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YCSJ名古屋での御巫採用理由等について

いつも本記事をご覧いただきありがとうございます。


今回はいつものティアラ歴史解説とは違い
先日(2023/11/4)に開催された遊戯王champion ship japan 2023(以下、YCSJ)にて、初出場ながらも個人的にはそこそこの好成績(7回戦まで進出、総合5-2)を残せたので、当時のことやそれまでの事の振り返りも兼ねた記事を執筆してみたいと思った次第です。

例によって全編無料ですので、最後までお付き合いいただければ幸いでございます。



(*)文字数やコラムの数が多いので、見たい部分だけ見て頂いても構いません。
目次から飛んでいただけると早いです。


今回使用したデッキについて

今回、自分はYCSJに参加するに当たって「御巫」のデッキを採用しました。

デッキビルドパック-アメイジングディフェンダーズ-にて登場した、言わずと知れた反射ダメージで勝つデッキです。

2022年産、というだけでもう強い(偏見)



あのRーACEとピュアリィと同期という事で、このテーマも上記二つのテーマと同じく登場当初はそこまでトーナメントシーンには参入していなかったものの、今年一発目に発売したサイバーストームアクセスにてRーACEもピュアリィも、そして何より御巫も強力な新規カードを獲得、続く12期最初のパックであるデュエリストネクサスにてまたもRーACEもピュアリィも御巫も強力な新規カードを獲得し、これを機に正式(?)に環境デッキへと進出を果たしたテーマとなっています。(すごいなアメイジングディフェンダーズ)


そんな中でもこの御巫というデッキは、上記二つのテーマや他のテーマとは勝ち筋や戦い方、果ては取れるプランが明確に違う点、独特な先行展開や後攻捲りを行うデッキとして今も尚一部のトーナメントシーンで活躍しているテーマとなっています。


昨今ではマスターデュエルの方にも実装されており、普及率やメディアでの取り上げの観点から当時ほど知名度が低くなくなったのもある意味ではこのデッキの特徴と言えるでしょう。

そんな自分がなぜ今回のYCSJ名古屋で御巫を使うに至ったのか……デッキレシピや各々の採用カードなど、当時の様子や考察、この大会に向けたプラン等も交えて解説をしていきます。


使用デッキのレシピ

好きに並べ替えが出来る機能を追加してほしい


こちらが当日使用したデッキレシピになります。

話題の教導ギミックを採用し、御巫というアーキタイプの中では主流な部類であるアーマード・エクシーズ系のギミックを外し、アショカピラーを採用した割とシンプルな型にしています。

メインギミック21枚、サブギミック10枚、誘発11枚とかなりそれぞれのバランスを意識して構築しました。

テーマ内の詳しい動きなどは各々調べていただければ幸いです。

次に、それぞれ採用したカードやギミックについてお話をしていきます。


アショカピラーについて

柱の御巫アショカ

そもそもの話、皆様はこちらのカードをご存知でしょうか。
アニメーションクロニクル2023にて5Ds枠で登場した矢薙の爺さんの秘宝デッキの仲間の一人です。
水晶ドクロ、カブレラストーンと共にトライアングル-Oのコンボで遊星が氷室のライフを一気に0にしたことでサテライトですぐさま有名になり、刑務所の囚人達やゴドウィン長官に対して一躍名を馳せたカードです。(存在しない記憶)
アニメだと②の効果しかなく、氷室の後ろにいたモブキャラに「なんだその効果」みたいな感じで馬鹿にされていたカードでもあります。


いやそんな事はどうでもよくて、このカードの①の効果が御巫を使う上では非常に重要な効果となっています。

至ってシンプルな効果ですが、各種召喚成功時に装備魔法をサーチする効果なので、状況に応じてデッキの中にある装備魔法に直接アクセスできるのがこのカードの最大の強みです。

ハレ+装備の組み合わせだと御巫装備魔法しかサーチできず、フゥリ+装備の組み合わせにしても一度かみくらべを挟ませないといけない点で遅く、何より貴重なかみくらべを使わなければいけない点が非常によろしくありません。
これらの動きは、デッキ内の装備カードにアクセスしたいシーンに限ってはたった1枚のカードのために余計な手間をかけ過ぎているという事になってしまいます。

その点、アショカピラーは如何なる方法でも着地さえさせればデッキ内の任意の装備魔法にアクセスできてしまうので、こと装備魔法へのアクセス手段においてはテーマ内万能サーチであるオオヒメの御巫以上に強力な効果であると自分は考えています。

何より御巫の水舞踏との相性が抜群に良く、水舞踏の効果により自動的に手札に戻っていくので単純に次のターンの攻め手にもなります。

手札からも出せるぞ


そして、ここが個人的に思うアショカピラー最大の強みであり利点だと思っているのですが
アショカピラーに無効系が飛んで来づらい

ということです。


正気を疑われそうな、一見ネタにしか見えない聞こえない言葉なのは百も承知です。
ですが、これには自分の中で自分なりに導き出せたしっかりとした理由が存在します。


まず、ネット上にある様々な御巫というアーキタイプを調べた上で、第一に自分なりに考えたものが「宣告者の神巫型との差別化」でした。

関係各所で大活躍


知らない方のために軽く解説すると、御巫には神巫型というアーキタイプが存在します。
文字通り宣告者の神巫を軸やサブプランとして動きを通していくデッキタイプで、その都合上EXデッキに採用できるEXモンスターも選択肢が多く、御巫のトリッキーさもあってかなり幅広く戦えるアーキタイプとなっています。

何より儀式の準備に加えてオオヒメの御巫にアクセスする手段が増えているのは個人的にかなり推しなポイントとなっています。
あらゆる面でオオヒメをサポートしてくれているカードなので、デッキの安定感という意味であればその部分こそがアショカピラー側と差別化できる明確な利点とも言えるでしょう。

しかしながらその宣告者の神巫自体が誘発受けが最悪なのと、御巫というデッキの性質上他のカードとの重ね引きが前提なパワーなので先手後手共に神巫に対しての期待値の面で少々不安がある流石に一枚でできることには限界がある、というわかりやすい弱点が存在します。

竜輝巧や影霊衣、あるいは最近のテーマである粛声等と違い、展開の途中や上振れ札として使うにはややリスキーだったりそもそもが過剰だったり、使えたとしても場合によってはうまく噛み合わなかったりと、御巫で使う上ではなかなかワガママなカードとなっているのも無視できないポイントです。



そこでアショカピラーの話になるのですが
まず宣告者の神巫と比較した時に、互いに3つの比較できる要素があります。

【宣告者の神巫】の場合
・知名度高
・誘発のマストカウンター
・このカード初動によるその後の動きの読まれ方

宣告者の神巫は主にこの3つ。
対して

【アショカピラー】の場合
・知名度低(当社比)
・誘発のマストカウンターかどうか不明
・このカード初動によるその後の動きが読まれづらい

アショカピラーは主にこの3つ。

これらを各々の同じ部分で比較してみると
アショカピラーは「知名度が宣告者の神巫ほど高くないが故にパワーが高くその効果により無効系を打つ事による裏目を誘発させやすく効果が通った後の動きの選択肢がありすぎて初見で見極める事が難しい

という、宣告者の神巫とは真逆の性質によってそのパワーを確立してしまったカードとなります。

なんとも珍妙な考えだと言われてもおかしくないと自負していますが、実際に御巫の知識がまるで無い自分がこのアショカピラーというカードに鉢合わせてしまった場合、まかり間違ってもこんな意味のわからない柱なんかに誘発なぞ打ちたくありません。
それが今回のYCSJのようなシングル戦で、尚且つ4000個ものデッキが存在するシーンでこんな意味のわからない柱(2回目)に出くわすだけでも、相手からすればもはや精神攻撃の一種を受けさせられているようなものでしょう。

アショカピラーを止めたからと言ってその後の展開を止められるとは限らず、逆にアショカピラーを止めなかったからその後の展開を止められる可能性だってある、そういった目に見えない裏目が無限に発生してしまうのがこのカードの恐ろしいところだと思います。

テーマ内サーチならいざ知らず、10000種類を超えるこの遊戯王OCGという膨大なカードプールに存在するありとあらゆる装備魔法にアクセスするだけのカードなのにここまで神経を使わされるというのも珍しいです。

個人的にですがこのアショカピラーは
スプライトが使う鬼ガエル
ティアラが使う三戦の才
ラビュリンスが使う紅蓮の指名者と闇デッキ
ふわんが使う月の書
エルドが使うスキルドレイン

