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とりあえず、フウフのカタチ

夏のような日差しの直後に、長袖の上に何か羽織らなければいけないような曇天。
寒暖差&気圧が乱高下。
身体がついていかない……
修行なのか? 今日から鬼滅が柱稽古編だからか? 進化のために地球に稽古をつけられているのか?

ぼんやりといたい頭を抱えながら買い物をしていると、入り口のあたりで話す男女の会話が聞こえてくる。

男性「あ! サラダ油が安いよ。買おうよ!」
女性「米油があるからいらないよ。」
男性「えっ? サラダ油がいいんだよ! 
   米油とぜんぜんちがうんだよー!」

だだをこねる風の男性に、つい笑ってしまった。

おそらく、男性の方は、米油があっさりしていて物足りないのだろう。

雰囲気的に結婚後間もない様子。

一緒に暮らすために、いろいろすり合わせていくのだろうな……。


わが家はというと……

食の好みなどいろいろと、いろいろと、かなりちがうのだが、一番のちがいは生活時間帯だ。

夫はかなり朝型である。
スッキリ目覚め、夜は10時になると、もうおねむだ。

一方、夜型ニンゲンの方は、人が寝静まってから次の日のお弁当や食事の用意をし、noteを書いたり、ドラマを見たりする。
平日は人並みの時間に起きざるを得ないが、放っておけば、夜更けに寝て、昼頃起き出す…を理想とする。


それでも、一緒に住むようになってからは、朝の生活にすり合わせようとしたのだ。

夫の時間に合わせて起き、朝ごはんを出し、見送る……。

そんなことを続けた3日目の朝……。



(……。

 …………。


 むくり……。)



(ごそり……



 ごそ……           ……。)


「ねぇ。」

(ちろり……。)


すでに着替えた夫が立っている。
なんだろう? ごはん、早く……とか?


「ねぇ、出勤時間も違うし、
 朝、起きてこなくていいよ。

 なんか、


 怖いんだよ……


 怖いから、無理しないで!」


青っトロい顔で、虚ろな目は焦点も定まらず、ふらふら動く……。
微笑んだりなんてするわけもない。

朝の見送りがホラーゲームの一場面のようだという。

もはや、

「幽霊さん、成仏してくださいっっ」

の懇願に近い。


「……。

 はい……。」

その日から、わが家に朝の幽霊は現れなくなったという。



こういうこともあり、わが家は基本、必要以上に合わせすぎないスタンスをとっている。

とりあえず、フウフのカタチはいろいろだねーという話。

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