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【千葉県柏市議選】減税&ライドシェアでイノベーション鎖国終了を公約に!

柏市議会議員一般選挙政策提言(令和5年8月4日執行)  

こんにちは。地方自立ラボ(@LocaLabo)です。

当ブログでお伝えしたいことは、私たちの住んでいる国は、国家としてとらえることも大切なのですが、本来は私たちの住んでいる「この町」「この地域」の集まりである、ということがもっと大事だということです。私たちが幸せに暮らすらために、国が住みよい土地になるためには、住民として住んでいる「地方」こそが住みよく、豊かな町であってほしい、そういう願いを持っています。

今回は、令和5年8月に執行される「柏市議会議員一般選挙」に関し、候補者に提案したい公約と「住民が読んでくれる政策チラシ」を考えてみたいと思います。

千葉県柏市では令和3年10月に執行された柏市長選挙により太田和美新市長が誕生しました。今回は新市長体制のもと行われる初めての市議会議員選挙となります。立候補予定者説明会はすでに5月30日に行われ、58名の参加者があったとのこと。市の選管の発表によると出席者は現職が27名、新人が31名だそうです。前回の選挙(令和元年度)では議員定数36人に対し、48人が立候補したとのことですので、今回の予定者が58人いるということは、今後出馬を表明する現職議員も含め、相当な激戦が予想される選挙となる見込みです。

(今回の人数の確認については柏市ホームページ及び、元柏市議会議員の山下洋輔さんのホームページの情報を参考にさせていただきました。)


はじめに ~柏市の概要~

千葉県柏市は、上部を接する我孫子市、南西部を接する松戸市と同様、1960年代ごろから東京のベッドタウンとして開発が進み、人口が増加。現在は43万人の人口を抱え、埼玉県へは東武鉄道と、東京へはJR常磐線により関東圏要所への鉄道アクセスが便利な地域です。2005年からは首都圏新都市鉄道の「つくばエクスプレス」により茨城県と東京を結ぶ鉄道の中間地点でもあります。道路では国道6号線、16号線という関東圏の主要道路が市内を貫通し交通インフラの恩恵を大きく受けられる中核市です。

柏市の中心部は古くから商業を中心として発展。現在では国や県の施設や大学、産学連携施設などが設置され、大型商業施設が新たに展開したり、マンションや宅地の開発が進むなど活気ある街と言えるでしょう。

沼南町との合併によるインフラ整備の課題

現在の柏市の中心は北部の駅周辺ということになりますが、2005年に合併した旧沼南町付近は鉄道がなく、東武バスやコミュニティバスで北部にあるJR柏駅や市の西部にある松戸市への移動が必要です。また、古くからの農村地帯であるため高齢化が進み、交通インフラ等の設備投資をどのように行っていくかが住民サービスとしての課題になっています。

また産業面では旧沼南町の農業を基盤に財政力向上を目指す動きがあります。「道の駅しょうなん」を中心とした農産物の販売に力を入れており、柏市産野菜、果物の高付加価値商品の開発が盛んになっています。柏市の魅力が近隣地域に広がれば、住民増加などの効果も期待できるとのことです。

一方沼南町のインフラ整備に関しては「柏市バス交通網整備計画」が策定されていましたが、10年以上の経過により見直しが図られています。2016年度から2025年度を計画期間とした「柏市第五次総合計画」の中で、未来へつづく先進住環境都市・柏~笑顔と元気が輪となり広がる交流拠点~」の実現方策のひとつとして、都市機能や居住の適切な立地の誘導に取り組むこととしています(「立地適正化計画」「柏地域公共交通網形成計画」)。
●公共交通網形成計画
https://www.city.kashiwa.lg.jp/documents/4706/gaiyou.pdf

現在、コミュニティ交通の一つとして「かしわ乗り合いジャンボタクシー」「カシワニクル」が存在しますが、鉄道会社、バス会社、タクシー会社を中心とした協議会による計画策定となっています。
しかし10年やってうまくいかなかった政策の原因は、既存の事業者同士によるパイの分け合いでしょう。それでは到底、根本的な改善ができるわけがありません。当然ここには新規事業者の参入ができない状態となっています。そこで、この計画に新規事業者を全国から公募し「ライドシェア」を導入することを提案します。

当ブログでは、211回通常国会で審議された「地方公共交通」に関する改正法案について調査した内容を記事にしました。

既存の交通事業者優先の構造改革では事業者が無理をし、その無理を補うために補助金の必要性を訴えるという公金チューチュー業者の行政へのもたれあい現象が発生すると警告しました。既存事業者の事情で政策を行うのは弥縫策の仕立て直しに過ぎないのです。

立候補者の方、思い切ってライドシェア導入を政策チラシに取り上げてみてはいかがでしょうか。新規事業者、それも大がかりではなく、個人単位で起業を促す完全開放政策をすれば若い人を中心に、自分が持っている車を用いて高齢者を目的の場所に連れていく事業が起こせます。