等に匹敵するとまで考えています。

御巫が使うアショカピラー
その名が世間に轟く日が来るのが楽しみです。


と、具体的に今大会に持ち込むにあたってアショカピラーを選んだ理由を解説してみました。

まとめると「あらゆる意味での知名度の低さ」を武器にして採用したという事になります。

ここで記事にしてしまった時点で知名度も何もない気もしますが……
これからアショカピラーで遊んでみたい方は是非ともそのカードパワーの一端に触れてみてください。

そして
これからアショカピラーに出くわした方は、本当にその妨害は適切なのか?
そう考えながらアショカピラーにチェーンを考えてみてください。

(余談ですが、シークレットの方は今徐々に値上がりを見せています。


教導ギミックについて

約3年の謹慎を経て制限解除
言わずと知れたこの2枚


開幕早々身も蓋もない事を言って申し訳ないのですが、自分は最初の頃(というよりYCSJ開催一週間前)までは、このギミックを不採用にしていました。

その前の週では採用していたのですが、メタゲーム的な観点とその当時の流行り、ないしはその時の気分から「本当に必要なギミックなのかどうか」をずっと考えていました。

結果的に今回は採用という形で望みましたが、正直なところ感想としては「あって困らなかったが、無いと困るという事はなかった」という感じでした。

これに関しては結果論だと言われれば何も反論はできません。

しかしながらこれまでの入賞レシピやSNS、ニューロンのデッキ検索から出てくるレシピには大体この教導ギミックが採用されていたので、今回の大会を経ることにより、本当の意味で「このギミックの事を知る」ということに繋がったのは個人的にはかなり大きな収穫だったかなと思っています。

採用する理由、しない理由を大会後に自分の中で明確に理由を見つけて本番を終えることができたので、この結果だけを見るのであれば教導ギミックを採用していてよかったなと思います。



ー教導ギミック採用前ー
天底を採用する前、自分は強欲で金満な壺(以下、強金)を3枚採用していました。

こちらも言わずと知れた汎用(?)ドローソースであり、エクストラを多用しない御巫からすれば、場合によっては儀式の準備やオオヒメ以上に欲しい場面が多い2ドローを与えてくれるという、まさに神の恵みです。

実質強欲な壺


強金採用の利点は
①家具型ラビュだと思わせて、うららをアリアンナや歓迎と大歓迎までガメた結果、フゥリ+装備あるいはオオヒメを絡める事によってうららを打つタイミングを失わせる事によって結果的にうらら貫通になる点

単純に手数が増える←大事

③6枚目での相手の無効系妨害の貫通率を上げてくれる


御巫が使う上での強金の利点はこの辺りでしょうか。
特に②がかなり重要で、メインギミックのコンセプト上、他のデッキやテーマに比べて初動がかなり細い点、言い換えれば独特な点があるので他のデッキ感覚で動かすと思ったように展開できなかったりします。
そういった面でもやはり手数を増やせる事、必要札の期待値を上げられる点からもこの利点に関しては他を捨ててでも優先して良いレベルだと個人的には思います。

しかし当然ながら、強金ならではの弱点も存在します。
教導ギミックと共存できない

強金のドローで間に合わない対面が一定数存在する

普段直撃しないドロールが直撃してしまう

あらゆる場面で被りが弱すぎる

主にこの4つでしょうか。
文字にしてみるとなんとも恐ろしい並びですが、なんとこの4つの弱点というのは、ことYCSJという舞台においてはかなり致命的な弱点です。

シングル戦、尚且つ制限時間25分、そして出場している方々の人数からして「メタを読みづらい」が発生してしまう以上、一定のパワーや知名度がある強金は見事にこの環境のドツボに嵌ってしまっています。
別に強金自体を否定しているつもりは微塵もありませんが、構築段階ないしはプランを考えている際にこれらの弱点がこの環境で付き纏ってしまうのは、強金の採用不採用以前に「御巫への強金に関してはそもそも選択肢に入らない」という答えになってしまいました。



なぜそうなったのか
↓順に解説致します↓

教導ギミックと共存できない
読んで字の如く…ではありますが、こちらに関しては自分のものだけではなく「相手の教導ギミックとも共存できない」とも言えます。

と言うのも、先はどの見出しで申し上げたとおり入賞したレシピやSNS、ニューロンのデッキ検索で出てくるレシピには大体この教導ギミックが採用されています。
そうなった場合、同じ天底の使徒からの教導の大神祇官という一連の動きを、自分だけでなく相手もプランの一つとして使ってくる可能性があるわけです。
当時の召喚ドラグマ環境で一定数の流行りを見せたスカルナイトやヌトスをEXに採用していた時と同じで「相手のカードを利用して相手からアドバンテージを取る。」というプランに近いでしょうか。

何よりもこの要素を後押ししているのが、ことこのYCSJ環境においては、このギミックが存在しないわけがないからです

そうなった場合、先手で使う強金に少しだけ信頼が薄れてしまいます。
後手の時に相手が先手で教導ギミックを使用し、運良くこちらが
・虹光からオオヒメサーチ
・ガルーラ1ドロー
・フェリジットのマリガン
・ヌトスの破壊

これらに触れられたとしても、虹光落としでオオヒメサーチを見せた瞬間に御巫だとデッキがバレてしまう上に、いくら強金で手数を増やせたところで御巫だと分かっている以上、どこに妨害を打たれるかが以前よりも分かってしまうため結果的に何も生まれずに引き延ばされて対処されるそもそもの強金にうららを打たれる、といったシーンが容易に想像できてしまいます。
(*実際、調整段階で強金があっても仕方ない部分は何度かありました)

やや過剰な意見かもしれませんが、ここに関してはYCSJだから、という要素が絡んでいる面が強いかもしれません。


再三ですが強金自体は弱くないですし、むしろこういうシーンでは強いカードになるのですが「YCSJで御巫を使う上では」採用は無しかな、と言う理由で無しにしました。

②強金のドローで間に合わない対面が一定数存在する
こちらに関してはどう言う事?と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
実際、強金をよく使う方々からすればこのワードだけでピンとくる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

主にここに当てはまる相手としてセンチュリオン、RRを想定しています。
と言うよりはっきりと申すなら仮想敵がレッドデーモンカラミティ、ラウンチからのカリユガです。
それらの回答となるカードとして前者は無限泡影と壊獣、後者は壊獣やラヴァゴとなります。

フゥリ+装備の組み合わせからでないと御巫は始まらないと思っているので、そもそもそのスタートラインにすら立てなくなる可能性があるのは御巫からしてみれば脅威以外の何ものでもありません。
前者はまだ強金のドローとその後まで僅かながら猶予がある可能性はありますが、後者に関しては強金そのものをラウンチからのカリユガで無効にされかねないのでこうなってしまってはもう大人しくデッキを畳むしかありません。

ならいっそのことそういったドローソースよりも解答札をメインから少し多めに刺すといったプランも一度考えましたが、使用するプランに対して遭遇する対面の数があまりにも釣り合っていなかったので、今回は少し控えめにそれらを採用しました。
(そもそも違うギミックを採用しているのでこの話をすること自体的外れな気はしますが……)

こちらも先ほどと同じ「YCSJで御巫を使う上では」といった具合です。


普段直撃しないドロールが直撃してしまう
ここに関しては天底もアショカもオオヒメも同じだろと言いたくなりますが、天底と違う唯一にして最大の懸念点は「引き込むカードのランダム性が高い」事にあると自分は考えています。

天底の場合、大神祇官を持てるので場合によっては返しのターンで一定の仕事をしてくれますが、強金に関してはその強金で引いたカードで相手ターンを耐え忍ぶ術をその場で考えなければなりません。

運良くフゥリ+装備や、ニニ+装備、伝承+オオヒメといったメインギミックの起動はできなくとも一定数相手に圧や妨害を構えられたり盤面リソースが確保されやすい組み合わせが引けたり、都合よく足りない方を強金のドローで引けたのならまだ勝ちの目はありますが、よりによってそのタイミングでアショカピラーや既に持っている誘発の被り、何より考えうる中で一番最悪な「強金の被り」という可能性が少なからず存在しているため、その影響力は見た目以上に大きいことがわかります。

何よりメイン1開始時にしか使えないのもこの点を後押ししています。
流石にそこでドロールを打つかどうかはお相手の手札次第な部分もありますが、いずれにせよそういった自分にとってのマイナスな要素が含まれている以上、こういった細かいことも意識しなくてはいざという時に正確な対応ができません。

何度も言いますがこれも「YCSJという舞台ならでは」と言えるでしょう。


あらゆる場面で被りが弱すぎる
こちらは強金に限らず、手札誘発を含むデッキに採用している名称ターン1のカード全般に言えます。

こちらも意味としては先ほどの後半部分で解説したこととやや似ている部分がありますが、御巫に関してはテーマ内の軸となるカードがそれに当てはまります。
フゥリ、オオヒメ、水舞踏…これらは一見すると引けば嬉しいもののはずなのに、被りすぎるとそんなに必要ない、なんならフゥリも水舞踏も可能であればデッキにいて欲しい、組み合わせによっては有効に使えるシーンが異なる、等……かなり贅沢な悩みを持つカードです。

