景丸

愛と死の哲学忍者:近々「旅する哲学者」再開予定。

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  • ニュース・カウンセリング・ナウ

    オンライン・カウンセラーとしての経験をもとに、マスメディアで流されるニュースや事件から独自の視点で話題展開。

  • 超次元ストーリー集

    モリア・モモス原作、よしよし訳の短編小説集。日常のちょっとした隙間時間で読めるショートショートを厳選かけ流し。あなたの固定観念の殻を破って自由闊達に異次元を遊泳しつつ、想像力と創造力を解き放つ。脳を活性化し、ひとりの時間をほぼほぼタダ同然で豊かに楽しめると同時に、同好の読者同士の話題にもできる。

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    自らの 旅の経験と入院体験から 編み出した 斬新な健康法&美容術を お伝えする有益かつ楽しめるマガジン。

  • よしよしショート哲学集

    日々考えること感じることを自由闊達にお話ししていきます( ´艸`)

  • 英単語哲学

    英単語の意味だけでなく、背後にある歴史・文化、そして考え方やイメージが興味深く理解できる講座シリーズ。英和辞典みたいにいちいち日本語に置き換えて機械的に暗記するのではなく、言葉全体がもつ内容を広く深く理解することによって、誤読や誤訳を減らすことにもつながるでしょう。

最近の記事

「自分語り」って?

あなたにとって、「重大なこと」って何かな? 例えば、「自分自身のこと」とか。 自分なんてどうでもいいって人もいるだろうけど、大体の人は自分のことは結構重大だったりするはず。 そして、前回お話ししたように、     「重大なこと」は語れない でしょ? 自分のことって、マジ語れる? だなぁ⋯⋯、身の上話くらいなら、まぁ語れるかも。 拙者はね、二十代の頃、小説書き+翻訳家になろうかなぁと思ってて、主に英米の小説を一人でコツコツ訳してたんだわ。 ドリス・レッシングとかね、当時はま

    • 重要なことは語り得ない

      今、巷では、哲学者たちの知恵(の言葉・考え方)によって人生の問題が解決するみたいなテーマで、番組や書籍が乱造されてますが、20世紀最大の哲学者の1人と言われるウィトゲンシュタインは、何でも答えがあると思うなよと言っています。 この中のmuss(müssen)の解釈によっていろんな和訳がされてるけど、拙者は一番強い意味で訳すこのバージョンがいいと思う。 答えってのはどうにでもくっつけられるもので、そういう考え方もあると言う程度のことに過ぎない。 だからついつい思いつきとかを

      • 「存在不安」のからくり

        前回、人生の最終目的地としての死についてちょっとお話ししてみましたが、そもそも人生という「存在」ってなんなんでしょう? この世の中に、自分の意思で、よっこらしょと「存在」し始めた人は一人もいない(はず)。 気がついたら「存在」していたというのがフツーでしょ。 それだけに、存在は自分の意識や意図を超えてるわけだよね。 と同時に、この「未知性(了解不可能性)」つか、「わからない性」は一方でさまざまな想像や妄想を創り出す源泉ともなりうる。 哲学にしても宗教にしてもカルトにしても

        • 人生の旅の目的地は死ですけど、何か?

          以前よく見ていた、ある旅行系Youtuber女子様が、ある時ハイソなホテルに泊まって備品とかを確認紹介してるときに とかコメントしてるのを聞いて、アングリ・ポカーンとなったことがある。 もうお分かりですね? そうです、ホテル(チェーン)専用のオリジナル・レターパッドです。(多分、お揃いの封筒も) ん〜。 便箋とか封筒って百均でもたくさん売られてるし、女子小学生とか女子中学生なんかもよく使ってるはずだけど。。。 ああいうのとはかなり趣が違うしホテルのロゴが入ってるから、ピンと

        「自分語り」って?

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        記事

          「迷惑」ということ

          いっとき日本のネットで、こんな話題がバズったことがある。 あまりによくできた話なので都市伝説かと思った人もいるだろうけど、事実みたいです。 ただ、少しニュアンスが違うみたいですが。 ずっと以前、ある日本人のエッセイに、「親から『せいぜい迷惑をかけてこい』と言われて育った」と書いてあるのを読んで、拙者は大いに受けたw いや〜、こっちの方がずっといいね、教訓としてもクールだしw 子供だった筆者も、「どうやったら人に迷惑かけられるだろ?」と考える人間になったのではあるまいか。知

          「迷惑」ということ

          「死の恐怖」との付き合い方(3)

          あなたは、「死者の世界」というイメージというか概念をどう思いますか? あるいは、そういう「世界」を感じたことはありますか? いわゆる霊感の強い人とかは、多分そういう「世界」の存在を当たり前のことと思っていることでせう。 また、日本の伝統として盆暮の帰省とか、墓参りとか、そういった行動の底のところには、少なくとも「先祖の霊の世界」があるという前提が根付いているんじゃないかな。 我が大先輩にして大哲学者の三木清先生も、「死者の国はある」という方に賭けると仰っていることだし。

          「死の恐怖」との付き合い方(3)

          認知症以前の「エゴ」との対話

          人間の死生観ということについて考えるとき、最も大きな問題は認知的能力ということになるんじゃないかな。 つまり、肉体的に「存在」していても、認知能力が十全じゃないと、果たしてどこまでその人として「存在」しているのか?ということになってくる。 2014年公開のアメリカ映画『アリスのままで』(原題: Still Alice)って観たことあります? 身共はこれより20年ほど前に某コンピュータメーカ販社に勤めていたころ、「抱っこできるパソコン」とか「自声で喋って対話できるコンピュー

