中国が社会信用システム確立法を成立させれば、企業も危険にさらされる。

特に金融会社は、金融詐欺、銀行債務逃れ、インサイダー取引、偽保険の展開、偽情報、違法な資金調達などで処罰される可能性がある、と『金融評論』紙は伝えている。

渡航禁止や低速インターネットなどの処罰も

中国はすでに、フライトの禁止を含む渡航制限による処罰を開始している。

英ガーディアン紙が報じたように、国家信用情報センターによると、当局は2018年末までに1750万回、航空券の購入を禁止した。

多くの人々がビジネスクラスの列車の切符を手に入れることを禁じられ、一部の人々は最高のホテルから締め出されている。

最終的には、悪質な乗客を特別に罰するシステムになる。想定される悪行とは、チケットを持たずに乗車しようとする、搭乗ゲート前でうろつく、禁煙エリアで喫煙する、などだ。

2017年にWired紙でテック・セキュリティに関する著書の一部を発表した作家のレイチェル・ボッツマンによると、政府は罰としてあなたのインターネット速度を制限するというが、正確な仕組みはまだ明らかにされていない。

フォーリン・ポリシーによると、信用システムは、金融信用追跡のように、人々が期日通りに請求書を支払うかどうかを監視する。

2017年に兵役を拒否した17人が、高等教育への入学、高校受験、学業の継続を禁じられたと北京ニュースが報じた。

そして2018年7月、中国のある大学は、その学生の父親がローンの返済を怠ったために社会的信用度が低いという理由で、学生の入学を拒否した。

犬を連れ去られる可能性もある。中国東部の済南市では、2017年から犬の飼い主に対する社会的信用制度を実施し、犬を鎖につながず散歩していたり、公共の場で迷惑をかけたりすると、飼い主は減点されることになった。

すべてのポイントを失った者は犬を没収され、ペットを飼うために必要な規制に関するテストを受けなければならなかった。

名指しや公の場で恥をかかせることも戦術のひとつだ。2016年の政府通達では、企業は人を雇ったり契約を結んだりする前にブラックリストを参照するよう奨励している。

人々はリストに追加される前に裁判所から通知を受け、通知を受け取ってから10日以内であれば決定に不服を申し立てることができる。

ヒューマン・ライツ・ウォッチが報じたところによると、2015年に裁判所命令を履行せず「信用できない」とされた弁護士の李暁林は、リストに登録され、出張中に帰国するための航空券を購入することができなくなった。また、クレジットカードの申請もできなかった。

「悪い」市民は罰せられるが、「良い」市民にも報いるシステム

良いスコアを持つ人は、ヨーロッパなどへの旅行の申し込みを早めることができる、とボッツマンは言う。

北京に住む女性は2015年、BBCの取材に対し、良いスコアを持っていたため、現金の保証金を支払うことなくホテルを予約することができたと語った。

同誌はまた、現在嘉遠が所有する中国最大の出会い系サイト『白河』が、善良な市民のプロフィールを後押ししているとも報じている。

社会的信用度の高い市民は、エネルギー料金の割引、保証金なしの賃貸、銀行の金利優遇などを受けることができる。

このような特典は中国東部の栄城市の人々にもあり、市議会は2018年にフォーリン・ポリシーで紹介された市民のための社会信用システムを展開した。

2022年8月現在、遼寧省は、全体的な健康状態を改善する方法として、献血を選択した住民に報酬を与えることも検討している。

また、社会保険給付や手頃な価格の住宅を通じて労働者の権利を支援し、環境保護を遵守しているという証拠があれば、企業は信用格付けを上げることができる。

このシステムは、ディストピアSFに例えられる

中国の社会信用システムには道徳的なエッジが組み込まれているため、ジョージ・オーウェルの『1984年』のような、国家が市民生活のあらゆる面を厳しく管理するディストピア的な統治と比較する人も多い。

しかし、それにもかかわらず、一部の市民は、このシステムがすでに自分たちをより良い人間にしていると言う。ヒューマン・ライツ・ウォッチは、このシステムを「ゾッとする」と言い、ボッツマンは「制御不能なビッグ・ブラザーの未来像」と呼んでいるのだが。

チェンと名乗る32歳の起業家は2018年、フォーリン・ポリシーに以下のように話している。

「この半年で、人々の行動はどんどん良くなっているように感じる。例えば、車を運転するとき、今は横断歩道の前で必ず止まる。止まらないと減点されるからです。最初は減点されることを心配するだけでしたが、今では慣れました。」


