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台湾有事

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戦争の予兆について-台湾有事はいつおきるか

戦争の予兆について-台湾有事はいつおきるか

 日本では台湾有事に向けて南西諸島(沖縄)からの退避計画の策定などについてニュースが出ているが、そもそもどのようにして有事は起るのか。この点について言及されているメディアが複数あったので、文字通りのノートとしてまとめておきたい。

戰爭下的平民生存手冊-邱世卿

台湾のサバイバルマニュアル的な本。安全な地方への疎開を推奨する本で、家族との集合に際した24時間ルール、半径2kmルールなどが記載されて

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台湾「全民国防ハンドブック」2023版-日本語訳-

台湾「全民国防ハンドブック」2023版-日本語訳-

 中国からの圧力が日増しに強くなる中、台湾では2024年1月13日に総統選挙が行われ、民進党の頼清徳氏が次期総統となることが決まった。統一か戦争かと中国が迫り、これ以上の「現状維持」を認めない態度を示す中、中国によるさらなる軍事的恫喝や直接的行動が懸念される。
 このような状況において我々在台邦人としては日本ないし第三国への移動なども選択肢に入るわけだが、全員が自由に行えるわけではない。そのためま

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中国「軍事強国」への夢―劉明福を読む-2<矛盾>

中国「軍事強国」への夢―劉明福を読む-2<矛盾>

この本の核心-台湾有事 第五章、本書の核心である台湾有事について、中国「軍事強国」への夢のごく一部を引用しながら、そのダブルシンク(二重思考)的な世界を整理しつつ個人的な感想を述べたいと思う。

矛盾まみれの主張

 この本には対立するような矛盾がてんこ盛りで、真正面から真面目に捉えていくと脳みそにショートする感覚に襲われる。私の情報処理能力の低さゆえなのかもしれないが…。
その筆頭は中国は経済力

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中国「軍事強国」への夢―劉明福を読む-1<感想>

中国「軍事強国」への夢―劉明福を読む-1<感想>

概要
今回も内容にはほぼ触れず、この本から受ける印象について述べる。
ある意味で本書に流れる通奏低音の話をする。しなければならない。
これはある種の予防注射だ。こういう前提があると分かって読むとあっち側には持っていかれづらいと思う。

一巡目の感想とまどい

一巡目を読み終わった。正直、戸惑っている。
軍人とは、武人とはこういう人種なのだろうか。
最初は公式プロパガンダを自覚しながら書いているのだ

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中国「軍事強国」への夢―劉明福を読む-0<前言>

中国「軍事強国」への夢―劉明福を読む-0<前言>

ヤバい本が出てしまった。
 劉明福・著、峯村健司・監訳、加藤嘉一・訳 『中国「軍事強国」への夢』を読んでいる。峯村氏のX(ツイッター)に掲載された紹介文の一部を掲載する。

深淵から覗いてくるタイプの本

まず、以下のようなタイプの人間は読んではいけない。

どんな本でも書いてある内容を信じてしまう人。

反米主義者。

妄想の激しい人。

物事を額面通りに受け取ってしまう人。

なぜか?

 著

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