          認知症以前の「エゴ」との対話

          ラ・フォンテーヌの「激流と大河」

          前回の続きを書くために参考にしたい或る本を探す序でに、その辺に積み上げてある書籍類を片付けたりしてる途中で、たまたまそのうちの一冊をぱっと開いてみると、「奔流と大川」という寓話が出てきて、ちょっとびっくりしたんだけど、まさに前回のラッセルの文章とピッタリ呼応する内容でした。 拙者の場合、物を書いているときにはこういう偶然の一致が結構よくあるのだが、無意識の働きなのか、それとも何か神秘的なマッチング作用があるのか、少々興味深いところである。 ということで、ラ・フォンテーヌの

          ラ・フォンテーヌの「激流と大河」

          「死の恐怖」との付き合い方(2)

          さて、気を取り直して、引き続き後半を引用しましょう。 そうだね、 魂と言うのは、この川の流れというか、川の水みたいなものかもしれない。 最初のうちは、1本1本それぞれに名前がつけられた細い溝の中を水が流れてゆく。 その水も、澄んでいたり濁っていたり、速い流れだったり穏やかな流れだったりする。 ちょうど個人々々の魂も澄んでいたり濁っていたり、死に急ぐものもあればゆったりと長生きするものもあるように。 でも、いずれにしても、どの川の水もやがて合流して大河となり、さらに海へ注ぎ

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          「死の恐怖」との付き合い方(2)

          「死の恐怖」との付き合い方(1)

          さらにラッセルのエッセイからの続きの引用です。 今回はちょっと長目になるので2パラグラフsに分けますね。 要するに、いい歳こいて死を怖がってるご老人たちには、それまでも十分生きてきたという満足感や充実感がないんだよね⋯⋯ってことかな。 ほら、「トリアージュ」って言葉(というかコンセプト)、ある時期から日本でも広く一般にも知られるようになったよね。 元々は緊急医療分野の専門用語で、大事故や大災害などで多数の被害者や被災者が出た時に、応急処置や手当ての緊急度に従って、助ける人

          「死の恐怖」との付き合い方(1)

          二世帯住宅の悲劇

          前々回に続いて、バートランド・ラッセルのエッセイからの引用です。 これは、今の日本で「ジイジ」とか「バアバ」とか呼ばれて孫を眼球の中に押し込んで猫可愛ガリガリしている高齢者の方々には、とても耳の痛い話じゃないかと存じますが、いかがでしょうか。 ラッセルも言う通り、我が子や孫のためにおもちゃを買ってやったり、要求されるがままにカネを出しているのは、ちょうどキャバクラでおねいさんたちにチヤホヤされるためにお金を出してるのとそんなに大差はないんじゃないか(とまでは言ってないか?

          二世帯住宅の悲劇

          失敗しないやつは面白くない!?

          前回引用したバートランド・ラッセルのエッセイの中のパラグラフもそうだけど、失敗や挫折に関連した名言はいろんな人が残してるよね。 しかも(当然のことながら)そのほとんどが歴史的な成功者だったりする。 そこで、一旦ラッセルを離れて、ちょっと彼らの言葉に耳を傾けてみましょう。 これはいつも思う。 実際、自分は成功者だとか勝ち組だとか思ってる連中は底が浅いというか、価値観がせせこましい。 人生のあらゆる面において、誰もが憧れ価値を認めるジャンルなんてないってことが分かってないのか

          失敗しないやつは面白くない!?

          失敗や挫折の大切さ

          前回ちょっと引用したバートランド・ラッセルのエッセイ集からちょっと面白いと思ったパラグラフの続きを引用しますね。 そうなんだよね。 実際のところ、「老婆心」からの忠告なんていうのは、ほとんどの場合、余計なお節介なんだよね〜。 いくら善意からとはいえ、自分が失敗したことを子供や孫には失敗させまいとして教訓を垂れられてもねぇ。 そもそも時代や状況も違うし、個人個人の力量や才能や運や 夢や希望もあるわけだし、年寄りの経験値がそのまま全て役に立つとは言い切れない。 いや、むしろ真

          失敗や挫折の大切さ

          失敗経験なしの成功は、借り物の偽成功でしかない Success without the experience of failure is a fragile false one.

          失敗経験なしの成功は、借り物の偽成功でしかない Success without the experience of failure is a fragile false one.

          フジコ・ヘミングさんの名言 「ちょっとぐらい失敗したっていいのよ、人間生きてるんだから」 だっけ? 景丸のプラス迷言 「ちょっとぐらいの失敗を恐れて生きてる人は、人生、大きく失敗するかも」

          フジコ・ヘミングさんの名言 「ちょっとぐらい失敗したっていいのよ、人間生きてるんだから」 だっけ? 景丸のプラス迷言 「ちょっとぐらいの失敗を恐れて生きてる人は、人生、大きく失敗するかも」

          日本語翻訳の功罪

          よく日本の文化は「翻訳文化」と言われる。 実際のところ、明治時代にものすごい勢いで、主にヨーロッパ文化の書物なんかを翻訳しまくったので、ほとんどすべてのことが日本語だけで学べるようになってしまった。 その点、例えば東南アジア諸国なんかだと母国語しか知らないようではある程度高度な専門的な学問を勉強することはできない。 なぜなら、教科書が翻訳されてないから、原語で学ぶしかない。 それに対して、ある日本人ノーベル物理学賞受賞者も、自分は英語は全然できなくてずっと勉強する気もな

          日本語翻訳の功罪