トラッキーのきまぐれ

元小学校及び中学校校長 今は自由人。学校の先生がほんのちょっと元気になる言葉を探してい…

トラッキーのきまぐれ

元小学校及び中学校校長 今は自由人。学校の先生がほんのちょっと元気になる言葉を探しています。老害にならない程度に、発信しようと思っています。阪神タイガース大好き。ときどきタイガースネタあり。書くこと大好き老人。

マガジン

  • リンゴがリンゴであるために 子どもの今に寄り添う

    年々厳しくなる学校現場の先生方に贈る、ほっこりしたメッセージが中心です。ちょっと視点を変えてみたい人にぜひ読んでもらいたいと思っています。

  • 評論風フィクション「学校教育史-近未来編-」

    現代の学校教育にはさまざまな課題が、長い間解決されないままになっています。今すぐにでも本気で改革を進めなければ、この作品にあるような学校が現実に現れるかもしれません。最悪のシナリオを避けるために、敢えて最悪のシナリオを書いてみました。

最近の記事

1000字以内で解く学校の課題シリーズ 生徒指導-「問題」はそれを「問題」とする人によって「問題」になる-

学校には「問題行動」という言葉があります。 こういうときの「問題」とは、解決あるいは解消しなければならないものという意味です。 しかし、考えてみると「問題」というのは「問題」と考える人がいて初めて成立するものです。 例えば、茶髪にすることが校則で禁止されている学校では、髪の毛を染めることが「問題」だとする学校側の判断があるからです。 髪の毛の色など、人としての価値になんら関係するものではないと考えれば、茶髪は校則で禁止する必要はないし、問題行動ともならないわけです。 こ

    • 阪神ファンという厄介な「性(さが)」

      5月26日、日曜日。阪神は2-1で巨人に敗れた。 一昨日、ノーヒット・ノーランを戸郷にやられたが、昨日は零封で完勝。 当然、今日は勝ってくれると思いきや7回まで無安打が続き、ようやく渡邉のタイムリーで1点を先取。 ところが9回、ゲラが岡本に被弾。 その後、岩崎が延長10回に失点し7回1/3を無失点で好投した才木の力投は報われなかった。 阪神ファンというのは、負けゲームを冷静に受け止められない。 なぜ負けなければならないのかということを、簡単には認められないのである。 私

      • 1000字以内で解く学校の課題シリーズ 思春期の子どもとどう向き合うか

        思春期と向き合うのは、基本的に親の悩みであることが多いのですが、教員もその対応を知っておくことは親の気持ちを理解する上で重要です。 結論から言ってしまえば、思春期の子どもが反抗的になったとき、親になすすべはありません。 なぜなら、子どもは親という存在を通して自分自身に反抗しているわけであり、反抗すること自体に意味があるからです。 だから、親が何を言ってもそれに従おうとはしません。 従うことは自分を失くすことだと感じているのです。 そして、自分を試し続けているのです。 反

        • 1000字以内で解く学校の課題シリーズ これからの授業はどうあるべきか

          教科の授業は、文化遺産の伝承に大きな意味があると言われてきました。 今でもそれは変わりません。 ただ、学校が多くの情報を特権的に持っている時代は遠い昔となりました。 学校に通わなくても、インターネットの発達・普及によって知識中心の文化遺産の伝承は可能になりました。 学校に残された(残すべき)価値は、学習内容そのものではなく学習を通じて子どもたちとどれだけ人として関わり合えるかです。 「医者が治せる病気は少ない。けれども看護できない患者はいない」(精神科医中井久夫氏)と言う

        1000字以内で解く学校の課題シリーズ 生徒指導-「問題」はそれを「問題」とする人によって「問題」になる-

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        • リンゴがリンゴであるために 子どもの今に寄り添う
          50本
          ¥500
        • 評論風フィクション「学校教育史-近未来編-」
          9本
          ¥500

        記事

          1000字以内で解く学校の課題シリーズ いじめにはどう対応すればいいのか

          「いじめ」という言葉が初めて研究論文のテーマに使われたのは、半世紀ほど前なのだそうです。 それほど解決が難しいということです。 まず私たちが考えるべきことは、現在の文科省の定義では、いじめをゼロにすることは不可能だという認識を共有することです。 現状のいじめ定義は、あまりに範囲が広く、事実上いじめられた側がいじめだと認識すればいじめが成立します。 1回だけのちょっとした悪ふざけもいじめになる可能性があります。 そんなレベルまでなくすことは不可能ですし、あまりにやりすぎると子

          1000字以内で解く学校の課題シリーズ いじめにはどう対応すればいいのか

          人は誰もが死んでいくのに、どうして生きていくのか

          精神科医で哲学者のフランクルが、この疑問を抱いたのは4歳のときだったといいます。 天才肌の人は、幼いころから凡人とはちがうなあと思わずにはいられないのですが、彼のすごいところは、この素朴で究極的な問いをずっと持ち続けたことにあります。 ナチスの手によって、約2年半の強制収容所生活を強いられたのち、奇跡的に生還したフランクルは、かねてから世に出していたロゴセラピー(意味の哲学)が極限状態の収容所でも立証できたとして、わずかな期間で「夜と霧」を発刊しました。 この本は世界中で

          人は誰もが死んでいくのに、どうして生きていくのか

          1000字以内で解く学校の課題シリーズ 不登校はなぜ増えたか

          いろんな原因が指摘されています。 先生の不適切な関わり、保護者の教育力不足、いじめ、などなど。 でも、それらは結局「きっかけ」でしかありません。 大元の原因は、学校の制度疲労です。 若者は時代の最先端にいます。 だから、社会の変化の影響を最も大きく受けます。 世の中が、「個」を大切にし、「個性」を重視しています。 それは、自分で選択できる自由に支えられています。 ところが学校は理屈のつかない制約や拘束にあふれています。 それが、教育にとって大切なことだといくら叫んでも、

