エルビーシステム

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世田谷美術館で今、民藝をテーマに、柳宗悦はじめ、民藝運動にかかわった人たちの見出した作品が展示されている。

哲学者、柳宗悦は”善の研究”で有名な西田幾多郎に深い影響を受けている。最初の論考は、 ”民藝とは、身の回りで使う品であり、日々手荒く扱っても大丈夫な物。また、職人が何度も作った量産品だ。 職人による量産品は同じ仕事を何度も繰り返す為、器形や文様に変化が生じ無意識のうちに自然と美が生まれる。”というテーマだったようだ。 (手仕事の国・日本) 高名な、芸術家の作品ばかりが美しいのではない。無名の職人の手で作られ、実際に使われたものも美しいと柳宗悦はいう。 ものを物を見るとき

    • 30年ほど前からも、私の問いに丁寧に答えて下さり、耐久性関連の資料も下さった山本幸一先生が、最新の(木材保存-2024.VOL50.NO3)に寄稿されている。テーマは木材の素材耐久性ではあるが、裏に流れるテーマは、”持続可能資源”のようである。

      こう書かれている。 持続可能な世界を築くためのSDGs(持続可能な開発目標:Sustainable Development Goals)の一つである気候変動(地球温暖化)対策の観点から、化石資源利用の抑制と天然資源、とりわけ再生可能な木質資源の活用が必須となっている。 以前にも、出している国産材の統計のグラフであるが、積極的に国産材を使える状況にあると思う。 どんどん、国産材の蓄積が増えていくという状況にあるのは今も変わらない。 木材の改質で、耐久性を高めて、エクステリ

      • 2008年、マレーシアのボルネオ島のコタキナバルでみたビリアン【ウリン】の桟橋

        ボルネオ島南部のインドネシアでは、ウリンといい、日本では”ウリン”の方が通りがいい。 木材の通称名は、その地域によって変わる。 ウッドデッキで”ウリン”といわれる有名なハードウッドは (フィリピン)Tambulian (マレーシア・サラワク州・サバ州)Belian (ブルネイ)Belian,Belian batu (インドネシア)Ulin,Belian,Onglen,Kayu besi ・・・・熱帯の有用樹種(社団法人 大日本山林会刊)・・・・ さらに、複雑なのは、ビリアン

        • 杉の芯材の耐久性を特に取り上げたのは、木材の耐久性の大半を決定する、いわば抗腐朽の役割を果たす抽出成分が主に芯材に多く含まれているからだけれど。

          東三河で、2000年代、近代的な装備を入れて運営していた組合形式の製材工場によって見学させていただいたことがある。 その頃では、木材の人工乾燥が主力になっていった頃だ。うちの工場では、1990年代に人工乾燥機の導入に踏み切る方向で考えていた。そして、低温除湿乾燥が東三河地区でシェアを占めてたので、低温除湿乾燥を導入していたが。 東三河の製材工場は、もっと早く乾燥する高温除湿乾燥機が入っていた。 低温除湿と高温除湿の両乾燥機の差は、乾燥時間の速さと速さゆえに急激な乾燥での

        世田谷美術館で今、民藝をテーマに、柳宗悦はじめ、民藝運動にかかわった人たちの見出した作品が展示されている。

        • 30年ほど前からも、私の問いに丁寧に答えて下さり、耐久性関連の資料も下さった山本幸一先生が、最新の(木材保存-2024.VOL50.NO3)に寄稿されている。テーマは木材の素材耐久性ではあるが、裏に流れるテーマは、”持続可能資源”のようである。

        • 2008年、マレーシアのボルネオ島のコタキナバルでみたビリアン【ウリン】の桟橋

        • 杉の芯材の耐久性を特に取り上げたのは、木材の耐久性の大半を決定する、いわば抗腐朽の役割を果たす抽出成分が主に芯材に多く含まれているからだけれど。

          高低差を愉しむ。

          首都圏ではあるけれど、未だ開発のされていなかった山林や田畑が残る場所。 土地には、大きな高低差があったんだけれど。 いわゆる、宅地分譲というと、水平面が多く、整然と区角割されているのが常識に近い。別荘地で無ければ、そうした土地を想像して、お打ち合わせに出かけることが多いので、伺う前の頭には、いかにコンパクトに、作ろうか?という極々当たり前な解答がうっすら浮かんでいた。 現地を見ると、道路からかなり傾斜を持って土地がだらだらと下がっている。 ウッドデッキの良さは、平坦な土地

