たいていのことは理解していない
人に「君は何考えてるか分からない」といったことはあるだろうか。これを聞くたびに不思議だなと思ってしまう。どうして他人なんぞの気持ちが理解できると思ったんだと。自分自身に関してでさえまったく自明でない。君を理解してるよというのは表面的で上っ面な甘い嘘である。優しさでもなんでない。家族であっても、恋人であっても、親友であっても、どこまでいこうが他人であることにかわりない。誰か他人をわかるなんて一生かけても困難で、そう感じることは驕りなのではないか。その驕りから、相手を型にはめこみ