これら3枚は先手と後手で役割が変わってくるので毎度毎度そうあって欲しいとは言いませんが、ここに関しては先ほどのYCSJならではという要素とは少し違い「強金と重なった場合は話が別」という事になります。
そこまで来ればもはやデッキ側に問題があると言われても仕方ないですが、これ以上は何も言いません…
(蛇足気味かもしれない)

長々と解説しましたが、以上が強金ではなく教導ギミックを採用した理由になります。
こちらも環境や分布によって互いにスイッチを効かせられるので、状況に合った選択をしてみるのがいいと思います。


アトラクターについて

3枚に返してほしい

(個人的に、今回の大会における真に答えとなる手札誘発だったのではないか、と考えています)

実は、こいつの採用はレシピ印刷の直前まで悩みました。
仕事中や寝る前も考えてたくらいで、今思えば考えるまでもなく即採用が板!でしたね。

分布的にも多いであろう炎王、ホルス系、先ほどあげたセンチュリオンやRR、場合によってはレスキューやラビュリンス、その他色んな意味で墓地を使うアーキタイプからしたらこいつにだけは当たりたくないと思うカードの筆頭だと思います。

自分がそれらのデッキを使う立場の場合、我が魂魄100万回生まれ変わってもアトラクターなんぞには当たりたくありません。
ましてやそれがシングル戦の当日限りの大会なら尚更です。

教導ギミックとの喧嘩だけが懸念点として最後まで付き纏ったのですが、それ以外では御巫的にはかなり強く使えるので採用するメリットの方が大きいと思い、直前で思い切って採用を決めたのが功を奏してくれました。
なんと7戦中5回も初手に来てくれて(うち1回は初手事故と相手がアトラクター下でも動けた対面だったので)クリーンヒットしたお相手の方々がとても苦しそうな表情を浮かべながら発動を許してくれました。(すごく運が良かった)

今回のMVPは間違いなく彼でした。
あの時思い切って採用に踏み込んで本当に良かったと思っています。

役割としては、先手の場合にアショカ+アトラクターと握っているとフゥリ+装備+かみくらべorかみかくしと構えられて、尚且つそのタイミングでは墓地が空なので迷わずアトラクターを投げられます。
この時、自ターンのエンド時に投げられるとGOODです。
5回戦でのホルス系のお相手の方にそのプレイをしたところ「うわ、マジか」みたいな顔をされたのでオススメです(成功体験)

また、自身のレベルが6なのも御巫的には魅力的です。
オオヒメを降ろす際の御巫神楽の生け贄としてレベルが6とちょうど合うので、腐りそうな場面にトップで引いてしまってもその役割がまだ残されているので完全には腐り切らないのが魅力です。

仮に相手ターン開始時に投げる場合、そこに墓穴を貰えばかみくらべとかみかくしがリソースとして残りますし、アトラクターが通った場合、対面が御巫と言うこともあり余程のことがない限りは最低限次のターンに備えての最小限の展開に抑えてターンを渡してくるテーマが今期は多いので、かみくらべとかみかくしを温存したまま反射ダメージでのライフカットや更なるリソースの確保までできるのでこちらが影響を受けるシーンがあまり存在しません。

後手の場合、Gと一緒に重ね引きしていると何故かわからないですがうまく言葉にできない謎の安心感があります(それでも油断はできませんが)


しかしながら、これはアトラクターが刺さる相手のみに通じる戦法なので誰しもに通じるとは言えません。

ですが見方を変えれば、ふわんだりぃずやクシャトリラのような「メインギミックと喧嘩せずにアトラクターを使えるor使い回す」のどちらかの条件に当てはまるデッキとして、御巫はこれら二つのテーマとは「別方向での強みを発揮できるのではないか」と考えることができます。(神楽の生け贄の件もそうです)

実際、アトラクターがクリーンヒットした試合全てが一定の役割を果たしてくれた、アトラクターが居たから何とかなった、といったゲームが半数以上だったので、御巫に限らず環境的なことも相まって今大会に向けてのアトラクターの採用はもはやマストと言っても過言ではなかったことが自分の戦績とも相まってそれを証明してくれています。

しかしながらやはり御巫だけでは一歩及ばず…結局のところ引けてなければ意味がなく、噛み合わなければ意味のないカードではあるのでこれに関しても結果論だと言われればその限りですが……それでも自分なりにメタを読んだり、メインデッキとの噛み合いを考えた際に上手くハマってくれたというのは個人的な視点もあってかなり嬉しかったです。

アトラクター採用に乗り出すまでの直前、うさぎやわらし、しぐれと言った、今思えば「どこの誰に打つん…?」みたいなカードを特に明確な理由もなく採用してたので、直前の段階で人の心を取り戻せてよかったです。 
(規制解除待ってます)



各種装備魔法について

御巫の装備魔法に関しては概ねテキスト通りの使い方をするので今回は省かせていただきます。
ここでは愚鈍の斧、脆刃の剣、メタルシルバーアーマーの採用理由などについて説明させていただきます。

【愚鈍の斧】

こんな見た目だけど虚無空間と同期でNR

御巫を見るまでは見慣れなかった装備カードだと思います。
自分も存在は知っていましたが、その使い方までははっきりとはわかりませんでした。

主な用途はかみくらべから装備するヴェーラーや泡影のような使い方です。
単純に打点が1000上がるのも御巫にとっては貴重な打点要因(相手)ですし、おまけ効果の500ダメージも御巫を相手にしている人からすればこちらも無視できない要素となります。
あらかじめ墓地に置いておく事でオオヒメの③のフリーチェーン装備効果により文字通りヴェーラー泡影のような使い方もできます。
この時、名称ターン1がある効果にチェーンして使うと⭕️です。

また、このカードの真価は適用され続ける永続効果であることに集約されます
そのため、エクスピュアリィ・ノアール(5素材以上)や、サイコエンドパニッシャーといった、モンスターが効果として持つ「相手が発動した効果を受けない」という耐性をすり抜けてこのカードの無効効果を付与させることができます。

特にピュアリィ相手には5素材ノアールはもちろん、各種メモリーに付いてくるエクシーズ体に付与する効果も諸共消し去ることができるので、下手をすれば壊獣に近い挙動でそう言ったモンスターを対処してくれます。

ぶっちゃけると主にピュアリィを重く見てのメインからの採用としています。
ピュアリィ以外には素引きでもしていない限り有効的に働かないのと、自分のモンスターに装備しても愚鈍の効果も相まってデメリットを被るだけなので基本的にはあまり引きたくないカードではあります。
(かみくらべで装備するにしても、リスクに対してリターンがあまりありません)

バロネスや承影、リトルナイトといったその他汎用EXモンスター相手へのマストカウンター、あるいは後手捲りの一つくらいの認識で大丈夫です。
その他場合によって器用に使えるカードなのでぜひ使いこなしてみてください。



【脆刃の剣】

DBADに再録されてるので実質公式が推奨

御巫といえば、を体現した装備カードです。

戦闘ダメージ関連の複雑な処理を挟みますが、要するに「相手への戦闘ダメージが実質2倍」と、その影響力は見た目以上に恐ろしいものになっています。
当時?(諸説あり)のカオスMAXの2倍貫通ダメージが痛くないわけがないのと同じで、反射ダメージをメインプランの一つとしている以上はこのカードが警戒されないはずがありません。

用途は単純で、相手モンスターに装備して装備カードがついた御巫で自爆特攻を仕掛けてワンショットを狙う、になります。
この時、脆刃の剣の装備先のモンスターの攻撃力が2000以上ならその時点で8000ダメージを狙えます。
実際に、2回戦の対戦相手の方にこのプランを悟られないようにひとしきり相手の妨害を吐かせた後、高打点のモンスター相手にこれを装備して総計11800の反射ダメージを与えて勝利しました。成金ゴブリンを3回使ってもお釣りが帰ってくるくらいのダメージを狙えるので、やはり最終的に一番火力を出せるルートはこの脆刃の剣が絡んだゲームになります。

先ほども申し上げたように、このカードは御巫の知識がある方が相手の場合、最優先で警戒されます。
迂闊にアショカピラーやアームズホールでサーチをしようとするとそこに妨害を当てられるので、あからさまな脆刃サーチの挙動はタイミングが非常に重要となっています。

