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年に一度の限定販売「たれ口酒」で乾杯!


5年ぶりの開催! 福司酒造『蔵開放デー』

道東の釧路市にある福司(ふくつかさ)酒造が4月21日(日)に開催した『蔵開放デー』に参戦してきました!

コロナ禍の影響で実に5年ぶりのフル開催となった、この蔵開きイベント。年に一度、この日しか販売されない数量限定「たれ口酒」の入手という、比較的レアな実績を解除したので、以下リポートします。

軽く紹介すると、福司酒造は大正8(1919)年の創業。同地では唯一の造り酒屋で、丘陵地の中腹にある住宅街の住吉(すみよし)に酒蔵を構えています。JR釧路駅からは車で約6~10分。バスで行けないことはありませんが、(購入品の運搬を考えると)タクシーがおすすめです。

こんな位置関係。隣接する鶴ケ岱公園は釧路のランドマークの一つで、池にはデカいコイがいます(不要情報)

年に一度の限定販売「たれ口酒」を入手!!

実は釧路は、私が高校卒業までを過ごした地元でありまして、現在も両親が暮らしています。

福司酒造の存在はもちろん知っていて、社会人になってからは折に触れて直売所を訪ねたりしていましたが(地酒はお土産に最適なので)、今回の本『ほっかいどう地酒ラベルグラフィティー』を書くにあたってご協力をお願いした関係で、改めていろいろと知ることができました。詳しくは本書を(隙あらばPR)。

そしてこの『蔵開放デー』についても、事前にウワサはいろいろ聞いていたものの(父親は10年以上前に何度か行ったことがあるらしく、エラい盛り上がっていたとのこと)、私自身は初参戦。今回も自費で勝手に参加しております。

10~15時というスケジュールが発表されていたので、それに合わせて親に車で送ってもらう心づもりだったんですが、なぜか父親も同行する流れに。9時半ぐらいに現着した段階で「たれ口酒」購入のための行列ができていましたが、15分程度の待ち時間であっさり購入できました。やったー! 1本300mlの小瓶が10本入った1箱6,000円(つまり1本600円)を買って、父親と5本ずつに分けました。まずは必達ミッションをコンプ。

いい字体の看板
直売所(この日は休業)がある正面ではなく、蔵の裏手から出入りする導線になっていました
当初は1人10本限定という告知でしたが、マジックで消されていました。もっと買えたのかも

蔵見学と振る舞い酒も

会場には飲食ができるブースや席がセットされているわけではありません。参加者には入口でガラス製のおちょこのプレゼントがあり、これを使って振る舞い酒をいただく、というシステムのようでした。

それではさっそく……と思ったものの、蔵内部の見学ルートができていたので、先にそちらへ回ります。福司酒造さん的には年に一度、貯蔵場所などを広く一般の人たちに見学してもらおうという意図で開いているイベントなんですね。そりゃそうか。

佐瀬式の吟醸搾り機や、ずらりと並ぶホーローのタンク、その中で発酵中のもろみまで見学できて大満足。歴史ある建物も趣があっていいものです。ちなみにこの間、段ボール入りの「たれ口酒」を持参のエコバッグに入れたまま移動していました。リュックサックで行けば良かったかも。

無料の振る舞い酒は「にごり活性酒」「しぼりたて生酒(これが「たれ口酒」だと思われる)」と「甘酒」の3種類
来場者プレゼントのガラスのおちょこ
蔵のあちこちにサイズの異なるホーロータンクが鎮座。この日は足場に登って、発酵中のもろみを覗き込めるタンクも


年季が入った佐瀬式の搾り機。天井の梁の組み方もいい感じ
広角で雰囲気を出して撮ってみたタンク棟
見学者用の解説ボードも味があります
丁寧な説明が随所に
創業者の梁瀬長太郎さんの銅像。釧路の発展に尽くした人物としても知られています

ひと通り見学が終了したところで、いざ振る舞い酒へ。この時点でグッと混雑度が増してきていたので、おちょこを握りしめつつ、人混みをかき分けて、ジリジリと振る舞い酒ゾーンににじり寄るスタイルに。ラインナップは「にごり活性酒」「しぼりたて生酒」と「甘酒」の3種類でした。

落ち着いて飲むスペースが設けられているわけではないので、そろりそろりといったん蔵の外に出て、何となく周囲を眺めたりしながらおちょこを飲み干し、再びいそいそとブースに向かうというループで、それぞれ2杯ぐらいずついただきました。ごちそうさまでした。

そうこうするうちにさらに人が増えてきたので、早めに退散することに。ちなみにこのほかにも、大吟醸や純米吟醸の有料試飲が行われていたほか、お酒各種に酒饅頭、新酒の酒粕、福司の地酒ケーキや各種グッズのブース販売も展開されていました。

全体的に手づくり感、アットホーム感あふれるイベントで、酒蔵好きの私としては大いに楽しめました。

ブースでは約10種の酒をはじめ、関連商品を販売
酒饅頭と新酒の酒粕も買いました

「たれ口酒」を飲む【感想編】

小瓶の「たれ口酒」はお土産にちょうどいいサイズ感。ということで『ほっかいどう地酒ラベルグラフィティー』の版元である、亜璃西社さんに持参し、亜璃西社さんのYouTubeの撮影時に、みんなでいただきました。

↑亜璃西社さんで撮影した動画に、顔丸出しで出演中。実際に飲んでいます

亜璃西社の井上哲さんと、撮影を担当した映像作家の吉雄孝紀さんは、私の兄貴分でして、長い付き合い。本の完成記念に、このお酒で乾杯したかったんですね。

さて改めて「たれ口酒」の感想ですが、ひと口含むとまずはさわやかな甘みと吟醸香が到来。さらにぐいぐい飲み進めていくと、次第に奥から玄妙かつ複雑な旨みが立ち上がってくるようで、実に後を引く味わいでした。

生まれ故郷に地酒の蔵があるというのは、なんだか誇らしいような気分になるもの。なお、ふだんは直売所でお酒の購入が可能ですので(蔵元限定酒もあります)、釧路を訪ねた際には、ぜひ立ち寄ってみてください。

別日に撮影した外観と直売所の様子
シンプルな「たれ口酒」のラベル
メインの銘柄は社名と同じ「福司」。敷島商會から福司酒造に社名を変更していますが、繭玉や破魔矢などの縁起物を配したおめでたいラベルは、今も昔もほぼ同じデザイン↑↓
伝統的なひげ文字の酒名を受け継ぐラベル

福司酒造(株)直売所
北海道釧路市住吉2-13-23
(駐車場あり)
TEL 0154-41-3100
~営業時間~
平日 10:00~16:00、土曜 10:00~14:00
休業 日・祝・年末年始(大型連休・お盆時期などは別)

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