【随想】映画『リップヴァンウィンクルの花嫁』岩井俊二
リップヴァンウィンクルの花嫁を観ました。
19日まで期間限定でYouTubeで配信されています。
2016年の作品。
3時間もあるとても長い作品です。
ディアドクター。
ヘルタースケルター。
ダンサーインザダークなどを思い出しました。
岩井作品だと、
リリイ・シュシュのすべて。
黒木華演じる23歳のピュアな主人公「七海」が、
綾野剛演じる悪い大人「安室」に騙され、搾取されていく物語。
その中で、もちろん
美しい幸せな瞬間も幾度かありますが、
その幸せも、裏で「安室」が仕組んでいることを考えると、
いたたまれない。
「七海」が重ねる小さな嘘は、
次第に自身を蝕む大きな毒へと変化していく。
全編にわたって流れるクラシック音楽と
夢見るような浮遊感のある手持ちカメラの映像が、
メランコリックな気分を醸成します。
「この世界はさ、本当は幸せだらけなんだよ」
「七海」は、痛みを通して、
本当に生まれ変われたのでしょうか。
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