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著作によって名声を得る

バールでの朝食時。
「ねぇ、これ...」
エスプレッソコーヒーにクロワッサンを浸すアンドレアに、noteのとある記事を表示したスマホを差し出すと、突然取り上げられた。


※この記事(上のリンクの記事ではなく、今あなたが読もうとしてくださっているこの文章)は、日本人の僕とイタリア人の友人アンドレアがイタリア語で交わした会話を、日本語に訳したものです。
ほぼ会話のみで構成されているので、どちらの発言であるかを明確にするため、僕の台詞にはL、アンドレアの台詞にはAを、「」の前に付けてお送りしたいと思います。


A「自分から渡すなんて偉いね」

L「...渡したんじゃない。お前が奪い取ったんだろ。もうスマホチェックするのやめてくんない?」

A「...ホーム画面。この写真を使っていいのは1週間だけだと言ったはずだ。変えるからな」

L「勝手に変えんな! 別にいいじゃん写真くらいさぁ... そもそも、この写真撮ってくれたのお前なんだけど... それにしても、よく撮れてるよね。僕がに指示を与えてるみたいで、これ見るとすげぇ上がるんだよ」

A「だからってホーム画面に設定する必要はない。気分を上げたいときにだけギャラリーを開いて見ればいいだろ」

L「一番かっこいい写真をホーム画面にしたいの!」

A「自分の写真をホーム画面にすること自体かっこいいとは思えないし、この写真だって “おじいちゃんに遊んでもらっている孫” にしか見えないよ」

L「うるさい。もういい。そんなことよりnote開けよ。kaekoikさんの記事を読むためにスマホ見せたんだから」

A「...そうか。今日から7月だもんね。今月の漫画は...『ブラック・ジャック』」

L「そう、今月のテーマはマフィア!」

A「...『医療漫画』って書いてあるけど」

L「そうだけど、マフィアも出てくるもん。ほら、ここ...」

A「このパラグラフだけね。どう考えても今月の主題は “医療をテーマとした作品” だよ。『ブラック・ジャック』は知らなかったけど、『DOC あすへのカルテ』は知ってる」

L「僕も知ってる」

A「実はさ、ジュリアがこのドラマ大好きなんだ」

L「...誰だよ、ジュリアって」

A「...本当は知らない...と」

L「何が?」

A「何でもない。あ、こぼれ話のパラグラフで『ダ・ヴィンチ・コード』が紹介されてる。昔ローマへ行ったとき、この作品に出てくる名所を回ったよね。懐かしいなぁ」

L「それは『ダ・ヴィンチ・コード』じゃなくて『天使と悪魔』だろ。読んでないくせに知ってるふりすんな」

A「映画は見たよ」

L「お前ばかじゃねぇの? この作品は原作読んでなきゃ意味ないんだよ。kaekoikさんは『天使と悪魔』の方が好きみたいだな。確かに、構成は完璧だよね。でも僕は、話の内容は『ダ・ヴィンチ・コード』の方が好きなんだ。最後のシーンでは鳥肌が立つ...」

A「君、何度も読み返していたもんね。ところで、この『ブラック・ジャック』は読んだことあるの?」

L「うん。父さんが全巻持ってるから、雑誌だけに掲載されたやつ以外は全話読んだと思う」

A「そうなんだ。ねぇ、記事の最初の方に『ある一話のグロテスクな描写を見て […] いまだにそのページは直視できません』って書いてあるだろ。どんなシーンか見当つく?」

L「それな。僕も特定したいと思ってたんだよ。全話覚えてるわけじゃないけど、そんなにすごい絵ならネットで探せば出てくると思うんだよね。集合体恐怖症だろ... 体から葉っぱが生えてくるやつとか、皮膚が鱗になっちゃうやつとか、泡状の奇形とか... その辺を中心に探してみるか」

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