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縁故社会主義ムラ社会で、子どもたちは幸せに生きてゆけるのか?

■はじめに

「子どもは大切な未来の資産」と言うと、まるで子どもをモノみたいに扱うイヤな言い方かもしれません。 でも私たちは必ず年老いていくし、新しい時代を作っていくのは子供たちですから、住みよい社会や地域や国を作り上げてくれるとても大切な人、という気持ちを「資産」という言葉で表したいです。

そんな子どもたちの活躍する未来の世界を大阪万博では見せてくれるそうです。いったいどんな未来を体験できるのでしょうか?でも結局のところ万博は公共事業に過ぎません。巨額の税金を投入して、民間資本のディズニーランド、ユニバーサルスタジオなどとは違った、どんな「夢」や「成長」を見せてくれると言うのでしょう?

●ウォルト・ディズニーの見た夢
「ディズニーランドは永遠に完成しない。
この世界に想像力が残っている限り、成長し続ける。」

さて、子育て真っ最中の30代から40代のお父さんとお母さん、子どもたちがどんな未来に向かって生きて欲しいのか、どのように成長して欲しいのか、そんな「夢」を持って子育てしていますか?
今回はそんな気持ちで書きました。ちょっと老婆心かもしれませんが。

ディズニーランドのように幸せの溢れる国、暮らしであって欲しい。でも私たちは最悪な「ムラ社会」に生きています。日本社会の特徴である「ムラ社会」の中で私たち、そして子どもたちがどのように生きていくか、どんな道を選んでいき変革のチャンスがあるのかという希望だけは忘れたくありません。「ムラ社会」をこれまで当noteでは「縁故資本主義ムラ社会」と呼んでこき下ろしてきました。

多くの人の子育ての目標は、良い大学に入り安定した企業に入るということでしょうか?「縁故資本主義ムラ社会」では、過去から続く権威ある組織に属している方が安心するし何かと有利ですから。

そして東大はその中でも最高峰。昔は小学校の同級生で東大に入る人は学校で1人いるかいないかという時代でした。東大の定員はだいたい3,000人です。1970年代は臨時定員増で若干増えた時代もありましたが、常に一定です。200万人のうちの3,000人と考えると0.15%となり、まさに千人に一人といっても良い数字です。

今年(2024年)の東大入学者は3,126人で、だいたい2005年生まれの105万人の中から東大生になっています。難易度は単純に考えて半分になったということになります。2023年の出生数は75.8万人ですので、この子たちが入学する時は0.39%という割合となります。千人に1人から千人に4人、感覚的にとらえると東大生は「増え」ています!割合だけで見ると少しは入りやすくなっていますね。笑

■東大生と官僚

いずれにしても東大生はエリートとして国家のためになる人物。東大生の就職先と言えば昔から「官僚」だと言われています。当noteが考える官僚も東大卒を念頭においているのですが、常にこき下ろしています。笑 

個々の東大生は優秀で人柄も良い人が多いはずなのですが、日本政府という組織に入ってしまうとそれが全く生かされないし、逆に潰されているとも感じています。決して官僚の一人一人を責めているわけではありません。

東大生がめでたく官僚になっても、出世競争、権力闘争の渦中に放り込まれます。さらに政治と行政のあいだは権謀術数。利益誘導に動く政治家や業界との軋轢など様々な紆余曲折があります。官僚組織を守るために優秀な個人の個性は必要とされません。

東大生は選ばれたエリートとして国を動かすことに魅力を感じて官僚になるのだと思います。しかし日本という国家は「縁故資本主義ムラ社会」です。ムラ社会の最高峰である日本政府において、希望に満ちた官僚がそこで自分の考える政策を実現できるわけがありません。国家として新しい時代を切り開いくチャレンジ精神など出そうものなら村八分に合い排除されるのです。公務員の職務は安定、保守と言うことですから、前例踏襲型の古い時代の仕組みを守ることが重要だと言えます。

近年、東大生の官僚離れが進んでいるそうです。報道によると官僚になっても自分が考えた政策を実行できるような魅力ある仕事ではなくなってきたと言います。そのため、政策提言ができるコンサル会社の人気が東大生の間で高まっているそうです。特に海外系のコンサル会社への就職希望者が増えているそうです。

東大に入る人は学校の勉強が良くできますから頭の回転は早いのですが、考え方の基本は安定志向、保守的です。もともとがチャレンジ精神を持つことが少ないしブランド力があるので就職先には苦労しない。その結果「今が花」の人気職業に就きやすいと言えます。「東大生は20年もすれば斜陽産業になるような業界に就職する」などとも言われています。ということはコンサル業界も20年後には斜陽産業になってしまうのかな?
蛇足ですが、筆者の父親も東大卒で、見事その格言?通りに斜陽産業に入社し、会社はのちに破綻して放り出されました。笑

■縁故資本主義ムラ社会

官僚は国家という安定した集団の中でのエリートです。官僚のしている仕事は「政策立案」「同意形成」と言われます。政策は国を動かす仕組みで、国の発展の道筋を考えるやりがいのある仕事なのでしょう。さまざまな政策を考えて政治家を動かし、国の政策としてまとめ上げる。そんな理想に燃えてい官僚になる人も多いでしょう。その政策のための同意形成が官僚の役割としての大きな仕事でもあります。