この記事が最初に書かれたのはコロナ以前で、それから更新されているようです。3年以上が経ち、さらに状況は進んでいるでしょうね。

こういったシステムが社会に根付いていくと、犯罪歴があるだけでなく、「体制に批判的」な思想を持っていたり、SNSで発言したりするような人物のスコアは、相当マイナスになっていくものと考えられます。

社会信用システムをコントロールする支配層のさじ加減次第で、どうにでも個人の自由を制限することが可能になり、社会生活を送る上では「公正でないと気付いていても、自身の安全のために黙って従う」といった状況が多くなってしまうと思われます。
それは民主主義の発展にとって、大きな脅威です。

▼コロナ禍の中で一層すすんだ監視技術

テクノロジーの面で言えば、中国の社会信用システムはどんな国家でも採用できることも事実。
実際、中国は監視カメラやデジタルインフラを世界各国に輸出にしているそうで、その数は40カ国に及ぶといいます。治安の改善を求めて中国の最新のデジタル監視技術を求める国が増えているようなのです。

余談ですが、中国の監視カメラのネットワークの名前は「スカイネット」といい、顔認証ソフトを適用して高精度に個人を識別できるのだそうです。今のところ、スカイネットは社会信用システムとは統合されていないようですが・・・。

日本でも、2018年の意識調査で「もっと防犯カメラを増やした方がいい」と感じる人が62%にのぼっているように、コンビニやドラッグストアのような小売り店やマンションでの防犯カメラの設置は当たり前となり、個人宅にも設置が進んでいます。

2020年のIHS Markitの調査によると、「世界には7億7000万台のカメラがあり、2021年中に10億台に達する見込み」のようです。
設置台数のランキングでは、1位中国、2位アメリカ、3位にロシアと続き、日本はドイツやイギリスと並んでトップ5にランクインしています。

出典

さらに、感染予防対策としてあらゆる場所に設置された一部の検温カメラが個人の顔画像データを記録しており、それが流出していたことが明らかになっています。

国内市場275億円(2020年分、富士経済調べ)と推測される感染症対策用のサーマルカメラのうち、7割近くは顔画像を取得しているという。
業界団体のサーモカメラコンソーシアムによると、コロナ禍の当初は、手首や額にカメラを向けて検温するだけで顔は撮影しないガン型が中心だった。だが、その後、主流になったタブレット型(タブレット端末に顔を近づけて検温)などは多くが顔画像を撮影し、顔特徴データも抽出するという。

出典

さらに、20年夏頃から顔認証や顔識別機能付きの製品が増えていったというのです。すでに顔画像が保存された中古品は市場に出回っているはずで、さらに本当に一部の製品の話だけか、という疑問もあります。

コロナ禍で街中いたるところに設置された監視カメラによって、どれだけの顔画像データがビッグデータとして貯められたんでしょうね。

▼オーウェルの小説「1984」が現実に

顔だけではありません。いま私たちは、インターネットによって個人情報が吸い上げられるか、もしくは自らさらけ出す日常を生きています。

全体主義の描写で有名なジョージ・オーウェルの小説「1984」では、支配者「ビッグ・ブラザー」が市民の言語や思想を統制しようと、常にテレスクリーンと呼ばれる機器を使って市民を監視させています。

政府が示したルールにしたがって生きていれば問題ないのですが、少しでもビッグ・ブラザーの意にそぐわないことをすると「思考警察」に逮捕され、拷問の末その人間は存在しなかったことにされるのです。

オーウェルが警告した監視社会は、AIとビッグデータの活用によって急速に実現されつつあるようです。例えば、GoogleやFacebookなど巨大ネット企業は個人のネットでの閲覧行動を監視し、その人に合った広告を絶えず配信してきますよね。時には、口で会話していた内容に沿った広告さえ出てくることさえあります。

さらに、オーウェルは「世界の分断」についても表現していました。

小説では、支配層が市民に敵国や反政府人物の映像を見せることで憎悪を高めるシーンがあるのですが、これはまさに現在のソーシャルメディア上で起こっていることですね。

米大統領選挙、コロナウィルス、ワクチン、ウクライナ戦争、LGBT、気候変動などなど。ソーシャルメディアでの言論を真っ二つに分断することで行われているのは、支配層による市民の思想的な「選別」だと思っています。

彼らがこれから築いていくユートピアに住まわす人間は誰なのか、そのリストをビッグデータにためて選んでいくわけですよ。


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