素引きの際は上記の限りではありませんが、このカードを使って決める、よりも「このカードを使う事によるキルプランをどう構築していくか」を考えてみれば自ずと道は開けるのではないでしょうか。
是非ともこのカードの爽快さ、そして名前の通り繊細さを感じて見てください*)

(*余談ですが、脆刃を警戒して相手がモンスターを出してこないというプランを取ってきても、御巫のテーマ内の動きで脆刃を使ったジャスト8000キルのルートが存在します)


【メタルシルバー・アーマー】

就職先はブレイバーだけではない

(テキストが古いため、最新のテキストは以下の通りです)
(1):装備モンスターが自分フィールドに存在する限り、
相手は装備モンスター以外のお互いのフィールド・墓地のモンスター及び
除外されているモンスターを効果の対象にできない。

ここ最近になって一部で知名度と危険度が同時に爆上がりしたカードです。

やや難しい書き方をしていますが、要約すると「装備モンスター以外のどんなモンスターも効果の対象にできない」となります。

これにより、現代遊戯王では見ない日はないとも言える墓穴の指名者による手札誘発モンスターや墓地のモンスター効果を弾くといったことが出来なくなったり、装備カードを装備できなくなったり、RUMを使用できなくなったり、6枚目の無限泡影を実質的に無力化したり…等、シンプルなテキストの割に試合に与える影響が非常に大きいカードとなっています。

この事からも分かる通り、このカードを採用した理由としては
①炎王神獣キリンの②を封じる
②RRのRUMを腐らせる
③ミラーを詰ませにいく
④レスキューのプリベンターにリスクを背負わせる(場合によっては手札のタービュランスも出せなくなる)
⑤その他対象にとってこちらに干渉してくる相手への詰みカード

が主な理由となります。

何よりも炎王とRRを重く見ての採用です。



キリンの②の効果により装備カードの方を破壊されてはキリン1枚に対してこのデッキのプランが崩壊されかねない上、そこにプラスしてガルドニクスエタニティの着地まで許してしまうともう手の施しようがありません。

炎王と分かればなるべく早めにかみくらべで無理矢理にでも自分のモンスターに装備したいカードです。
キリンの②の効果が間に合う前に付けられると相手もガルドニクスエタニティを出すのにその場でのそれなりのリソースを消費するので、その場面で他カードを使い一気に相手のリソース循環を減らせるとGOODです。
(アトラクターが居たらもう無敵)



RRに関しては展開の要となるカードがRUMにそれなりの比重を置いているため、シンプルなバック破壊カードがなければこのカード1枚で詰んでしまう可能性があります。
基本的にはレイダーズナイトからブレイブストリクスに向かい、更なる展開のためにRUMをサーチしてくるのでブレイブストリクスでのRUMサーチの動きが見えたらかみくらべで早めに装備しましょう。

仮にソウルシェイブやスキップを素引きされていても、それらはメタルシルバーアーマーの効果が適用されている限りは打てないため問題ないですし、ファントムフォースやレヴォリューションフォースを採用し、それらを素引きできていたとしてもそのシーンで出てくるものは結局のところメタルシルバーの解答を持っているランク6ではないので、然程気にはなりません*)

しかしながら当然の如く、後手では致命的に弱いカードになってしまいます。
あくまで御巫が行うRRに対する先行理不尽という認識で問題ないです。

(*ブレイブストリクスからRUMをサーチする効果にチェーンしてかみくらべでメタルシルバーを装備するシチュエーションを想定しています)



ミラーでの解答に関しては、RRの時と同じく直接こちらの後ろを割ってくるカードを入れていない限りは引いたもの勝ちの理不尽制圧札として機能します。
アーマード・エクシーズギミックのFAダークナイトランサーに向かうプランも潰せますし、いよいよ持ってランク3からのダウナード→アーゼウスくらいしか解答が無くなってしまいます。

一応天底スタートの場合、ヌトスを落とすことでこのカードを除去できますが、オオヒメを置いているならそれすらもケア可能になるので、いずれにしても相手に高い要求値を強いてくれるカードである事に変わりはありません。

しかし、かみくらべからフゥリにメタルシルバーを装備した時にうっかりフゥリのサーチ効果を使ってしまうと、それがメインの時なら三戦を打たれてそのまま処理される場合もあるのでミラーだからと言って安心するのは少々難しいです。

あとシンプルに壊獣で全て崩壊してしまいます。
前者はまだある程度ケアが可能なので特に問題はないですが、後者に関してはもうどうしようもないのでこのシーンに限った話ならもう潔く諦めるしかありません。

しかしながら上記の通り、炎王やRR同様に決まれば相手にかなり要求値の高いプレイを強要できるため、サイドデッキを用いるマッチ戦でなら選択肢の一つとして刺してみるのはいかがでしょうか。
意外と見た目に反して予想以上の仕事をしてくれます。



レスキュー対面に関しては、後手は誘発やこちらの初手、相手の型にもよりますが少なからず苦手な部分を背負わされる反面、先手だと個人的にはよほど噛み合いが悪い札を使われない限りはそこまで不利とは感じていません。
よって、レスキュー相手のメタルシルバーはかなり過剰な制圧札になってしまっています。(むしろ無くても大丈夫なくらい)

単純にタービュランスから伏せてくるcontainとextinguishはフゥリ+装備の組み合わせであればあまり怖くはありませんし、プリベンターの裏にする効果も前述したことと同じくフゥリ+装備の構えであれば特に問題はありません。
当然インパルスも重くありませんし、アタッカーとエンジンの地味な高打点とリソース補充も前者はまだしも後者はこちらが何もしなければ相手も何も生まれないので、特に気になる部分ではありません。

プリベンターの③を封殺できる点、素引きタービュランスが腐る可能性がある点、rescueでの横伸ばしを遮ってくれる点は個人的には評価できる点です。
が、言ってもそのくらい…なのが現状しょうか。

メインギミックの段階でレスキューからの解答を狭めてくれているので、正直な話レスキュー相手にメタルシルバーを付けるかどうかは本当にその場によると言い切れてしまうほどにリスクリターンの要素が見た目以上に絡んでいると考えています。

ただ、レスキューモンスターの横並びからの「閉ザサレシ世界ノ冥神」だけが現状考えうる唯一のフゥリ+装備を捲る手段としてわかりやすく存在しているので、個人的にはそこに向かわせる札や行動をかみくらべ等で止めていったほうが良いのかなと思います。

総じて、レスキュー相手のメタルシルバーは「確かに強く使える部分はあるが、それによって生じる裏目までは消してくれない」といった評価になります。

ここまで来て何だと言われそうですが、プレイ歴が浅いことも相まって自分はこういった評価に落ち着いています。
また何か発見があれば発信してみるつもりです。




こちらはもはや蛇足…とはいかないまでも、特に詳しく解説する必要もないかなと思っています。
単純にこちらの盤面や墓地への触れ方が対象をとっている相手ならそりゃ刺さるよねと言うだけの話なので…解説は少量にとどめさせていただきます。

単純にフゥリ+装備の組み合わせがキツい相手がこれに該当します。
…その時点でキツイなら、メタルシルバーの解答なんて当然ないよね、と言うだけです。

そういったタイミングが巡ってきたら付ける、くらいの認識で大丈夫です。


天子の指輪について(今回は不採用)

超融合も止められるぞ


直近の弾で登場した装備魔法です。

往年のプレイヤーに分かりやすく言えば、装備カードをつけている状態のモンスターになら誰にでも付けられる「アビスケイルーミヅチ」です。

テキストからは読み取りづらいですが、この②の効果は発動を伴う効果ではない(チェーンブロックを作らない効果)ので、所謂チェーンできない系のカードの効果も無効にしてくれます。(ダメージステップでも発動可能)
これにより、超融合はもちろん、月女神の鏃、冥王結界波などのチェーン反応を許さないタイプの魔法カードに対して強く出られることができる点が非常に優秀です。

何より、この②は永続効果として適用されるので、相手の羽根箒やライトニングストームにチェーンしてかみくらべを発動し、このカードを装備することでそのチェーンの処理の最中に相手の羽根箒やライトニングストームを無力化できるという動きまでこなせてしまいます。

しかしながら、この無効効果は必ず一番最初の魔法カードに適用してしまうため、先にブラフとなるカードを使われて無駄に無効効果を吐かされてしまい、本命が直撃すると言った当時のミヅチの弱点をそのまま受け継いでいます。

なのでかみくらべ先打ちで牽制するよりかは、相手の出方を見てからそこに合わせるようにかみくらべを使って装備させると良いでしょう。

破壊されても条件を満たしていればオオヒメの③の効果で再び使えますので、なかなか器用に仕事をこなしてくれるカードです。
相手の不意をつく、といった使い方ができるカードなので是非使いこなしてみてください。