          高低差を愉しむ。

          先日、築18年目になる2F,屋上ウッドデッキのメンテナンス実施。

          お客様が18年前、撮ってくださった、夕方の工事途中のウッドデッキの写真が冒頭にある。(上の写真) メンテ前の写真。 18年間の間に、外の景色が変わっていっただけでなく、様々なヒストリーが作られて来たのだろうと思うと、ウッドデッキは、単に構築物という非人格的な存在ではなく、人格的存在のように思えてくる。 メンテ後の写真 外部で18年。太陽光、雨、雪、空中に飛ぶ胞子などで、真菌やら藻類で出来る外観の”くすみ”が高圧洗浄で多少きれいになった、さらにその上にDOTの浸潤をさせ

          先日、築18年目になる2F,屋上ウッドデッキのメンテナンス実施。

          5/25~5/27で、弊社工場に行ったあと、お取引先の製材会社さんに寄って、状況を聞き込んでみたりしていた。

          2008年にLBウッドで制作したウッドデッキ。耐久性付加については、ノーメンテナンス、2か月ほど前に、高圧洗浄して藻の汚れを、16年ぶりに落とした。雨中の写真であるが、程よく色変化して、自然になじむ色のように見える。 太陽光直下では、木材はどんな樹種でも、表面は白色になる。灰色になるのはカビの黒がでるので、混色して灰色になるのだ。(実際、つくばの森林総研でのウェザーメーターの発色試験では、無菌状態では、白いペンキを塗ったようで驚いた)

          5/25~5/27で、弊社工場に行ったあと、お取引先の製材会社さんに寄って、状況を聞き込んでみたりしていた。

          幼稚園の遊び

          30数年前に、幼稚園から遊具の依頼を頂いた時期がある。ガーデニング、庭仕事も、あまり一般的でない時期。ましてや、ウッドデッキなどは、海外の雑誌に少し紹介される程度。・・・ログハウスは、輸入住宅としてお目見えしていた時期。 見る庭が一般的だった頃。時代は流れるもので、覚えているのは、東大農学部の教授でいらした、信田聡氏の”エクステリアウッド”の提唱。 ウォーターフロントや、公共建築物にウッドが使われ始めて、しばらく経った頃。 私は、幼稚園の遊具の高額なこと、だいたい遊具のデザ

          ウッドデッキの付帯する価値

          ずっと、ウッドデッキが有ることの価値、ウッドデッキを作ることの価値を考えては、作るを繰り返しているが。ウッドデッキが有ることで、室内だけでなく、屋外も生活空間にできる・・・ということは、想像しやすいが、それだけじゃなく、建築工事の残りの、デッドスペース(例えば高低差があって、庭が分断されるところをウッドで同一高さにしてより広い感覚を取り戻すこともできる。(生活の境界の拡張) ウッドデッキを、単に広さでもって解放感を感じられる設計をするのも、意義があるだろうが、立体感・動線を

          ウッドデッキの付帯する価値

          国際環境NGO FoE Japanと(財)地球・人間環境フォーラムが作成されたものでした。

          引用資料 ①世界自然保護基金(WWF)・グローバル200 ②世界資源研究所(WRI)・Intact Forest ③コンサーベーション・インターナショナル(CI)/生物多様性ホットスポット ④国際自然保護連合(IUCN)・レッドリスト ⑤ユネスコ(UNESCO)の生物圏保護区 以上の各資料を参照しての図解になっています。 わかりやすい図表でありながらも、根拠となる資料がしっかりしている。 ここまでの、データを集めるのに、相当な時間をかけ、現地調査もされていた。現地の人への

          国際環境NGO FoE Japanと(財)地球・人間環境フォーラムが作成されたものでした。

          アメリカにおけるDOT(ティンボアPCO)使用例の講習(もう20年まえだったか?)

          ハードウッド(広葉樹)の枕木への改質 ここで自分が注目したのは ①重いハードウッド(密度が高いわけだ)でも芯部に浸潤できるということ。 ②含水率の高い芯部にDOTが引き寄せられるが、逆に外部に水分が多いときは、外に引っ張られて溶脱するわけで、ここの溶脱率の低下を極力防ぐ表面塗膜を作るということになる。 改質木材の検討は、樹種によって浸潤が違うので、そこをまず注目していた。木材自体はそこそこ耐久性があって(もしもの時のデフェンスとしての木材の抽出成分の抵抗力に少し期待)

          アメリカにおけるDOT(ティンボアPCO)使用例の講習(もう20年まえだったか?)

