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これだからカナダの大学院は魅力的

最初に断っておくが、カナダの大学院に留学する10のメリットみたいな話ではない。そういう記事はいずれ出すかもしれないし、出さないかもしれないけど、今回は、多文化だからこそカナダで学ぶことに意義がある、という話。

今学期はアカデミックライティングの授業をとったわけだが、多分人生で一番とって良かったと思った英語の授業になった。いろんなバックグラウンドを持った人が集まって、毎週クラスメイトの文章を編集するのだが、これがいい時間になるのだ。

もちろんライティングを向上する、という点でも勉強になることもたくさんあったし、いろんな分野の人が集まって肘でつつき合いながらわいわいとああでもない、こうでもないと言いながら文章を向上させようとアイデアを出し合う時間はとっても実りあるものだった。
しかし、それをさらにいい時間にしてくれたのは、いろんな分野から、いろんな国から、いろんな使命をそれぞれに感じながら集まっている優秀な学生に囲まれていたことが大きいと思う。

授業で読むクラスメイトの文章から、なぜその研究をしているのか、という理由を知り、その人の持つバックグラウンドなどを聞いていくうちに、その人となりを知った。それらの情報は、研究の意義に深く貢献していたし、研究をその人がやる意味につながっていた。優秀な学生に囲まれれることほど、研究をするものとして、幸せなことはないと思う。

カナダでなくても、国際色豊かな大学ではこのような経験ができるのかもしれないが、カナダの多文化な社会がが一種貢献しているところはあると思う。アメリカとはまた違った多文化な社会で、まさに「人種のるつぼ」という言葉を考えた人はカナダの多文化社会をよく捉えていると思う。

いろんな人がいるから、カナダに住んでいる人たちもいろんな人がいることに慣れているし、いろんな人がいることが前提となって、さまざまなサポートが受けられるのは素晴らしいことだ。アカデミックライティングのクラスは特に留学生の大学院生に向けられた授業であるし、ラッキーなことに先生は第二言語でののライティングの大変さをよく分かってくれて、非常にサポートが上手な先生だった。これも今までの国際色豊かな学生たちと肩を並べて授業をしてきたからだと思う。

なかなか自分の専門とは違う分野の学生と出会うことは、大学院生になると少なくなってしまうのをとても残念に思っていたのだが、思いもよらないタイミングで出会うことができたのも良かった点だった。これに関しては、本当にありがたいと思った。特に自分の研究分野が哲学とはいえ、戦争をトピックとして扱う分野でもあるので、実際の現場を知ることを重要としている分野の学生と話したりすることによって、いい刺激を受けることができた。

私は机にへばりついて語っている哲学や倫理だけじゃなく、実際の問題を十分に理解するには実際の現場ではどのような問題や、葛藤があるのか、ということを十分理解した上で語る哲学や倫理も重要だと思っているので、実際に行動を起こしながら研究を進めている学生たちからのインスピレーションはとても重要だと思っている。

もっと自分も頭だけじゃなくて、自分の体を動かしながら、自分の研究と向き合っていきたいと強く思った半年だった。来年は何か具体的にできることがないかと模索していこうと思う。


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