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雨ふらし
2024年5月22日 23:59
薄暗くかさばる狭い雲間から橙色が閃光のように突き抜けようと潜んでいるところに、その瞬間とてつもなく黒い闇が焦げ付くだろう縁に、じっと息を詰めて目を凝らしていた。もし、生涯こうしてここに座り、意識の裏のほうで何かを考え続け、自分にとっての僥倖に巡りあうことに腐心するとしたら。“楽しみ”“喜び”“幸せ”とされていること、ゆえにそれをすればそうであると判断されること、そして自分にくっつければそう
2023年9月15日 00:43
清々しい朝。カーテンの端から、白い光が薄暗いラグの上を細い直線になってどこまでも走っている。しかしその輪郭が微妙にぼやけたコントラストを開ききらない目で見た時、何か……気がおかしくなりそうな感じがした。異変が自分を圧迫している。思えば、覚醒の少し前から嫌な予感はしていたのだ。来た……!また来た……!!!チリチリする全身をぎくしゃくと動かし、仰向けで寝ていた姿勢から両腕を立てて、そぅっ
2023年6月12日 00:24
青い花瓶瑠璃色の薄いガラス隠遁者のようにひっそりとほっそりした背筋を無機質に正して朝の光のなか夜の帷のなか昔たわむれに琥珀色のコニャックをそそいだらぐうという音を出して具合を悪くしひしゃげてしまったそれ以来なにも入れない具合がよくなり元どおりただの青い花瓶楽しみにしていることといえばシリウスを眺めること全天で最も明るく輝く天狼星の白いたてがみ美しい白い炎
2023年3月18日 02:02
漆黒の天が逆巻いているそこから放たれる矢のような突風が一陣また一陣とわきを吹き抜ける何かが呼んでいる無音の泉がうず高く湧き上がり天に届くと爆音の滝となって降り注いでくるその飛沫透き通った弾丸は無数の飛沫金属を叩くような硬い銀の音色が闇に映えて受けて立つダンスを!当たると火花が散ってオレンジの炎が芽吹くそして風を孕み、膨れ極彩色の極楽鳥が生まれた金の冠、紫の羽、赤い尾