小鹿裕介

徒然なるままに・・・。 意味不明なことを書き連ねます。 変わり者です。

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徒然なるままに・・・。 意味不明なことを書き連ねます。 変わり者です。

記事一覧

新作 『Genderless 雌蛇&女豹の遺伝子』(7)魔性の美少年。

さて、ここで。 NLFS(NOZOMI ladies Fight school.)の、この物語進行時点でのスタッフ&所属選手を紹介してみましょう。 代表は “榊枝美樹(29)” 美樹はあの堂島麻美とス…

小鹿裕介
2日前

新作 『Genderless 雌蛇&女豹の遺伝子』(6)イジメられっ娘。

あかねはあの時のことを思い出す。 あの大晦日、、父が女子選手NOZOMIに敗れると、あかねも祖母も黙ったまま除夜の鐘も耳に入らなかった。床に就いても女の人に絞め上げら…

小鹿裕介
6日前
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新作 『Genderless 雌蛇&女豹の遺伝子』(5)お父さんが女の人に負けちゃった…。

母が家を出て行ったのはあかねがまだ2才の頃だったそうだ。母の記憶はないが、写真でみる限り美人ではあるがかなり派手で男好きのする顔立ちだとあかねは思う。 あかねが生…

小鹿裕介
11日前
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新作 『Genderless 雌蛇&女豹の遺伝子』(4)女王蜂降臨。

大学卒業後、植松あかねはNLFSに入校するとたった4ヶ月でデビューを果たす。格闘技興行会社『G』主催の夏の大会である。 MMAでの登録名は “AKANE” これは山吹望がNOZOMI…

小鹿裕介
13日前
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新作 『Genderless 雌蛇&女豹の遺伝子』(3)救世主か?その後のNLFS。

雌蛇NOZOMIに敗れた植松拓哉は彼女へのリベンジをマスコミの前で誓った。このままでは格闘技にすべてを賭けてきた男の人生が全否定される。いくら、パウンド・フォー・パウ…

小鹿裕介
2週間前
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新作 『Genderless 雌蛇&女豹の遺伝子』(2)無間蛇地獄。

植松拓哉は信じられなかった。 いくら次々と男子格闘家を倒してきた ” 史上最強の女 NOZOMI“ といえども、所詮女ではないか。今まで28戦、このオレと戦って3Rまで持った…

小鹿裕介
2週間前
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新作 『Genderless 雌蛇&女豹の遺伝子』(1)女が男に挑むということ。

前作『雌蛇の罠&女豹の恩讐を振り返る』(33話)は『雌蛇の罠』(20話)『女豹の恩讐』(72話)を振り返ったものでしたが、此処からはその続編的新作になります。途中で挫折する…

小鹿裕介
3週間前
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『雌蛇の罠&女豹の恩讐を振り返る』 (33)俺の大切な可愛い妹。完。

試合開始早々、麻美の高速タックルを警戒しながら近付く兄の顔面に妹の右ストレートが決まると兄はダウン。 そこから非情なる女豹の攻撃が兄を襲う。倒れている兄を妹は容…

小鹿裕介
1か月前
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『雌蛇の罠&女豹の恩讐を振り返る』 (32)兄と妹、禁断の死闘。

更新は来週の予定でしたが時間が出来たので更新します。 “ 堂島兄妹による禁断のシュートマッチを仕組んだのはNOZOMIである。血を分けた兄と妹に真剣勝負させるなんて、…

小鹿裕介
1か月前
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『雌蛇の罠&女豹の恩讐を振り返る』 (31)妹が俺を倒しに来る。

レスリング流反り投げから、飛び膝蹴りで天才キックボクサー・ダン嶋原を倒した麻美は勝ち名乗りを受けている。そこへ、半失神状態でしばらく立ち上がれなかった嶋原がフラ…

小鹿裕介
1か月前
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『雌蛇の罠&女豹の恩讐を振り返る』 (30)女豹の飛び膝蹴り。

第2ラウンド早々、ダン嶋原は前に出た。第1ラウンドは相手の出方を見過ぎていた。嶋原はNLFS女子格闘家の研究から、様子を見すぎるのは良くないという結論に至っている。い…

小鹿裕介
1か月前

『雌蛇の罠&女豹の恩讐を振り返る』 (29)赤いスカートの似合う女の子とリングで戦う。

先にリングへ上がったのはダン嶋原。 嶋原は花道の向こうからASAMIこと堂島麻美がやって来るのを待ち構えた。静かな音楽が流れる中、真紅の生地に豹柄ワンピース水着、ASAM…

小鹿裕介
1か月前
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『雌蛇の罠&女豹の恩讐を振り返る』 (28)龍の覚醒。