と、ここまでこのカードの強みや使い方を解説しましたが、今回自分はこのカードを採用しておりません。

当然候補に入れないはずはなく、調整段階からこちらが苦手とする後手一発目の羽根ストームや強金、その他マストカウンターレベルの魔法を止めるためにこのカードはYCSJという環境を考えるのであればもはや入れない理由はないに等しいと思います。

ではなぜ不採用としたのか
その理由は単純で、枠がなかったからです。

ただでさえ41枚の実質固定枠が存在する中、飛んでくるかもわからない制限(羽根)と準制限(ストーム)のたった3枚のために、42枚目を天子の指輪にするのはなかなかにリスクに対してリターンが釣り合っていないなと感じました。

何よりも装備条件が個人的に気に入らない点で、せっかく初手でフゥリ+装備の構えができそうな手札なのによりによってフゥリに着けたい装備カードがその時に限って指輪しかないといった状況が起こりうる可能性があったため、そうなるくらいなら最初から外してフゥリ+装備の再現性を高めた方が良いなと思って苦渋の決断をしました。
(実際、初手チェックや調整の段階で何度かそのシーンがありました)

また、このカードも前述した強金のように、6枚目で間に合わないカードとなっています
特にセンチュリオンのスタンドアップの③、RRのライズRUMに間に合わないのは装備条件も含めてかなり致命的です。
それならいっそ6枚目でも間に合う壊獣やラヴァゴ、期待値高めの手札誘発を採用したいと思ったので今回の構築では不採用としました。

基本的にはサイドカードの認識で大丈夫です。 
(実は初戦のお相手から羽根が飛んできたのでその時だけは「昨日の自分なにやってんねんまじで」と心の中で思いながら「チェーンないです」と言って羽根を処理しました。
自分への教訓も兼ねて気をつけます。


拮抗勝負のケアについて

常に考えさせられる1枚

まず初めに、見出しで堂々とこんなことを書いた上で弁明というか言い訳じみたことを申し上げるのも大変恐縮なのですが、ケアと言っても完全にケアができるわけではありません。

他デッキと比較した上で、御巫はそれらよりは軽傷で済む、くらいの認識でお願い致します。

そしてそのケアをしてくれるカードが実は御巫のテーマ内に存在しました。


それがこちら

乃木園子と鷲尾須美みを感じる1枚(色は合ってないけど


こちらの①、②の効果が両方とも拮抗を軽傷で抑えてくれるカードとなります。

どう言うこと?と思う方もいらっしゃるかもしれません。
実際にこれに気づけたのは自分的にはある意味奇跡なのではないか…?と、そう思えるくらいには個人的にかなり納得のいくケア方法かなと思っています。
ちなみにこれはアショカピラー1枚で出来るプランです。(アショカ→水舞踏→フゥリ+装備+かみくらべセット、を前提で話をしていきます)


まず大前提として、拮抗勝負というカードの性質上、相手は必ず盤面を空にした状態でメイン終了→バトルフェイズという動きを取ってきます。
この時点で、よほど特殊なデッキやプランを持っていない限り相手は拮抗を持っていることが容易に予測できます。

そこで、スタートステップにこのカードで場のフゥリに任意の装備カードを装備し、効果処理によってかみくらべを墓地に送ります。
その後、装備されたフゥリの効果で残りの御巫罠をサーチした後、バトル終了時に拮抗を受けます。

この時、自分の場に残すカードを「フゥリに装備している装備魔法」にして、それ以外を拮抗の処理で飛ばしてください。

そうする事で、装備先を失った装備カードがルールの処理によって破壊され墓地に送られます。

その後、スタートステップで予め墓地へ行っていたかみくらべの②の効果がその発動条件を満たし、墓地の効果を発動できます

これにより、かみくらべの①で装備した装備カードはもちろん、アショカピラー1枚の動きで使用していた水舞踏を回収することにより次のターンにアショカ+水舞踏と言った組み合わせの攻め手が用意されているので、拮抗を受けたとしてもメインギミックがある程度立て直せているという事を意味します。

これは他デッキでは用意するのが難しく、そしてそれをテーマ内で完結させている事こそが明確な御巫の強みと利点であると考えており「一見拮抗勝負が重そうなデッキに見えて実はそうでもなく、何より御巫というデッキの性質上、安易にモンスターを置いてターンを渡せない」という別方向の強みが発生します。

何よりもこれがアショカピラー1枚で出来てしまうのが破格であり、残る相手の展開をこちらの手札誘発や返しのターンの手数で返せてしまったりと、拮抗によって受ける影響がさほど大きくないことが理解できるかと思います。

もちろん全部が全部そうでないので、その後のメイン2での展開次第ではこちらが越えられずに負けてしまったり、上手くこちらのギミックが通らなくてそのまま押し切られたりと、必ずしも拮抗を受けて返しの手数が保証されていたとしても捲れるわけではないので、そこに関しては仕方ないと割り切っていただくしかありません。

ただ、メイン戦で尚且つYCSJというシチュエーションを想定したら拮抗が飛んでこない可能性なんて事はあり得ないと思ったので、サイド後も含めてもしこのシーンに遭遇したら全力でこのプレイをして拮抗を受けましょう。
(ちなみに今回、自分は1度も拮抗を打たれませんでした)





各対面で意識したことについて

このデッキを使う上で、今回は主に
・炎王
・RR
・センチュリオン
・ホルス

この4つのテーマに対してデッキ構築やプランを練り上げました。

まず炎王なのですが、とにもかくにも炎王神獣キリンの②の効果が御巫にとってはこの上ない脅威となります。

原型ないやん(効果的な意味で)


ガネーシャやハヌマーンで1妨害をした後にさらにこちらの盤面に1除去を飛ばしてきたり、聖炎王ガルドニクスでデッキから破壊して無理矢理②の効果を通してきたり、と…およそどのデッキでも対炎王を考えるなら真っ先に頭に浮かぶモンスターだと思います。(個人差あり

当然ながら御巫もそのデッキの一つで、この②の効果が対象を取らずに後ろにも触れる効果である点から「フゥリの耐性をすり抜け、尚且つ装備カードまで剥がされる」という、キリンたった1枚のこの効果でこちらのメインプランが全て崩壊しかねないと言えるほどに強力な効果となっています。

一応、自分のターンにキリンの②を使われた場合の話に限るなら(こちらの手札や場、墓地のリソース次第ではあるが)ある程度は立て直しが可能で、あわよくばそのままライフカットができるのでそこまで深く考える必要はないのですが、問題は相手のターンでキリンの②の効果を受けた時になります。

単純にフゥリ+装備単騎だと簡単に捲られてしまいますし、かみくらべ又はかみかくしを温存するプレイを取っていたとしても、孤島やバロンのサーチでキリンをチラつかせられるだけでも相当苦しい思いをします。
本命であるキリンの前に聖炎王を展開の途中で絡められたりすると後々の展開も相まってやはり一方的に苦しい思いをしてしまいます。

そのために墓穴やわらし、最悪の場合D.D.クロウまでもを視野に入れなければいけません。
メインギミックで構えられない分、こういった汎用カードに頼らざるを得ないのが対炎王における個人的な辛い部分です。

それらも含め、アトラクターとメタルシルバー・アーマーの採用に踏み込みました。
前者は当然ながら、後者はもはやキリンの②の効果を使わせないために採用したと言っても過言ではありません。

要するに「キリン1枚でこちらの約20枚のメインギミックが苦しめられる」と認識していただければ大丈夫です。

とにかく相手に悟られないように、自分から「キリンを使われて苦しい盤面を自作自演する」事が大事です。
そういう意味では、相手が本命のキリンをガメるという部分とも繋がるかと思います。

先に手を出したら負ける、という対人ゲーム(というより格ゲーに違い?)ならではのプレイを心がける事が、対炎王におけるメインギミック以外での勝ちに繋がるプランの一つです。



次にRRです。
こちらは直前の弾にて超絶強化を果たした事で、一回戦〜三回戦くらいまでは残るだろうという読みでプランなどを考えました。

先行展開が全て通ればその辺の環境デッキなぞ比にならないほどに強力な盤面を敷いてきて、後手も一滴や新規のRRを絡めてレイダーズナイトからのアークリベリオンでそのままワンショットを決めたり…と、こちらもこちらでかなり強力なデッキとなっています。

何よりも新規が出て直ぐなので、初見殺しをされるという事だけは避けたいと思い、友人に協力してもらいなんとか短期間で対RRを考えました。

御巫を使う上では、新規のライジングリベリオンファルコンと既存のアルティメットファルコンと言ったいわゆる「他のカードの効果を受けない」というモンスター群に関しては、それら棒立ちでそのままターンを返されるという事に関してはそこまで不利や苦手意識を感じていません。