          1000字以内で解く学校の課題シリーズ 不登校はなぜ増えたか

          1000字以内で解く学校の課題シリーズ

          学校にはたくさんの課題が山積しています。 そこには、長期に渡って解決に至っていない課題や、近年新たに浮上してきた課題などであふれています。 それらの課題に対して様々な調査研究が行われていますが、なかなか課題は減りません。 例えば、「いじめ」という語が初めて論文のタイトルに示されたのは半世紀以上前だと言われています。 不登校の問題は、登校拒否と言われていたころを含めると、昭和30年代にはすでに問題視する人もいました。 そうした課題に、すべて何らかの答えを示すことは誰にもでき

          1000字以内で解く学校の課題シリーズ

          円の一部を描く

          私は、学校を変えたいと思っている。 不登校の根本的な原因は、現在の学校というシステムの制度疲労にある。 簡単に言うと、今の学校が社会と大きくずれているため、時代の先っぽにいる若者、特に中高生が、古くなった学校とどんどん変化している社会の狭間で、言葉にできない苦しみを抱えるようになったということだ。 学校というシステムが時代遅れの制度疲労を起こしている原因は、社会全体の価値観の変化にあると、私は思っているが、かと言って私たちに社会をすぐに変えるような力はない。 ならば、学

          遺伝に関する昔からの疑問

          人間は猿から進化したということを、疑う人はいない。 猿にはしっぽがあるが、二足歩行ができるようになった人間には必要なくなったため退化して、現在は、ほんの少しの痕跡をとどめるだけである。 このように、進化は、たとえ少しずつではあっても確実に進んできた。 しかし、考えてみれば、しっぽのあった猿が「もう必要ないよ」と次の世代に、どういうふうに伝えたのだろうか。 単純に考えれば、人間が生まれてから死ぬまでの間に、自分の遺伝子が変化し、それが次の世代につながったということになる。

          遺伝に関する昔からの疑問

          タイガース圧勝 でも一つだけ・・・

          今日の阪神は、珍しく7点も取ってヤクルトに7-2で勝利した。 才木も2点先制されはしたものの、6回を投げ切った。 途中、ノイジーの曲芸のようなファインプレーもあったし。 満塁男の木南が2点タイムリーを放つなど、阪神ファンとしては、言うことなしの試合だった、はずである。 でも、一点だけ気になったことがある。 8回裏、7-2と大差をつけてまだ走者が2人、2・3塁に残っていた時のことである。 中野の当たりはライトライナー。 ヤクルトのライトが滑り込むように好捕したあの場面。

          タイガース圧勝 でも一つだけ・・・

          はじめてのタイガースネタ

          noteの自己紹介に、ときおりタイガースネタも書くと書いておきながら、いままで一度も書いてこなかったので、今回は書いてみることにした。 昨日、甲子園にヤクルト戦を観に行った。 結果は、青柳が村上に3ランを浴びて、4ー2で負け。 今年になって、2回めの甲子園。 1回目は、伊藤が2回5失点という今期最悪の試合で、嫌になって球場を後にした。 今年のチケットは、かなり確保するのが難しい。 それを考えると最後まで見たかったが、そんな気持ちにはなれなかった。 今回も負けた。 今回の

          はじめてのタイガースネタ

          わざわざ書くほどのこともないのですが

          わざわざ書くほどのこともないと思いながら、前から気になっていたことがある。 昨日、某私鉄電車に乗った。 当たり前のように、「まもなく○○駅に到着します」という車内アナウンスが流れる。 気になったのは、乗降者が多いと思われる駅に近づいてきた時にだけ、「本日のご乗車ありがとうございました。まもなく、○○駅に到着いたします」と、特別にお礼の言葉が付け加えられるのである。 その駅が終着駅なら話はわかるが、べつにそういうわけでもない。 礼を言うのなら、すべての駅で言うべきじゃ

          わざわざ書くほどのこともないのですが

          ある調査

          昔、ある行事の効果を分析した結果を県の指導主事が教員に発表した研究会がありました。 いろんな角度から分析がされていましたが、その中で男女別の効果の差を示すグラフもありました。 発表が終わって、質疑応答の時間になったとき中堅の女性教諭が質問しました。 「どうして、この行事の効果を男女別に分析したのか? それは、どういう意味があるのか」 その教諭は、男女に分けて効果を示すことが女性蔑視を含んでいると主張したのです。 質問された指導主事が明確な回答ができなかったために、その教

          心理学は人を救えるか

          高校生くらいの頃、心理学に興味を持ちました。 その頃は、まったく知識もなかった(今もないですが)ので、心理学を学べば、人の気持ちが読めるようになるんじゃないかと思っていました。 大学生になっていろいろ心理学の本を読みましたが、どうもしっくりこなくなりました。 自分の心の中にある「無意識」によって、今の自分が規定されているとか、今の苦しみは過去のトラウマによるものだとか、そういうことがわかったとしても、じゃあ、この後何をどうすればいいのかまでは教えてくれないように感じたのです

          心理学は人を救えるか

          酸素マスクを最初に着ける人

          飛行機が飛行中に緊急事態が発生したとき、真先に酸素マスクを装着するのは機長なんだそうです。 乗客の命を守るためには、機長の命をまず確保しなければならないからだそうです。 学校の子どもの命を守り、育てるという意味ではまず先生の健康が確保されなければいけません。 先生が精神的・肉体的に疲れ切っていたら、子どもの命を守ることはできません。 けれども、学校にはあまりに多くの「やるべきこと」がのしかかってきました。 教育改革が叫ばれるたびに、次々とやることが増えていったのです

          酸素マスクを最初に着ける人