高齢者もバス停の時刻表に合わせて家を出るのではなく、自分の都合の良い時間に目的地まで連れて行ってもらえる。地元の若者がくれば高齢者にとっても、世代を超えたコミュニケーションが増えて、喜んでもらえると思うのです。

しかしライドシェアについては普通二種免許と一般乗用旅客自動車運送事業という規制があり、国内では国家戦略特区に指定された自治体のみ運行が許されています。市議会ベースでは国に特区の申請をするか、規制緩和の要望を出していくことになるでしょう。

道のりは長いですが、ライドシェアは先進国はもちろんのこと、東南アジア各国、カンボジアやラオスですら当たり前の交通インフラとなっています。我が国は一応自由主義陣営であり経済大国です。いくらなんでも恥ずかしい…と思うのは筆者だけでしょうか?
日本もそろそろイノベーション鎖国をやめて開国すべき時が来ています。より多くの自治体が声をあげていかなければ、日本が既得権に溺れ途上国並みに衰退するのは自明でしょう。
日本に足りないのは嫌われる勇気ではなく、変わる勇気です。

計画的な議員活動の提示を

さて、今回立候補する方が市会議員になると、4年間一定の議員報酬と政務活動費が支給されます。柏市の現在の議員報酬は577,000円(月額)となっています。さらに、期末手当が1,523,280円を年2回。政務活動費は会派によって異なりますが、会派に属していない議員に対しては50,000円(月額)が支給されます。年間で1,057万円ほどの収入となるわけです。
特に政務活動費については使途が決められていますが、議員活動のための研修、研究、調査、資料購入などに使える分として議員報酬とは別に支給されますので、ぜひ有効活用していただきたいです。

また、こういった議員報酬の使い方を公開することも必要ですし、自分の議員活動を具体的に市民にアピールしましょう。そこで、この議員活動についてチラシやホームページなどで詳細を公表し、具体的な議員活動のイメージを市民にもってもらうことが出来るのではないでしょうか。

■市民の意見を聴く機会を設ける
 ・3ヶ月に1回、市政報告会を開く。
 参考:川崎市議会議員の重冨議員HP

 ・週1回、電話を受け付ける時間を設ける。またはYoutubeライブなどを行い、市民の声を聞く。
参考:政治家女子48党 浜田議員のYouTubeライブ
【ライブ配信】京都市の高校生と対談 皆様のチャットコメントが画面を流れます

■調査研究のために
 リサーチを外部委託する。
 書籍購入や研修、講習会への参加による自己研鑽。

■交通費
 自動車の燃料費は月1万円までなら使用可能です。こまめに市内を回ると月3万円はかかると思われますがその分は自費での負担となります。

■広報費
 白黒A4両面チラシなら20万枚印刷で35万円程度。年3回作成すると約100万円。ポスティング業者に依頼すると1枚3円として60万枚では180万円。広報費として約300万円が必要ということになります。

議会への質問計画

議員の主な仕事は議会での質問ですね。柏市議会は定例会として年4回議会が開かれますので、質問回数は最大で4回あることになります。議員活動を進めるに当たり、4年間16回の質問の機会を通じてどのように市政に貢献できるかを考え、ゴールに向かって政策実現を考えましょう。市議会議員の公約とは、市長を動かし議会、役人を動かすことによってしか成しえません。よって、市長にしかできないことを公約にするのは市民に対して不誠実と考えます。

事務事業評価をすべき

まず大きな問題として、柏市は事務事業評価を行なっていません。予算はどんぶり勘定、行き当たりばったりの予算消化行政となっていることが考えられます。しかし、事務事業評価を行っていない場合、決算書などから予算の執行状況を確認するしかありません。

市役所へ問い合わせたところ、過去に行政改革推進課による内部評価という制度があり「事務事業評価シート」を作成して行っていたそうです。現在公開はされていないようですが、事務事業と予算の関連が公開されていない場合、外部から事業の実態の把握ができず、職員間での評価となるため、いくら内部評価を公開されても市民目線からの評価がないため、無意味です。

このことから、柏市の事業の実態を把握するのはかなり困難を極めることが予想されます。まずは的を絞った上での事務事業に関する外部評価を目指すことも有効かもしれません。

法人市民税法人割超過税率の廃止

また、柏市の財政は近年黒字会計となっています。その半分の25億円を財政調整基金として積立てている分、財政に余裕があると言えます。この額は市税691億円の3.6%ですので、市税を減税する余力があると言えるでしょう。

どうなっているの柏市の財政(令和3年度版)より抜粋

ですが柏市は法人市民税の法人税割に、超過税率を課しています。標準税率6%のところを8.4%に増税しているわけです。
下の表、赤枠をご覧ください。

令和3年度法人住民税・法人事業税税率一覧表(総務省)

