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悲しみにはゆっくりコツコツ取り組みましょう【秋の養生について】|裏の畑Body work部

月に一度のシュタイナーの絵の教室「裏の畑」。わたしは後半のBody workを担当しています。前半の美術部の様子はこちら↓


9月12日。
秋分を控え、もう仲秋の名月の時期だというのにまだまだ続きそうな残暑。
もしかして、今年は秋を感じないまんま冬に入ってしまうのでは・・と思わず感じてしまうような陽気でした。でもこんな時こそ、養生が大事。
そう思って、この日は久々に季節のボディワークを行いました。

なんだか久々で、懐かしい感じです。

ここまで十牛図やら宇宙ワークやら。精神的なエネルギーワークが続いたので、この辺りで冬に向けて、地球や肉体をたっぷり感じる時間を持ちたいなと思ったのでした。

この日のテーマは秋の養生。

季節の流れと秋の役割

東洋医学ではそれぞれの季節に強まる感情というものがあります。
秋の場合は「悲しみ」です。

人間は、どうして悲しみを感じるのでしょうか?
悲しみは動きをとめ、人を内省へと向かわせます。
それって、生物学的にはものすごく無防備な状態を晒すことになるので、悲しみの感情を持ち続けるというのは実はとても危うい状態なのです。

それゆえ、抱えきれない悲しみが押し寄せた時、怒りという防衛反応で守ったり(怒りは二次感情、悲しみは一次感情と言いますね)、否定をして悲しみから目を背けようとしたりします。
けれど、そんなに扱いにくい感情である悲しみを、人が抱くのは一体なぜなのでしょう?

悲しみは喪失感と深い関係があると言われています。
失ってしまった。埋まらない穴が自分の中にある。
そういった経験をした時に、人は悲しみを感じるのです。
そして、人間は一人では生きていけないことに気づきます。

やがて、この喪失感や悲しみは、その人の中で「共感する力」へと変容していきます。共感というのは他者と共に生きていく上で、平和な世界観をつくる上で、とっても大きな力です。だから、悲しみというのは辛くて扱いづらい感情なのだけれど、とても人間らしい、かなり高度な感情なのではないかと思うのです。

しかし、そんな悲しみを多く持ち続けることは、肺・大腸を傷つけます。
そしてその状態は皮膚や粘膜に現れます。
秋口に乾燥が強くなりますが、これらの臓器は乾燥にとても弱いのです。
だから、今の時期しかりケアしてあげることがアトピーや喘息など秋・冬のトラブルや、さらには秋のうつ病予防にも繋がるのです。

さて、この日のボディワークは、優しく優しく皮膚を触りながら、悲しみのリリースワークを行いました。悲しみのワークはゆっくり焦らずコツコツと。少しずつ玉ねぎの皮を剥くように取り組むのが良いと思います。すると、ある日突然じわっと雪解けの時がやってくるのを実感できるはずです。

わたしも、しばらく夏に溜まった熱(怒りや興奮)をリリースしつつ、その一つ奥にある悲しみにそっとそっと触れるような時間を毎日持ちたいと思いました。春・夏、めっちゃ忙しかったので、秋・冬はゆるゆる過ごしたいなぁ。


写真提供:寺子屋てらこのゆかりさん。
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