リング上でシルヴィア滝田と相対した龍太は不思議な思いになった。 “何故俺はこうして女性相手に真剣に戦おうとしているのか?” 男と女が格闘技で真剣勝負するなんておか…

小鹿裕介
1か月前

『雌蛇の罠&女豹の恩讐を振り返る』 (27)麻美が豹なら、俺は龍である。

物語は禁断の兄妹対決に向かってクライマックスを迎えようとしています。 デビュー戦で惨敗の兄と圧勝の妹。対照的ではあったが、その後は兄妹揃って快進撃が続いてゆく。 …

小鹿裕介
1か月前
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『雌蛇の罠&女豹の恩讐を振り返る』 (26)女豹の男狩り。

堂島龍太は妹のデビュー戦の相手が迫田宗光だと知ると不安になった。迫田とは高校時代柔道でのライバルであり、現在は同じ大学の一年柔道部員。いけ好かない野郎だがその実…

小鹿裕介
2か月前
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『雌蛇の罠&女豹の恩讐を振り返る』 (25)俺は妹より弱いっていうのか?

デビュー戦で、年下の女子選手にTKO負けを喫した堂島龍太は傷心の日々を過ごしていた。“俺は格闘技に向いていない、そんな自分が父の仇討ち?打倒NOZOMIなんて身の程知ら…

小鹿裕介
2か月前
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新作 『Genderless 雌蛇&女豹の遺伝子』(7)魔性の美少年。

新作 『Genderless 雌蛇&女豹の遺伝子』(7)魔性の美少年。

さて、ここで。
NLFS(NOZOMI ladies Fight school.)の、この物語進行時点でのスタッフ&所属選手を紹介してみましょう。

代表は “榊枝美樹(29)” 美樹はあの堂島麻美とスクール同期生。格闘家としては芽が出なかったが、その運営、管理能力を山吹望から買われ現在代表を務める。

“ 三沢忍(53)” 元大企業バリバリのキャリアウーマンだったが、まだ若く経験乏しい榊枝美樹を

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新作 『Genderless 雌蛇&女豹の遺伝子』(6)イジメられっ娘。

新作 『Genderless 雌蛇&女豹の遺伝子』(6)イジメられっ娘。

あかねはあの時のことを思い出す。
あの大晦日、、父が女子選手NOZOMIに敗れると、あかねも祖母も黙ったまま除夜の鐘も耳に入らなかった。床に就いても女の人に絞め上げられ失神している父の姿を思い出し悔しさで明け方まで泣いていた。父が家に戻ってきたのは、翌日(元旦)の夜、9時過ぎだったと記憶する。
父がMMA王者になってからというもの、大晦日には毎年のように試合が組まれるようになった。例年なら軽く相手

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新作 『Genderless 雌蛇&女豹の遺伝子』(5)お父さんが女の人に負けちゃった…。

新作 『Genderless 雌蛇&女豹の遺伝子』(5)お父さんが女の人に負けちゃった…。

母が家を出て行ったのはあかねがまだ2才の頃だったそうだ。母の記憶はないが、写真でみる限り美人ではあるがかなり派手で男好きのする顔立ちだとあかねは思う。
あかねが生まれたのは父も母もまだ18才と若く、とくに遊び好きだったと聞く母は格闘技一筋の父は面白味もなく我慢ならなかったのかもしれない。やがて、チャラ男風の男と仲良くなるとあかねを置いて家を出て行ったのだと聞いている。それ以来、あかねは父と祖母の3

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新作 『Genderless 雌蛇&女豹の遺伝子』(4)女王蜂降臨。

新作 『Genderless 雌蛇&女豹の遺伝子』(4)女王蜂降臨。

大学卒業後、植松あかねはNLFSに入校するとたった4ヶ月でデビューを果たす。格闘技興行会社『G』主催の夏の大会である。
MMAでの登録名は “AKANE” これは山吹望がNOZOMI、堂島麻美がASAMI のリングネームで戦って以来の英文字登録名であり期待の表れでもある。

(実況)

「さあ! かつてMMA絶対王者だった植松拓哉の愛娘AKANEの入場です。NLFSカラー、真紅のセパレート水着、

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新作 『Genderless 雌蛇&女豹の遺伝子』(3)救世主か?その後のNLFS。

新作 『Genderless 雌蛇&女豹の遺伝子』(3)救世主か?その後のNLFS。

雌蛇NOZOMIに敗れた植松拓哉は彼女へのリベンジをマスコミの前で誓った。このままでは格闘技にすべてを賭けてきた男の人生が全否定される。いくら、パウンド・フォー・パウンド最強の男といっても女子に失神させられ敗れてしまったのだから過去の実績なんて何の意味も持たない。
しかし、燃え尽きたNOZOMIは堂島麻美戦を最後に引退すると表明。その時の彼女の表情を見た植松は、もう自分と戦ったあのNOZOMIでは