相手ターンサテライトキャノンファルコンと相手ターンライジングリベリオンファルコンも、見えている情報だけで言うのならひとしきりそれらを使わせた後に伝承を絡めたオオヒメの御巫の動きである程度リカバリーが効くので、そちらに関してもよほど手札と相手の誘発が噛み合わない限りはそれほど痛手ではありません*)
(*ソウルシェイブを使っているならオオヒメでそのままライジングリベリオンに自爆特攻するだけで4000削れるのでそのまま勝てます

となると何が苦手なの?と言われるかもしれません。
言わずもがな、このモンスターです。

DDで出してるの見たことない


一部で悪名高い、相手ターンカリユガというムーブです。

素材が空のアーセナルファルコンにRUM幻影騎士団ラウンチで重ねる事により、相手ターンにこのカードが着地します。
その強力な召喚時のルール効果により、この効果が通ってしまうとこちらのターンがほぼ何もできなくなるターンとなってしまいます。

また、先ほど申したようにこの効果は召喚時のルール効果なので、速攻魔法であるラウンチから重ねて出てくる関係上「こちらの初動に合わせて着地させ、その初動もろとも潰してくる」といったプレイをされてしまいます。

この記事の教導ギミックの所で解説していた強金の部分にて言っていた「強金のドローで間に合わない対面が一定数存在する」のその一つがこのカリユガとなっています。

単純にこちらの強金の発動にチェーンしてラウンチでこのカードを出す事により強金そのものを無効にできますし、以降こちらの手数もその悉くが潰される等、こちらの「後手一発目の強金初動」という行動が「負け筋どころか実質負け」という事態に変わってしまうというなんとも恐ろしい対面となっています。

文字だけ見るとイマイチ伝わりづらいかもしれませんが、こちらもYCSJという舞台を想定するのであればもはやこれは交通事故以外の何者でもありません。
サイド有りのマッチでならある程度は抗えますが、シングル戦においてこの動きを通されるとなるとよほど特殊なデッキタイプではない限りほぼ負けです。

ではどうするのか、その答えはアトラクターとニビル、そして壊獣でした。
アトラクターは当然ながら、ニビルは素材持ちのアーセナルが実質ニビルケアということもあって個人的にはあまり信用していなかったですが、素材が空のアーセナルが見えたらそこに向けて投げるだけでいいので投げるタイミングによって相手のプランを一つ潰せるだろうと思い採用。
そして壊獣は6枚目で間に合う可能性があるカードとして強金を差し置いて採用しました。

ラウンチがメインフェイズ限定ということもあり、スタンバイフェイズを過ぎればメインフェイズの優先権はこちらが先に確約されるので、安心して素材が空のアーセナルに壊獣を投げる事ができます。
仮に相手ターンカリユガを潰されて、バトルフェイズ中も含めて相手ターンライジングリベリオンでこちらを全て破壊されようとも、オオヒメの御巫にアクセスできていれば伝承からオオヒメを素出しするだけで4000ダメージが約束されます。
(*再三ですがソウルシェイブを絡めているならそのまま勝てます)

対策としてはとにかくカリユガを着地させない事、ニビルを打つにしても展開の途中で打つよりかは相手ターンカリユガをしてくると言う想定で相手の展開を見ながら素材が空のアーセナルが見えたらメイン終了時に打つこと、それらを意識すればある程度大丈夫だと思います。
(もちろんその時の状況次第)

それ以外は基本アトラクターで相手が勝手に沈みます。
気合いで引きましょう。



続いてセンチュリオンですが
とにかく初動が豊富で、しかもそのどれもが誘発による裏目をしっかりと含んでいる…と、ことシングル戦の先手においては他の追従を許さないくらいには初動の塊なデッキです。
また、センチュリオンの特徴としてそれら初動札が返しのターンや後手でもしっかりと2枚目以降に役割を持たせられるというのも特徴で、一見腐りそうなそれらの札が腐りにくいと言う別側面の強みも存在します。

大型シンクロを並べるデッキながらニビルが効かず、Gを受けても軽傷…と、考えるだけでこのデッキが最強に聞こえてくるのではないでしょうか。

しかしながらヴェーラーや泡影といった単発の無効系妨害に弱い点、メインギミックを動かす上でのフィールド魔法と赤き龍に幽鬼うさぎが直撃してしまう点、自ターンのエメトⅥ素引きをケアしづらいといった弱点もあります。
流行りの誘発によってデッキパワーが上下するという何ともユニークなデッキとなっています。

そんなデッキがメインプランで行ってくるのが、このモンスターを使った動きです。

時〜できるの弊害を一身に受けている

センチュリオンも先ほどのRRの相手ターンカリユガと同じく、相手ターンカラミティの動きをしてくるデッキです。

用途などはカリユガと同じで、着地さえしてしまえばメインフェイズでのこちらのほぼ全ての行動が不可能になってしまいます。
それに加え、この効果に対して相手はチェーンできないという効果まで備える徹底ぶり。

はい、そうです。
これを通した瞬間にこちらは負けます。

できる対策としては
先ほど書いたヴェーラーや泡影でレガーティアのドロー効果を含む設置効果までもを諸共消す、赤き龍に6枚目の泡影と壊獣を間に合わせるor幽鬼うさぎを直撃させる、サイクロン系の速攻魔法で永続罠状態のセンチュリオンやスタンドアップを割る、等……実はやってくるプランに対して用意できる回答がそこそこ多かったりします。

極端な話が、サンダーボルトでレガーティアを退かせて将来的に出てくる赤き龍の対象先を失わせる事により、実質的に赤き龍カラミティのルートそのものを潰すと言ったプランも取れたりします。

また、レガーティアの③の設置効果が手札か墓地から設置するという関係上、唯一のチューナーである重騎士プリメラが墓地に行った段階で深淵の獣やD.D.クロウ等のピンポイント墓地除外で飛ばしてしまう事により、スタンドアップを処理できずとも確実(?)に相手ターンカラミティのルートを潰すこともできます。

上記のことから、やはりアトラクターはセンチュリオン相手にも一定の役割を果たしてくれるカードとなっています。(大活躍やなお前ほんま)

後は6枚目の壊獣でレガーティアそのものをリリースする、でしょうか。
そして何よりこの文面から察せる通り、このセンチュリオンの相手ターンカラミティも「強金のドローで間に合わない対面が一定数存在する」のうちの一つとなっています。

こちらはカリユガと違い、うららさえ踏まなければ強金自体は通るのでまだ引いたカードで何とか耐え忍ぶ術を考えられますが、それでもこちらのモンスターを絡めた一手目に反応したり、その処理後を見てスタンドアップを絡めつつ赤き龍とカラミティを着地させられてしまうので、可能であればそれらよりも前にそのルートを潰したい所です。

マッチ戦、主に自分が活動する関東県内ではそこまでシェアが広くなかった分、今回のYCSJでは環境的なこともあって確実に数が増えるだろうと思ってメインデッキの段階からそれをできる限り対策するようにしたのですが、運良く(?)センチュリオンには当たらなかったのでその心配は杞憂に終わりました。

当たってたら今頃どうなってることやら……



最後にホルスです。

イセムティとよく間違えられる
字レアの性能じゃない



とにかく出張する上でのパワーが高く、こちらとしては何より王の棺の③の効果で御巫のメインプランが崩れてしまうのは見過ごせません。
しかもその効果には名称ターン1が無く、こちらの御巫モンスターの横並びによる展開も場合によってはケアにならない、等……たかだか出張ギミックごときにこちらのメインプランが崩壊しかねない事も考えるとやはり事前の段階で対策を考えなければなりません。

このデッキを使う上では、相手のイムセティの棺サーチ効果にうららを当てるのはもはやマストとなります。
また、組み合わせているテーマによってはそのうららが裏目になる可能性もあり、いよいよ持ってうらら1枚じゃ止まらない可能性まで出てきてしまいます。

当時の勇者環境による水遣いへのうららによる1-1交換とは違い、1-2交換なため見た目以上に損をしているようには見えませんが「ホルスというテーマを組み合わせている以上、イムセティで送るコストがコストじゃない」場合の方が多くなりがちなのは勇者環境の時とは大きく違う点だと個人的には思います。

オルフェゴールディヴェルや幻影騎士団ダスティローブと言った墓地効果による強力な動きをしてくるテーマからすれば、イムセティにうららを当ててほしいも同然であり、本来はうららで止めなければいけないテーマの動きをホルスギミックを止める事によってうららを使わされ、テーマ内でフル展開をされた上に結果的に何もかも貫通された…というのが対ホルス系を考える上で一番最悪な展開です。

