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QUEEN ベスト未収録曲から10選

はじめに

というわけで、野球アカウントによる、脱線自己満noteです。
どの層に向けた構成にしようか考えたのですがタイトルの時点でマニアックなので、もう分からない方は置いといてQUEENが大好きな方へ書くことにします。「QUEENの隠れた名曲を知りたい」というビギナー的な方にとっても良い記事になれたらそりゃ嬉しいですけど…頑張って読んでください。

Ogre Battle

というかこの曲を冒頭としたQUEENⅡ(1974)のB面6曲(通称Black Side)一括りでのチョイスという気持ちです。調べたところ、今やBlack Sideの中でベストに選曲されていないのはこの曲とThe Fairy Feller's Master-Strokeだけみたい。なので別にOgre BatteじゃなくてThe Fairy…でも良かったんですけど。
自分、『コンセプトアルバム』とか『トータルアルバム』とかって作風がたまらなく好きなので、このアルバムはQUEENの中でも1位2位レベルで大好きな1枚です。当時はまだスターじゃなかったからあまりセールスも良くなかったけど、全キャリアを振り返っても独創性・完成度・制作意欲の高さ的にQUEENⅡは最高傑作って言っても全然良いんだと思う。

Flick Of The Wrist

3rdアルバムSheer Heart Attack(1974)も人気が高いけど、この中で一番カッコいい曲って実はこれやろと思う。ピアノから始まるイントロ、フレディの仰々しいボーカル、オーバータブしたコーラスといったいかにも初期のQUEENらしさがありながら、実はギターがロバート・フリップばりにこれだけ無秩序に暴れている曲もそんなにないように思う。
イマイチ『隠れた名曲』としてでさえもフォーカスされない理由は、歌詞の内容が身内批判で取っつきにくいってのもあるのかもしれない。同じような内容のDeath On Two Legsもこれまでベストアルバムに選曲されたことがないみたいだし。

God Save The Queen

名盤『オペラ座の夜』(1975)でBohemian Rhapsodyが終わった余韻そのままに流れるラストの曲。この重要な締めに自国の国歌インストを持ってくるというカッコよさです。ましてや曲名にバンド名が入ってるわけだし。カッコつけすぎです。

中期以降のQUEENがライブの最後にこの曲をかけて、観客の国歌斉唱をバックに4人が退場していくこの感じが大好きなんです。おかげで未だにワールドカップのイングランド戦とかで国歌が流れるだけで涙腺緩んじゃうんです自分。(歴史的にはイギリスという国自体は大嫌いなんですけどね)

Who Needs You

アルバム News Of The World(1977)はQUEENが前作のセールス伸び悩みやパンクブームを受けて大きく方向転換したアルバムで、このWho Needs YouもそれまでのQUEENサウンドに比べればかなり質素でアコースティックな一曲。もちろんシンプルに良い曲だからこの10選に選んでるんですけど、ボーカルもどこか寂しげで、珍しくフレディの葛藤も垣間見える気がする一曲。ちなみにこのアルバムはフレディ作品の収録数がキャリア史上で最も少ないという側面もある。この曲も作曲はフレディではなくジョン。

Need Your Loving Tonight

アルバム The Game(1980)より。この曲を選んだのは好きだからというよりも、ちょっと待って意外や意外この曲どのベストにも収録されてないぞ、と言いたいだけです。隠れた名曲の定番なので。
ちなみに先ほどのWho Needs Youに続き、こちらもジョンの作曲。作曲数は少ないけど打率は非常に高い。

Back chat

QUEENイチの駄作と言われるHot Space(1982)の中核曲。たしかにこのアルバムは全体的に中途半端でスベッてる。映画Bohemian Rhapsodyでも当時を『フレディとジョン主導でディスコサウンドに傾倒し、ブライアンとロジャーがこんなのQUEENじゃないと反発した、バンドとして底辺の時代』として描いている。でもこれは映画を監修したのが反発した側のその2人だけだったんだからある種当然で、そういったネガティブな一面よりも、いかに折り合いをつけてなんとかQUEENサウンドに仕上げたという点で、このBack Chatは秀作だと思う。ブラコン路線でもドラムソロもギターソロも織り交ぜてハードロックとしてのテイをしっかり守っていて、頑固者なインテリ4人が集まったロックバンドさからこそのサウンドと言いたい。同映画内でもフレディのセリフで「ソロ活動もしてみたけど、みんな自分の言いなりでつまならなかった」んだと。
また、この時期のフレディはボーカリストとしても最高潮にあり、高音のクオリティもアレンジ力もレベルが高い。例の2人がこの時期の作品を嫌っているのは明らかで今さらフィーチャーされることも無いはずなので、これぞ今後も隠れに隠れる名曲だと思います。
ちなみにこれも作曲はジョン。狙って選んでるわけではない。偶然です。

