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うちは帝国主義

以下、一部はフィクションです

2/15(木) 朝食後。スマホに表示したnoteのとある記事をアンドレアに見せながら、僕は言った。
「お前と一緒に読むのも、これで最後だ...」


※この記事(上のリンクの記事ではなく、今あなたが読もうとしてくださっているこの文章)は、日本人の僕とイタリア人の友人アンドレアがイタリア語で交わした会話を、日本語に訳したものです。(なお、前述の通り、一部はフィクションです)
ほぼ会話のみで構成されているので、どちらの発言であるかを明確にするため、僕の台詞にはL、アンドレアの台詞にはAを、「」の前に付けてお送りしたいと思います。


A「『これで最後』ってなんだ。日本に戻ってからもビデオ通話で一緒に読めるし、9月にはこっちに帰ってくるんだから...」

L「それはそうだけど、気分的なものは自分で制御できないだろ。最近、朝起きた時うつ状態なんだよ。出国日までのカウントダウンに怯えながら朝を迎える気持ちは、お前にはわからない」

A「...どうして君はそう病んでるんだろう。愛情を示すなら帰国前だけじゃなくて、普段から、もっと穏やかに表現してほしいんだけど...」

L「は? 愛情? 違うし。出国手続きの時、空港職員を殴りたくなるんだよ。手荷物検査も腹立つけど、特にパスポートチェック! 警察もイタリアも大っ嫌いだ!あと、規則に縛られてる自分も嫌い。不法滞在でも何でも方法はあるのに、それができないのが情けなくて...」

A「...前半も微妙だけど、後半 完全におかしいだろ。君は普段 規則も約束も全く守らないんだから、なにか一つくらい守るのは悪いことじゃないと思うよ」

L「そんなことない。僕は大体お前の言う通りにしてるじゃん。南イタリアでも...」

A「それは俺が武力行使したからだし、アルプスでは約束を守らなかっただろ」

L「ぁあ、『バターをそのまま食うな』っていうやつ? いいじゃん別に、トレンティーノにいるときだけなんだから」

A「俺が言ってるのは『雪が積もっているところには一人で行くな』だ。あのとき誰にも気付かれなかったら、君は凍死していたと思うよ」

L「その話はもういいよ。それより、kaekoikさんの記事 読もう...」

A「...これはBuddhaのやつだね」

L「そうそう。今回は、『仏像を階級じゃなくてグループに分けて考える』っていう話」

A「...どういう意味?」

L「あー...『文中の単語を品詞ではなく役割として分類する』的な」

A「...余計わかりにくくなったよ」

L「大丈夫。記事は、頭がちょっとアレなお前にもわかるように書かれてる。仏像が会社組織に例えられてるんだよ」

A「へぇ... 会社組織。随分タイムリーだね」

L「それな。 noteをやってるとよくあるんだ。こういうシンクロ感」

A「...なるほど。如来が各社の “社長” で、菩薩だの天部だの、それ以外がそれぞれの如来の "部下" なんだ。 俺の推し、如来の中ではどれだっけ?」

L「えーっとね... 薬師如来。薬瓶持ってるやつ」

A「そうか。じゃあ俺はもうすぐ薬師如来になるから、君はその下の菩薩になるんだね(?)」

L「いや、如来は実質、お前のパパだろ」

A「違う。父さんは資金援助してくれるだけで名義人は俺なんだから、俺が如来だよ」

L「どうだろうね。これを機にパパの会社の名義を変更すれば名実ともに如来になれるし、諸々楽できるって思うけど」

A「ローリス、何度も話したけれど、それはできない。金銭面で助けてもらうだけでも心苦しいのに...」

L「まぁね。わかる。僕も道端で暮らしてた時は、母さんがくれた生活費には一切手をつけずに、自分で稼いだ金だけで生きるっていう縛りプレイをしてたし」

A「君と一緒にするな」

L「なんで? スリだって立派な職業だよ。都市伝説かもしれないけど、イギリスにはギルドもあるって聞いたことがある。そうだ。そのうちお前から独立して、” DAINICHI” っていう半グレ組織を結成しよう!」

A「そんなことさせると思うか? 徹底的にパワハラ行使して、退職を阻止するからな」

L「こわ...じゃあ僕は菩薩か天部のままでいいや。文殊菩薩か帝釈天が “(株)薬師” にいるといいな」

240216

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