新解体新書 デカルトと遊ぶ

私が宿る肉体をじっくりと眺めてみてわかったことがある

両方の上腕部を覆う薄い体毛は渦巻き状になっていた

皮膚に1ミリ程の赤い点

老人性血管腫 であると知る

子供の頃は確かなかった

腕に0.5ミリ程の突起物

デキモノみたい

腕の関節部に等間隔に3つ並ぶ黒子

折り曲げるとちょうど

夏の大三角形のような

何かの星座にも見えたり


生え方を知らない体毛が皮膚の内側にできていた

足の指1本だけ第一関節が伸びず丸く折れ込んでる

手の指こちらも1本だけ猫背のように変に丸まっている

直線ではない


自分の背中を眺めたことが今までの人生の中で非常に少ない

もっと眺めたことがない箇所もあるだろう

耳の裏もそういえば

首もない


こうしてみると自分は意図しないところで

体は変化しているのだと思うし

生まれた時からのであれば

自分の体だけど、知らない他人の体を借りている

ように見えて

またそこで私は知らない遠くの他人のことを想ってしまう











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