赤枠は柏市の法人税率(右端)で、8.4%とあります。また、柏市東隣の印西市(緑枠)は標準税率6%のままです。
印西市と言えば、最近はAmazonやメガバンクのデータセンターとしてめざましい発展を遂げていることは千葉県民の方ならよくご存知でしょう。

成田空港から近い、地盤が強固で地震に強い、水害も起きにくい、土地が平坦など立地条件が整っていることがよく言われています。が、私はこの法人市民税の超過税率がないことも企業が印西市に来る大きな要因のひとつではないかと考えています。

法人市民税の法人税割は黒字企業(法人税を払っている)にしか課されません。ですからこの法人税割を引き下げることで、優良企業の誘致の可能性が高まると言えるのです。

さいわいライバルである隣の松戸市、流山市、我孫子市は柏市と同じく超過税率を課していますし、野田市に至っては均等割も増税していますから、ここで柏市が黒字財政で貯めた財政調整基金を使い、6%ないしはさらに減税することで、都心にも近く柏I.C.のある利便性の高い柏市が企業移転のターゲットとなる公算が大きいのです。高齢化で人口減が著しい沼南町に企業を誘致すれば南北問題の解消にも役立つのではないでしょうか。

そして企業がひとたび来てしまえばこちらのもの。法人市民税収入はおろか固定資産税収入や事業所税収入なども見込めますし、人口増加しますから逆に税収が上がる可能性があると言えるのです。

印西市の2018年の税収は197億円でしたが、2021年の税収は220億円と約11%も増収しています。今年はGoogleがデータセンターを開設したのでさらに税収は伸びると予想されます。

柏市といえば同年で680億円→690億円と約1.5%増収です。人口も印西市は柏市の1/4ですから、データセンター誘致のおかげでコロナ禍があったにも関わらず大きく発展し続けていると言えます。

また、超過税率の廃止を公約に入れるのは、以下のメリットあります。

【1】超過税率は議会案件のため、議員が反対票の意思表明が可能。
【2】超過税率条例の更新時期は決まっているため、いつ質問するか立候補段階で準備ができる。
【3】財源確保が可能であれば理論武装は可能。


以上のことを踏まえて議会質問を考えてみました。

議会質問として考えられること
●事務事業評価を再開・公開することで、市民に税金の使われ方を開示し、徹底的に無駄な事業を洗い出すことが柏市には必要である。行政改革をして余剰資金で減税の原資を作る。

●財政調整基金を使い減税の提案をする。法人住民税の法人割超過税率をやめ標準税率の6%、ないしは5%に減税することで、住民移住、企業誘致のインセンティブを高め(特に南部)経済を活発化し、市税収入増を目指す。

●南部地域の交通施策について既存業者の無理を強いる公共交通の導入よりも、若者の副業になる上に高齢者との交流になるライドシェア指向の交通施策への転換について検討する。

立候補にあたり、公約とすること

最後にこれまでのまとめとして、議員活動をスタートするに当たって大切な選挙チラシに何を書くか、ということを考えてみたいと思います。公約とは言っても最終決定権者は市長にありますので、市長になにをさせるのか、という点から考えていきましょう。

【1】 事務事業評価の公開をさせること。
【2】南部地域の活性化のためにライドシェア特区の導入を国に働き掛けること。
【3】法人市民税法人税割を減税をし、旧沼南町への企業誘致、人口増に力を入れること。
【4】法人市民税法人税割超課税率の議会承認時に反対票を入れること。
【5】埋蔵金(財政黒字)を活用して財源問題を解消すること。

市政広報や他の議員のチラシなどには、自治体の税収や使われ方は都合の良いところしか載せておらず、あまり詳しく書かれていません。ですからご自身の政務活動費の使途についてや、法人住民税の超過税率、事務事業評価の公開、埋蔵金、規制改革についての議会質問のスケジュールなど、これまでにない話題を載せることで、注目度の高いチラシになることと思います。

まとめ

以上、柏市議会選挙立候補者に向けた当選に導く戦略を考えてみました。
当然内容としては地方自立ラボ厳選のものとなります。立候補者自身のもつ政治に対する思いや、経験などを踏まえた政治活動への考えはあるでしょうが、是非上記提案をご参考にしていただきたいと思います。

「税金下げろ、規制をなくせ!」の旗印のもと、選挙を戦っていただきたいです。


また、今回の減税公約を考えるにあたり、大阪市減税会の陰気なたまむしさんにもアドバイスをいただきました。ありがとうございます。
こちらのnoteで、なぜ課税が良くないと考えるのかについても執筆されています。あわせてお読みくださると嬉しいです。

無駄な規制と課税をなくして自由経済を復活させましょう。
全国の市町村議会議員選挙において、減税と規制廃止の公約が拡がりますように。

最後までお読みくださり、どうもありがとうございます。 頂いたサポートは地方自立ラボの活動費としてありがたく使わせていただきます。