しかし、それらホルスを混ぜたタイプのデッキは仮にホルスギミックが潰された場合には、少しでも相手ターンの妨害を作ろうと展開を横に並べてくる傾向にあります。
特にオルフェゴールと幻影騎士団に関しては前者はガラテア、後者はラスティバルディッシュといったメインギミックを動かす上で必須のカードの着地を否が応でもしてくると思います。


イムセティへのサーチにうららが通った想定で話を進めるなら「結果的にニビルが通りやすい」とも言えます。

抹殺の指名者、早期のバロネスの着地等…ケア手段を持たれている場合はこの限りではありませんが、それでもケアできるからケアとは言いづらくなったといった流れに持って行きやすいのはこちらがニビルを使う上ではかなりプラスに働いてくれる要素なのではないでしょうか。

そこから前者であればマスカレーナ→リトルナイトや、リトルナイト素出しによる妨害の傘増しを狙ってきやすいので、ニビルを採用した場合はそのニビルを投げるタイミングが非常に重要となっています。
その場において「何が自分にとってキツイのか」を考えながらニビルを当てると効果的です。

仮にうららを引けなかった場合、棺のサーチは許してしまいますがやはりこれらのデッキにもアトラクターが直撃します。(ほんまに大活躍)

イムセティのコストを見てから打つかどうかを決めるのもアトラクターの打ち方としては適切であると考えているので、引いたからと言って開幕早々すぐに投げるよりかは相手の一手を確認してからクリーンヒットする場面で投げるのが良いでしょう。

まだそこまであからさまにシェアを伸ばしているギミックではないので今後の展開次第な部分ではありますが、御巫を使う上では常に対策を考えておかなければいけないギミックなのは確かです。

良くも悪くも本当に今後次第です。




御巫を採用した理由について


おそらくここが一番気になっている部分かと思います。
最後の最後になってしまい申し訳ないですが、しっかりとこちらもお話しさせていただきます。(当時の話や思い出話なども含まれますので読みたくなければ飛ばしていただいて大丈夫です


まず第一に、前回のYCSJ東京2023の結果を振り返った時に、優勝が斬機、準優勝が御巫、3位がピュアリィ、4位が超重武者‥という結果でした。(詳しくは公式HPの方をご確認ください)
自分もその当時、優勝は斬機かピュアリィ、あるいは超重といった先手でも後手でもある程度デッキ構築やパワーの面で幅があるデッキが最終的に勝ち上がるだろうなと思っていて、案の定斬機が優勝していたので「まぁ、そうなるか…」と自分の中で勝手に納得した記憶があります。

そんな中、御巫が準優勝にまで登り詰めていたので素直に凄いと心の中で称賛をしたのも覚えています。
優勝結果を友人と一緒に見て感想などを語り合ったりした時に、ふと友人の口から出たワードが「シングルの御巫は対策取りづらいやろうからなぁ」というワードでした。

自分はそれを聞き逃しませんでした。

その時、自分は今ほど御巫の知識はなく、DBAD以降の新規もその存在自体は知っていたものの、具体的な効果や強みまでは全く知らず、メインプランに至っても「何となくやってくる事を何となくで知っていただけ」なので、その対策の取りづらさというのがどう言ったレベルやどう言ったベクトルの話なのかを理解せずにいました。

頭の片隅にでも置いておくか…程度の認識でその場は終わりました。
その当時、自分はティアラメンツを一生懸命使っていたので他のデッキを予備知識以外で知りたいと思う時があまり無く、テキストから何をしてくるかを読み取って終わり、というくらいには他デッキへの理解は適当でした。

2023/7/1の改訂、続く2023/10/01の改訂を経て、みなさんご存知の通りティアラメンツというデッキは(自分が知る限りでは)死体蹴りもいい加減にしろと反発してしまうくらいには見るも無惨な弱体化を果たしてしまいました。

本音を言うならティアラで出たかったですが、せっかく抽選で勝ち取った立場なのだからやるからには全力で勝ちにいきたいなと思ったので、そこから毎週のようにデッキ選択の日々が始まりました。


最初、自分が候補として挙げたテーマは
・斬機
・レスキュー
・鉄獣(スプラ入り)、
・ホルス系
でした(10月1日〜中旬あたりまで)




斬機

サーキュラァァァ!(他作品)



言わずもがなですが斬機は前回の優勝デッキであり、サーキュラーが制限になったとは言えスモールワールドやサイバースウィキッドなどを使ってサーキュラーにさえ繋がればこれ1枚で超階乗+ネオテンペスト、そこに幸魂のような効果による展開が可能なモンスターが加わればシンギュラリティも加わるなど、やはりシングル戦の先行展開においては複雑なルートや時間的な問題を加味しても個人的にはかなり有力な候補として挙げていました。
誘発や汎用のスロットも多く、パラレルエクシードによるニビル貫通や後手捲りが行えるのも他展開デッキにはない利点と言えるでしょう。

拮抗、ラヴァゴにもある程度耐性があるので後手捲り特化相手にもワンチャンがあり、逆に自分もそう言った後手捲りを積極的に採用できて尚且つ枠も多めなので、YCSJという環境で見るなら本当にアリなのでは?と当日の二週間ほど前まで思っていたくらいです。


強いて弱点を挙げるとすれば「知名度」でしょうか。
前回優勝デッキであり、尚且つサーキュラーが制限という情報そのものがもう弱いなと感じてしまうくらいには斬機も落ちぶれていたと考えていました。(斬機自体を否定しているつもりはありません)

プレイの幅を持たせることも可能と言えば可能ですが、最終的に行う動きが決まっているので斬機のメインギミックを意識しなくてもそこを潰されれば崩れる、というのも個人的に評価の下落を後押しした要素となってしまいました。
今回は採用を見送りましたが、デッキ選択という面では特に不都合なく使えると思っています。



レスキュー

流石2022年産

レスキューに関しては、自分の練度が低いこともありシェア率との関係性から自分が今回使うことはないだろうなと調整段階の頃から思っていました。

普段から使い込まないといけない分、見た目に反して一喜一憂でパワーを出せるデッキなのではなく…何より肝心な時によく事故るデッキであり、尚且つ新弾のファントムナイトメア関係のカード(主にポプルス、咎姫)がまだ公開されていなかった時期に調整していたということもあった上、メイン戦で飛んでくる可能性が高い羽根ストーム拮抗への対抗手段がラドン型かサイバースギミック、果てはメインから宣告やロンギヌスを入れるくらいしか無く、どちらもG受けが最悪すぎるというのもあり…とにかく色んな意味で考えることが多いのが今期のレスキューだと思っています。

個人的な評価としては(それ以外も当然ありますが)レスキューはYCSJでは微妙なのではないか?と考えていました。

何よりミラーで勝てる気がしません。
と言うより自分はレスキュー向いてないんじゃないかな…というレベルであのデッキで勝てません。(ここだけの話、作って壊してを何度も繰り返してます

しかしながら実際はみなさんご存知の通り準決まで上がってきたので、それに関してはもうそのプレイヤーの方が頭一つ抜けて上手な方だったからだと思っています(当日のアーカイブをぜひ見てみてください)

その時(いつだよ)が来たら、自分も覚悟を決めなければならないかもしれません。


鉄獣

まだ帰ってきそうにない

次に鉄獣ですが、これは身内の一人から勧められたから、になります。
そんな理由で?と思われるかもしれませんがこれにもしっかりとそれ以外での理由があります。

元よりこのアーキタイプの手数の多さと多角的な攻めによる先行展開と捲りの強さはとても評価しており、デッキ内にはサーチカードやメインギミックの動きに繋がるカードが多数採用されているので、要するに「相手のあらゆる妨害や誘発が裏目になるように出来ているデッキ」です。
なのでこちらもある程度先手後手のプランを構築段階で決められて戦えるというのがこのデッキにおける強みの一つです。

もう一つは、前盤面と後ろのカードで妨害を散らせられる点です。
フラクトール展開をするだけでも3ウーサ+双龍+抗戦+手札1、そこにスプライトが混ざればレッドキャロットまで添えられるので追加の一手を加えられたり、魔法罠にも対抗できたりとこちらの先行展開を捲る上で相手もそれなりのリソースを消費してくれます。
スプライト展開だけでもビーバースタートでマスカリトル+レッドorキャロット、そこに誘発も加われば全盛期スプライトにも近しいくらいに見た目以上に厚い妨害になります。

しかしながらこのデッキはエルフがいた時よりもかなり繊細かつ、一つ一つのプレイが大事なデッキになってしまったのが唯一にして最大の弱点だと自分は思っています。
エルフのおかげで多少のプレミはケアしてくれたのですが、彼を失ってからは一手一手がとても慎重にならざるを得なくなりました。

