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ある地名の風景

春まだ遠し鬼子母神ー雑司が谷     zoshigaya-2

雑司ヶ谷鬼子母神の境内には
都内でも一二を争うイチョウの巨木があります。
私もいろいろ見てきましたけど、あれは見事です。
今は冬枯れなので、この絵には入ってませんが(笑)

ところで、前回の”千登世橋”ですが
”千歳”という言葉があるので
単純に縁起の良い意味で付けた名前だと思っていました。

でもよくよく調べてみると
明治のころ、あの一帯は”高田千登世町”という町名でした。
そこからとったんですね。

その由来はというと、
江戸時代から付近に年老いた見事な松の木があったため・・
だとすると、やはり元は縁起をかついだ”千歳”にちなむわけです。

直接橋に命名するか、町名からとるか・・
の、違いでした(笑)

そして雑司ヶ谷という地名ですが、
一説に”雑色”(ぞうしき)という地名と同じ・・
というのがあります。

大田区、中野区、東大和市に
雑色または蔵敷と書く地名があります。

関東では所々にある地名ですが、
これは朝廷の雑事を行った役人、
または中世に武家の雑役を務めた人たちのことで、
そうした人たちが住んだ場所、
あるいはそういう人に分け与えられた土地だといいます。

これが本当だとすると
雑司ヶ谷の”谷”は、世田谷・渋谷・四谷などと同じ
谷戸の地形、または湿地のことだと思いますから、
古くは”雑色ヶ谷”(ぞうしきがや)と言っていたのが
雑司ヶ谷に変わった・・
ということもあるかもしれませんね。

(豊島区雑司ヶ谷)

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