Man On The Prowl

アルバム The Works(1984)より。前作までの反省を踏まえてシンプルなロックンロールに戻ったこのアルバムは、地味すぎるので評価は高くないけど、全体的に聴きやすいので自分は結構好きです。
Man On The ProwlはCrazy Little Thing Called Love以来のロカビリー調だけど、フレディのボーカルはさらにプレスリーっぽく寄せているし、でもしつこさもないし、ちょうどいい曲だと思います。
The Worksはリード曲がRadio Ga Ga。MVで映画メトロポリスをフィーチャーしている点からもレトロ路線を狙った意図はありそうで、そういった意味でMan On The Prowlもセピア色のジャケット写真のイメージに合っていると思う。収録曲のコンセプトとジャケットの雰囲気がマッチしているのは名盤の条件として欠かせないポイントだと思うんですよね。

Pain Is So Close To Pleasure

アルバム A Kind Of Magic(1986)より。これも全然話題にならない曲だけど、大好きなんです。フレディが全編ファルセットで歌うのはこれかCool CatかDon't Try So Hardくらいじゃないか?
またモータウン調のサウンドもQUEENでは珍しいので異質感もありながらもバッチリ心掴まされるメロディアスな構成。ちなみにこれも作曲はジョン(フレディとの共作)。結局、QUEENが都度伸び悩んだ時に、別のジャンルのサウンドを次々持ってきてバンドに多様性を与えてくれたジョンこそ影のMVPなんだって言いたいnoteなだけのような気がしてきた。

Was It All Worth It

さて時代は少し流れてフレディがエイズを発症した後の後期QUEEN。アルバムThe Miracle(1989)は全体としてまとまりが薄いのでトリのこの曲も一般的には注目されているのを見たことがないけど、久々にシリアスかつ長尺なロック曲で、かつ『俺たちもなんとかここまで来たよな』的な懐古的な歌詞は原点回帰とも、バンドとしての巻き返しとも、はたまた終焉の始まりを覚悟したとも受け取れる一曲だと思う。現に、フレディ存命中ラストとなった次作アルバムの冒頭曲Innuendoはその系譜を継いだ後期QUEEN版Bohemian Rhapsodyとも言える壮大な構成で、久々にシングルとして全英1位曲にもなったわけなので、このWas It All Worth Itがメンバーにとって自信になったのがきっかけなのではないかと。勝手に。私は。推測するわけであります。

My Life Has Been Saved

さてフレディ没後にリリースされたラストアルバム Made In Heaven(1995)より。前述のQUEENⅡの話の時に、1位2位を争うレベルで大好きなアルバムだといったもう1枚はこれです。全体的にフレディが天国から歌っているかのようなコンセプトアルバムとも言える作風で、My Life Has Been Savedも歌詞は『死』をテーマにしながらも曲調やボーカルは明るく、これがフレディたちの気丈さを際立たせているように聴こえてきて、なんだか胸が打たれるんです。

実は最近になって初めて1989年リリースの原曲を聴いたのだが、こちらも良かった。特徴は、
・ピアノよりギターが強い
・全体的にボーカルにサラウンドをかけていて立体感がある
・1995年ver.ではカットされていたアドリブやセリフがいっぱいある。
 (ただし英語分かんないのでなんて言ってるかは分からんが)
推測だけど、1995年ver.の編曲はアルバム Made In Heavenとしての統一性を持たせる為にすっきりしたサウンドにしたくて、ピアノ主体かつフレディのアレンジを削ぎ落したのかなって。自分はどっちも好きですけど(セコい)。
ちなみにこの曲もジョン作曲と言われている。不治の病に侵された同僚にこの曲を書いて渡すというだけでもすごいと思う。

最後に

当初は10曲くらい楽勝で出せるやろと思っていたものの、既出のベストを改めて調べてみるとQueen Forever(2014)がとても邪魔なことに気付いた。

こちらもそれまでのベストでは未収録だったマニアックな選曲を織り交ぜており、実はこのアルバムせいで、
Drowse
One Year Of Love
Sail Away Sweet Sister
In The Lap Of The God…Revisited
あたりは泣く泣く今回のnoteの選曲から範囲外となった。

ところでもう1点特筆しておきたいのでは、今回の10選のうちジョンの曲が5つも。これは意図して選んだわけではない。やはりジョンなくしてQUEENなし。存在は大きさを改めて感じた次第でした。

締まりが良くない気はしますがこれで終わります。QUEENがお好きな方や興味のある方の目に留まって嬉しく思います。ありがとうございました。

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