時間的にこのデッキを煮詰めていくにはあまりにも猶予がなさすぎたため、今回は選択を見送ることにしました。
(使い慣れていたのなら、多分このデッキで出てたかも?と言うくらいには楽しく使い甲斐のあるデッキです)


最後にホルス系のデッキですが
・オルフェゴール
・幻影
・ティアラ←まじでほんまに最終手段

この3つのテーマを、ホルス系を取り入れたアーキタイプとして候補に入れました。

何よりもこの3つを繋いでいる存在が、S:Pリトルナイトというカードです。

馬具那式タネガシマとか使いそう

言わずと知れた昨今の環境に新風を巻き起こしている汎用リンク2で、もはやこのカードを見ない日は無いでしょう。

実際に名古屋の決勝トーナメントの放送でも大活躍でしたし、今期を語る上でこのカードは外せない存在となっています。
マスカレーナ+αを置いておくだけで十分な牽制となり、場面によっては拮抗の受けを良くしてくれたり、妨害を貫通してこちらの動きを通したり等、挙げていくとキリがないくらい使い込み甲斐のあるプレイバリューの塊となっているカードです。

ただでさえ強力な動きが出来るデッキにこのカードが入ることで鬼に金棒とでも言えるべきパワーで戦うことができるので、選んだテーマとも相まってダークホース的な立ち位置で挑めるのではないか、と考えての選出となっています。

何よりこの3つのテーマには、自分が過去に使っていたテーマしかいないということもあって、使い慣れている分ある程度こいつらの事を信頼しているからというのが最大の理由になっています。

追加要素であるホルスとリトルナイトを従来の動きに加えれば良いだけなので「すぐに馴染ませる」という意味では変にトップシェアのデッキを手に取るよりかは効率的に調整を行えます。

ここまで持ち上げておいて最後に言うことがそれかと言われてしまいそうですが、どこまで行ってもこのデッキでは限界がある、どのトップシェアと比較してもそれぞれの劣化、あるいは強みが被る上にパワーが心許ない、と思ったので今回は選択を見送った次第であります。

何よりこの3つのテーマに共通しているのが、Gとアトラクターの受けが絶望的です。
うらら指名者に加えて止まった時の誘発を構えないといけないとなると頭を抱えたくなるほどの要求値がこちらを襲ってくるので、まともな精神状態で使える気がしなかったのも見送った理由の一つです。


そこで、そのタイミングで新たな選択肢である炎王が浮上しました。

かわいい


構築次第で苦手なうららやヴェーラー泡影を貫通し、G受けも良くてニビルやドロールも致命的ではなく、こちらも鉄獣の時と同じく炎王モンスターによる前盤面での制圧札の用意と手札誘発を含めた妨害札の確保、そして何より魅力的なのが「こちらの妨害を超えられても立て直せるほどのリソース確保力」が採用に向かう決め手となりました。

何より一定数存在しているであろうラビュリンスを含めた罠で構えてこちらのリソース切れを狙ってくるタイプのデッキ相手に強く出られるのがシングル戦という舞台において他デッキと明確に差別化できる点です。

それらに加え、罪宝ギミックによる安定感と汎用カードのスロットの多さ、賜炎の咎姫やポプルスといった最強新規と……ここだけ聞いてると今大会の答えでは?とも言えるくらい魅力的なデッキに聞こえてくるかと思います。

調整段階で誘発型、強金採用型、天底型、これらを試してみたのですが初使用の日から体感勝率6割ほどを叩き出していたのでデッキとしては強いとその時点で感じており、あとはいかにYCSJ用に調整していくかといったレベルにまでに煮詰めていました。(当然シングル戦の勝率です。

ここでまた一つ、新たな要素が絡んできます。
10/28日発売のファントムナイトメアにて登場するカードを取り入れた、これまで自分が試した事がない篝火と一部スネークアイを採用した炎王でした。

一部でこの型の強みなどを解説したり、YCSJ用に広めたりしているシーンに遭遇してしまったのが全ての始まりであり…そして終わりの始まりでした。

「間に合わない、絶対」

その場でそう直感してしまうくらいには上手く形容できない何かをその場で感じ取っていたのだと思います。

その答えは、今大会の結果が示してくれました
(是非アーカイブをご覧になってください)


話を戻しますが、そうなってしまってはいよいよもって持ち込むデッキがありません。
仕事中や寝る前、毎週日曜の調整後も悩みに悩んで途方に暮れかけていた時です。

そんな時、友人のあの言葉を思い出しました。 

シングルの御巫は対策取りづらいやろうからなぁ

あの時、一言一句聞き逃さなかった言葉です。

すぐさまパーツを揃え、ありとあらゆる方面から御巫という御巫をニューロンやTwitterなどで調べて自分なりに考察してみました。
やはり決め手になったのは「対策が取りづらい」に集約しています。

YCSJというゲーム的にメタゲームの一つという性質上はそういった事前の対策や予備知識、経験によるプレイがモロに出る場所だと思っていたので、そういう意味で言うのなら御巫は自分にとってこの上ない理想的なデッキなのではないか?と考えました。

先ほど申した「対策が取りづらい」というのも、単純な内容に言い換えれば「使用者が多くないため、テーマとしての研究が途上のままである」とも言い換えられます。
これは、一定のメタゲームに参入できるほどのパワーを持つデッキにとっては他デッキにはない唯一にして最大の強みになっていると自分は考えています。

実際に自分がこのデッキをYCSJに向けて調整を行なっていった上で辿り着いた強みが
フゥリ通常がヴェーラー泡影等の無効系妨害のマストカウンターになりうる可能性、結果的にうらら貫通になる可能性
見た目に反して先行展開が堅い
G受けが良い
アトラクターが腐らない
リソースを墓地と手札で散らせられる
ミラーも含めた超融合プランを腐らせやすい
かみくらべで実質拮抗ケア

具体的にはこのくらいです。
メインギミックは特に言うことはないので、あとはこの強みを如何に洗練させていくか、広げていくかといった具合まで一人回しやプランの構築などを練っていきました。


そして迎えた名古屋当日。
案の定、というか対戦をしたほぼ全ての方々から「テキストいいですか」や「これどういう効果ですか」と聞かれまくったので、この時点で自分の中で「このデッキを持ってきてよかった」と素直に喜んだのは記憶に新しいです。

想定できる中での対面のデッキの情報やシェアの多そうなテーマを事前に考えての構築だったので、それがうまくハマってくれたのも嬉しかった点です。

何よりもアトラクターが大活躍でした。
万人があまり知らないテーマの動きをしつつアトラクターまで考えないといけないとなると、その当日その試合の対戦相手の方の消費カロリーは他のトップシェアテーマとは比にならないくらい多かった事でしょう。

実際に何度か試合後に
「御巫にだけは当たりたくなかったんですよね自分のデッキ…」
「まさかアトラクター入りとは」
「後手のイメージだったので、先手で何してくるか全然わからなかったです…」

等と言葉を頂く機会があり、上手くメタをすり抜けて戦えた感じがしたのでデッキ選択としては間違ってなかったのかなと少し嬉しくなったのを覚えています。


話が少し逸れてしまいましたが
自分が今大会で御巫を採用した大まかな理由は
対策の取りづらさ
アトラクターが採用できるか否か
勝ち筋が潰されにくいか
先手後手両方バランス良く戦えるか

各々にいろいろな意味を含んでおりますが、具体的にはこの4つとなります。

探せば他にも沢山あったかもしれません。
ですが、このデッキを信じて最後まで(2敗するまで)戦い抜けたことは御巫にとっても、何より他でもない自分にとっても多いに経験値としてプラスになったのではないかとしみじみと感じています。


まとめ

以上が、今回自分がYCSJ名古屋に向けて短期間で練り上げた御巫を使う上での考えやプランになります。

今回初めての取り組みだったこともあり、調整期間が本当に楽しくてとてもやり甲斐がありました。
おそらく規制もない事でしょうし、今期ないしはこれからもこのデッキを使い続けようかな?と思った次第です。

そのくらいにはとても魅力的なデッキです。

このデッキで良かった
本当に良かった……

ここまでのものを見せてくれたデッキにも、何より調整してくれた友人にも、感謝しかありません。

ありがとう
ありがとう、YCSJ名古屋。

この舞台がなかったら、自分はここまで成長できていない事でしょう。

本当にありがとう。

そこに3人の御巫がいるじゃろう


最後に記念撮影を。

この子達は、一生の宝物です。





(ちなみにトークンはⅣのウルトラと覇王十代の字レアでした。)


長くなりましたが、ここまで読んでいただきありがとうございました。

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