「絵師は特権階級」というnoteについて

先日、X(旧Twitter)において「絵師は特権階級」というフレーズを目にしました。Xではそれを否定する投稿がほとんどでしたが、私は100%間違っているわけではないのでは?とそれを見て思い、この文章を書きました。誤字脱字の確認はしたつもりですが、もし文章が日本語としておかしくなっていたら申し訳ありません。

文章を読む前に

きっかけとなった「絵師は特権階級」という言葉が書かれていたnoteは生成AIと絡めて文章が書かれていました。ですが、AIについて少しでも触れてかつ絵師に対して否定的な文章になるとAI推進派とみなされこれ以降の文章を見ることすらされないのではと考えたため、以降の文章ではAIの話題もAIという単語も出しません。

また、私は絵師という肩書は特権階級ではないと考えています。Xでも反対意見としてむしろ弱者であるとの投稿もあり、私も半分正しいと思います。確かに絵師という肩書ができた当初はただ弱者であるだけだったのかもしれません。しかし、インターネットの発達や人々の考えの変化により現在の絵師は弱者として様々な特権を得ることができたのではないでしょうか。

本文

まず、私は絵師をクリエイターであると同時に個人事業主として見ており、私(顧客)がお金を払って絵師の絵を見ることを取引と考えています。
絵師が活動資金を得る場所として、顧客と絵師が取引をする方法として、fanbox・fantiaなどのサブスクリプション形式の支援サイトが大きなものの1つとして挙げられます。簡単に説明すれば、月〇〇円で絵師の描いた絵やその差分が見ることができるというものです。似たサービスとして、企業のサブスク(prime video・Netflixなど)があります。これらは、毎月お金が入りさえすればコンテンツの品質や創り出すスピードに関わらず一定の収入を得られる絵師にとってはとても素晴らしいシステムです。

しかし、このシステムは絵師の希少性(弱点)を逆手に取り殿様商売とも言えるような行為を行うことも可能にしてしまいます。具体的には、その絵師の絵は支援サイトでしか全て見ることはできないが絵師本人が絵を創り出すスピードが一定でないということを利用し、支援をされているのに新たに絵を描くことをしない(新しいコンテンツを供給しない)ということも絵師の気分でできてしまうということです。もちろん実際にこんな事を考えて絵を描いている絵師はわずかでしょう。結果としてこうなっているという絵師がほとんどだとは思います。しかし更新が無いからといって支援を止めてしまえば当然その絵師の絵を見ることはできなくなりますし、新しい絵を見るには支援を再開しなければなりません。

これが企業のサブスクであれば炎上するなど不満の声も多く上がるはずです。ところが絵師の場合は不満の声が上がりそれが注目されることは私の見る上では少ないです。さらに、こういった声が上がってもそれを否定したり叩いたりするような場合も見られました。また、とある絵師の方の「fanboxに加入した人がいてもすぐ抜けてしまう。」という嘆きの声を見たこともありますが、それは支援を考える人が「自分が長期間支援をしても更新が止まってしまうのではないか。」という不安があるからではないでしょうか。

もちろん支援サイトを利用している絵師全員が毎月きちんと更新をしていればそんな不安が生まれることはないでしょうし、そもそも私はこの文章を書こうとは思いませんでした(実際私も毎月きちんと更新がされている絵師の支援サイトでは支援を行っています)。場合によっては、病気など様々な事情により更新が困難になるという方も中には出てくるでしょう。その場合、しっかりと支援サイトで「〇〇により更新が難しくなりました。」など告知をするべきではないでしょうか。それによって支援者は支援を継続するかしないかを判断する材料になるはずです。ですがそういった告知を行う絵師の方は少ないです。

絵師だけど絵をかかない、でも支援はしてほしい、そういった考えがどこかにあるのではないでしょうか。どこかで自分は支援されるのが当たり前と考えているのでしょうか。絵を描いてもそれを支援サイトに投稿しない、でもお金は入ってくるというシステムが絵師の仕事として当たり前となっているのなら、絵師という肩書を羨んで特権階級と考える人が出てくるのも分からなくはない話です。

絵師の皆様には金銭的に支援されるということはどういうことか、なぜ自分はたくさんの人に支援されているのかをもう一度よく考えて頂きたいです。長くなってしまいましたが、私が何を言いたいのかというと「絵を描くことによって他人から長期間支援を受けたいと考えるならば絵を描くべきで、もしそれができないのなら支援されることを諦めるべきだ」ということです。


以上、絵師が持つ特権に対しての私なりの所見でした。最後に、このような長い文章に目を通して頂き本当にありがとうございました。

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