          世界のニュースが身近になってきた。そして、様々な分野での世界の変容が、国内経済に密接にかかわっていることを肌身で知ることになる21世紀

          小資源の国、日本では、ある資源の供給が細くなると,多くの資源を輸入に頼っている日本の経済は揺れる。 ちょっと前の、”ウッドショック”の時は、実際、建築用外材の不足で、建築の仕事が止まったりしたのを経験。 幸い、自分らは国産材しか使用しないし、大企業と多くの取引を持つ製材屋とは付き合いがなかったので、殆ど影響はなかったのは運河良かったのだが。 国産材はブームという範疇を超えて、常に一定レベルの状態を保ってほしい。 一過性の補助金などいらなくなるのが、理想なんだけど。

          世界のニュースが身近になってきた。そして、様々な分野での世界の変容が、国内経済に密接にかかわっていることを肌身で知ることになる21世紀

          ドイツでの装飾的木材使用例だが、日本においても似ている使い方はされているが、何か違う?

          何が違うのか?わからないでいるだけで。こんな問いを発するだけだけれど。う~んじれったい。 日本も、輸入住宅が20世紀最後半に入って来たのは覚えている。北欧風、アメリカ風、西欧風と百花繚乱だったが。 樹種は違えど、同じ木材。 雰囲気の違いは、じわじわと伝わる。木造が多かった、日本。いろんな海外の文化も取り込んできてるが、 ドイツでは、材料としての素材感に重きをおいてるのだろうか? 日本でもそういう指向の方もいるだろうが、建物の文化的歴史を考えると、木を使うのが必然の流

          ドイツでの装飾的木材使用例だが、日本においても似ている使い方はされているが、何か違う?

          瀬戸内海に浮かぶ小島、大久野島への家族旅行で行ったことがある。ウサギが放し飼い状態で住んでいた。そんな光景を見て、のんびり、ゆったりした時間の流れを感じていた。

          景色は、暗い歴史を微塵も反映していない。・・・当たり前だが、景色には、必ずストーリーがあるものだ。 平和とは、特筆すべきトピックスはない、が悲惨な歴史は見逃してしまえるほど穏やかな空気を持たないものだ。 今でも、ロシア、ウクライナの衝突、イスラエルとパレスチナの衝突。 科学の発達は、破壊を残していくほうが多いのでは?野に放たれた、うさぎは不似合いではある。

          瀬戸内海に浮かぶ小島、大久野島への家族旅行で行ったことがある。ウサギが放し飼い状態で住んでいた。そんな光景を見て、のんびり、ゆったりした時間の流れを感じていた。

          1999年頃建てられた、八重山民俗園(いまは、やいま村)の木製展望台。この一連の写真は、2006年。

          展望台から、見える遠景遠景。青い海とライトグリーンの透き通った色の対比・・が、光量不足で見えなかった。 石垣島の古民家が何棟か建っていたが、石垣島に来る前は、こういう特徴的な、八重山諸島の文化・風俗・建築材料ばっかりで出来ていると思った。・・・かえって希少だから、後世の為に保存してるわけなんだろう。家というのは、人間の住処だから、気候や、植生、文化から生まれいずるものって、本土の建物と対比してくとわかりやすい。 展望台への木製階段の踏面の板材の一部を欠きこんで側板に穴をあ

          1999年頃建てられた、八重山民俗園(いまは、やいま村)の木製展望台。この一連の写真は、2006年。

          10年ほど前に、小津安二郎が野田高梧と小津映画の脚本を書いたという茅ヶ崎市にある茅ヶ崎館に泊まった。

          ”東京物語”のビデオをたまたま借りてきて以来、どうも”東京物語”に現れてくる、戦後、家族のつながりが細くなった様子の描写に心が動いた。 尾道から長男・長女を東京に送り出し、子供・孫の成長を楽しみに夫婦が上京。 今の映画やドラマのように、時々見る人を刺激するような、トピックスがあるわけではないのだが、淡々と、静かに進行する画面の中の会話、表情に、人間の情趣の壊れていく姿を見ることになり、人間の奥底の心情もゆすられた。 噓っぽい美しい表現もないから、余計にリアルだ。・・・もちろん

          10年ほど前に、小津安二郎が野田高梧と小津映画の脚本を書いたという茅ヶ崎市にある茅ヶ崎館に泊まった。