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ちょっと変わった、追放系な物語『クズ勇者が優秀な回復師を追放したので、私達のパーティはもう終わりです』感想

RPGのゲームにおいて、回復役はとても重要です。

主人公達が突撃していく中で。

僧侶といった、回復を主体とする職業の人達が。

主人公をサポートする。

そういったゲームは、かなり多いと思ってしまいますね。

そして、そんなファンタジーな物語も。

けっこう多いかなと思います。

皆さんは、RPG風のファンタジーな物語は好きですか?


さて。

というわけでもあるのですが。

本日、ご紹介するライトノベルは、江本マシメサ先生の『クズ勇者が優秀な回復師を追放したので、私達のパーティはもう終わりです』(2024年3月刊行)です。

ヒー○! ホ○ミ! ケ○ルガ!
(王道RPGの回復魔法を並べてみました)






あらすじです

今回もまた、「BOOK☆WALKER」さんより、あらすじを引用させていただきます。

愚かな勇者様は、あろうことか優秀極まりない回復師をパーティから追放してしまいました…。
残ったメンバーは横柄で生意気、世間知らずなクズ勇者様。そしてたった1種類の火魔法しか使えぬ、死んだ目をした魔法使いの私だけ。
回復師がいなくなったパーティには当然、さまざまな災難が降りかかります。
道端のなんでもないゴブリンに屠られ死んでしまい、試しに回復丸薬を作れば、素材を間違え毒薬で死亡のデスループ…。
それでも私達は魔王討伐を達成するのです。各々の思いを胸に!
…あ、また勇者様が死んでる。毎日がザマァ、毎日がパーティ全滅。愚か者勇者(補欠)と無気力魔法使い(?)の、伝説にならない残念な旅路をご覧ください!

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というわけで。

今回のテーマは、「回復役を追放した後の、勇者パーティ」となっております。



まずは、この作品のジャンル説明から

さて、この作品は。

魔法やモンスターが存在する。

いわゆるゲーム的ファンタジーな世界が舞台の物語となっております。


そして。

「小説家になろう」や「カクヨム」といった。

小説投稿サイトでの人気ジャンル。

「パーティ追放系」(※)となっております。

※追放系とは
主人公が、現在の環境(パーティ、組織、国、地位)から何らかの理由によって追放されるところから始まる物のこと。

追放される理由は様々で、
・罪を犯したから
 →信念や人道的観点から意図的/結果的に違反行為を行った
 →冤罪を着せられた
 →存在そのものが罪
  →敵対or被差別民族/種族
 →地位の高い者の怒りを駆った
  →関係を迫られたりしたが、それを断ったなど
・無能だから
 →実際に完全な無能である場合は少ない
  →成長中、大器晩成型
  →能力が環境と噛み合っていないことで評価が低くなっていた
  →武人の息子なのに商売向けの能力
 →呪い/病気持ち
 →性格に問題がある


などとにかく何らかの理由で主人公がパーティや国を追放されたり、貴族や将軍などの地位を奪われる展開のある物語をまとめて呼んだものである。

追放系とは (ツイホウケイとは) [単語記事] - ニコニコ大百科 (nicovideo.jp)


で、そういった物語では。

本来は、追放された人物が主人公となる場合が多いのですが。

今回の作品は、追放「した」側の物語という。

追放系でも、かなり変わったものとなっております。



残念すぎる勇者(補欠)と魔法使いのコンビもの

では、そういった説明を書いた上で。

この物語の感想を書いていくのですが。


この作品。

一種類の魔法しか使えない、魔法使いの女の子を視点キャラとしての。

勇者(補欠)とのドタバタの冒険劇となっております。


先天的に備わっている「才能(ギフト)」と呼ばれる能力によって。

人生の大半が決定づけられてしまう、世界において。

勇者とされた人物には。

「勇敢なるもの(バリアント)」という。

類いまれなる才能がありました。

しかし、よく見てみると、この才能。

その言葉の後に、(補欠)という文字があったのです。

詰まるところ、「勇敢なるもの」(補欠)

まとめて、勇者(補欠)


そんな勇者(補欠)と旅をしていた。

僧侶と魔法使いでしたが。

無茶苦茶な理由によって。

僧侶が追放されてしまうところから。

物語は始まります。


その後、追放した側の勇者(補欠)は。

「回復役がいなくても、どうにかなる!」と。

豪語しつつ、冒険を続けますが。

まあ、順風満帆とはいかず。

物語冒頭。

あっさりモンスターに倒されます。


うかつな行動ばかりをする勇者(補欠)と。

それを冷たい目で眺める、魔法使い。

果たして、無事に冒険することが出来るのか――。

というのが、話のあらましとなっております。



この話の面白い所について

なんといっても、キャラクターが非常に立っている所ですね。

勇者(補欠)の唯我独尊で、場を読まないキャラクター性が。

場を面白おかしくしており。

また魔法使いの会話劇も。

テンポ良く読むことができ。

中々に楽しい冒険劇でありましたね。


またペット同然の犬や。

食べる目的で飼った黒豚が。

何故か勇者(補欠)より優秀というのも。

個人的には、面白いポイントでした。


また、どうしてそんな勇者(補欠)に。

魔法使いが愛想を尽かさないのかといった所も。

ちゃんとした理由があって。

私としては、そこも面白いポイントでありました。



この話の欠点について

キャラクター名がまったく登場しないところが気になりました。

このお話。

キャラクターに名前がなく。

すべて職業名として、キャラクターが説明されているのです。

例えば。

勇者(補欠)は、「勇者様」であったり。

魔法使いは、そのまま「魔法使い」で読んでいたりと。

人によっては。

気になるかなと思い。

ここでは、書かせていただきました。



最後に

とはいうものの。

冒険モノで、ちょっと趣向とは外れている作品は。

中々に面白いものがありましたね。

たまに味わうのは良いなと思いつつ。

今日は、筆を置くことにします。


さて。

最後まで、ご覧いただきありがとうございます。

この作品に、ご興味がありましたら、是非、手に取ってみてください。

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