ムラ社会というのはわが国で平安時代からずっと続いている仕組みです。天皇でも棟梁でもいいですが、形式的な「長老=最高権力」がいてそれを実力者である「年寄=政治家」連中が組織を牛耳る社会です。変化を好まず既存の枠組みを維持することを使命とするような人たちです。現代の身近な例で言うと自治会や町内会の「理事会」みたいなものですね。組織の方向性は理事の人たちの考えで決めているのですが、それを「総会」を開くことであたかも「みんなの同意」が得られたという形にする組織です。

前の記事にもありましたが、官僚の仕事は同意形成の比重が大きくなり、長時労働の原因にもなっているそうです。そのため難関の国家試験を猛勉強で突破したにも関わらず働く意欲を喪失、将来展望が見いだせずに辞職する官僚が増えていると言われています。

でも、繰り返し言いますが、優秀な官僚の個人的な才能は集団において必要とされません。あくまでも集団の意思を守る組織が必要なのです。逆の見方をすると、官僚が自分の仕事に希望を見いだせなくなってきたというのも、官僚自身がこの組織を守るという機能を放棄しはじめたということなのでしょう。

官僚がさまざまな政策を考えても縁故集団にとって必要とされない政策は無意味です。政治家を中心に構築されている縁故資本主義ムラ社会では組織の利権を守る制度しか必要とされないのです。個人が優秀な集団である官僚組織は縁故資本主義ムラ社会の中では組織との利害調整だけが仕事となり、官僚組織は集団愚となってしまうのです。

■規制をなくし税金を下げることで新しい時代を切り開く

今、小学生、中学生を育てているお父さん、お母さんへ。近年、特に岸田政権になってから「新しい資本主義」という旗印のもとに、国の給付金や補助金事業が増えています。その原資はとりもなおさず、私たちが支払う税金です。給食や教育の無償化も同じです。国が使うお金、予算は全て私たちの税金を基にしています。

政府がどのように私たちの税金を使っているかということを国民負担率という形で公表されています。また、それが私たちの労働時間に対してどのくらいの比率かということも公開されています。国民負担率は財務省のホームページで確認することができます。令和6年度は45.1%です。

一方、千葉商科大学教授(公会計)の吉田寛先生は税を払うために元旦から、何月何日まで働かなければならないかということを「納税者の日」としていますが、令和6年度の国民負担率から計算すると6月14日になります。

公会計研究所 IPSA

実に、6月14日まで働いた分はすべて国に持っていかれてしまうのです! この原因は「縁故資本主義ムラ社会」の制度によるものです。政治家、官僚が既得権者(縁故)にバラまくために作る政策により必要とされるお金、その大半は私たちが自由に使えるはずのお金なのに!

私たちの給与から天引きされる税金、社会保険料は愚かな制度のためにジャンジャン湯水のごとく使い込まれ、既存の利権集団に中抜きされてしまっています。そのため私たちのお金は無駄なことに浪費されてしまうのです。それを断ち切るためには集める税金を減らし、国家予算を下げて勝手な政策に使われないようにすることが大切なのです。

現在のままで皆さんのお子さんは官僚になったり大企業に入ったとしても豊かな生活を送ることは可能なのでしょうか?今よりも国民負担率は右肩上がりに増え続け、国の借金(納税よりも前倒しで集められる予算)も増え続けるばかりなのです。そのツケは国民が必ず払わなけばなりません。これで幸せな人生を生きることができるのでしょうか?

縁故資本主義ムラ社会では、これまでいた政治家や官僚が、仲の良い既得権者のためにたくさんの規制や許認可を作り続けたために、新規参入者から彼らを守る仕組みでガチガチになっています。新しい産業、技術を優秀な能力を用いてつくりあげたとしても、それを無力化して排除する既存権力が全てをズタズタにしてしまうのです。

せっかく「新しい技術を開発したい」「今ある仕事よりも儲かる仕事をしたい」と希望に満ちて大学で学んでも、すべて既得権に阻まれてしまいます。今のようなムラ社会では既存の技術や能力をひっくり返して新しい時代を切り開くようなものが出現できるわけがないのです。そんなことをすれば既得権の猛烈な反発を買って潰されるのがオチです。ライドシェアを断固として受け入れないタクシー会社がいい例。あの人たち、いまだに無線で道をワーワー聞いてるレベルですから。

新しい時代を切り開く仕事や技術は民間や個人の中からしか登場しません。先に居座る人ばかり優遇するのはやめて、後から社会に参入する人たちと対等かつ公平に扱わなければなりません。

子どもたちが活躍できる未来を形成するためにまず必要なのは、規制を撤廃して税率を下げて、縁故も資本もない若い人にチャンスを与えること。新しい時代のために優秀な能力や技術が活用できる社会にすることです。こうすることで産業に新陳代謝が生まれて縁故資本主義ムラ社会も存続していられなくなるでしょう。

■好きなことができないで、いったい何の人生か?

官僚たちにも言いたい。官僚の仕事は「政策立案」だと?国民はそんなもの求めてないんですよ。あなたたちの能力は、やりがいのない役所という職場にやりがいを無理やり作りだすために無駄に使われています。これ以上余計なことをせず、やりがいを求めるならどうか民間企業へ転職してください。その方があなたも国民もみんな幸せだと思います。

最後に、これが私の願いです。
税金下げろ、規制をなくせ!

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