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新作 『Genderless 雌蛇&女豹の遺伝子』(2)無間蛇地獄。

新作 『Genderless 雌蛇&女豹の遺伝子』(2)無間蛇地獄。

植松拓哉は信じられなかった。
いくら次々と男子格闘家を倒してきた ” 史上最強の女 NOZOMI“ といえども、所詮女ではないか。今まで28戦、このオレと戦って3Rまで持ったのは5〜6人しかいない。勿論、全て男子格闘家相手。女がどうしてここまで戦えるのか? 1Rはこの女独特の間合い、リズム感、何をしてくるか分からないという違和感があって仕方ない。しかし2Rは本気で倒しに行った。殴り、蹴り、そして

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新作 『Genderless 雌蛇&女豹の遺伝子』(1)女が男に挑むということ。

新作 『Genderless 雌蛇&女豹の遺伝子』(1)女が男に挑むということ。

前作『雌蛇の罠&女豹の恩讐を振り返る』(33話)は『雌蛇の罠』(20話)『女豹の恩讐』(72話)を振り返ったものでしたが、此処からはその続編的新作になります。途中で挫折するかもしれませんが、興味あれば、今まで同様読んで頂ければ嬉しく思います。

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『Genderless 雌蛇&女豹の遺伝子』

総合格闘技界絶対王者パウンド・フォー・パウンド氷点下の男との異名

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『雌蛇の罠&女豹の恩讐を振り返る』 (33)俺の大切な可愛い妹。完。

『雌蛇の罠&女豹の恩讐を振り返る』 (33)俺の大切な可愛い妹。完。

試合開始早々、麻美の高速タックルを警戒しながら近付く兄の顔面に妹の右ストレートが決まると兄はダウン。
そこから非情なる女豹の攻撃が兄を襲う。倒れている兄を妹は容赦なく蹴り上げマウントになるとその顔面に拳を振り下ろす。うつ伏せの兄に馬乗りになると、頭を持ち上げマットに顔面を打ち付けた。

「麻美! お兄ちゃんになんてことするの?やめなさい!」
母 佐知子はテレビに向かって叫ぶと何度もそのスイッチを切

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『雌蛇の罠&女豹の恩讐を振り返る』 (32)兄と妹、禁断の死闘。

『雌蛇の罠&女豹の恩讐を振り返る』 (32)兄と妹、禁断の死闘。

更新は来週の予定でしたが時間が出来たので更新します。

“ 堂島兄妹による禁断のシュートマッチを仕組んだのはNOZOMIである。血を分けた兄と妹に真剣勝負させるなんて、、、なんて残酷なことを考えるのだろうか… ”

世間からはそんな声(批判)が少なからずあるのは知っていた。それでもNOZOMIはそれしか選択肢がないのだと思う。
あの兄妹の素質は認めていたが、まさかここまで上り詰めてくるとは、、、ど

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『雌蛇の罠&女豹の恩讐を振り返る』 (31)妹が俺を倒しに来る。

『雌蛇の罠&女豹の恩讐を振り返る』 (31)妹が俺を倒しに来る。

レスリング流反り投げから、飛び膝蹴りで天才キックボクサー・ダン嶋原を倒した麻美は勝ち名乗りを受けている。そこへ、半失神状態でしばらく立ち上がれなかった嶋原がフラフラと起き上がるとセコンドに支えられながらやってきた。

「麻美ちゃんは強いな。完敗だよ…」

「そ、そんなこと、、たまたま今日は運良く勝てただけ。嶋原さんは強いです」

嶋原はそんな慰め言われたくはなかった。自分は男なのだ、女の子相手に運

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『雌蛇の罠&女豹の恩讐を振り返る』 (30)女豹の飛び膝蹴り。

『雌蛇の罠&女豹の恩讐を振り返る』 (30)女豹の飛び膝蹴り。

第2ラウンド早々、ダン嶋原は前に出た。第1ラウンドは相手の出方を見過ぎていた。嶋原はNLFS女子格闘家の研究から、様子を見すぎるのは良くないという結論に至っている。いくらタックルの達人ASAMIといえでも前に出てくる相手にそれは容易に決まるものではない。それでも、不用意に突っ込めば組み付かれてしまう可能性がある。そこは慎重に前へ出る。

多くの男子格闘家がNLFS女子格闘家に敗れてきたのは、女子と

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『雌蛇の罠&女豹の恩讐を振り返る』 (29)赤いスカートの似合う女の子とリングで戦う。

『雌蛇の罠&女豹の恩讐を振り返る』 (29)赤いスカートの似合う女の子とリングで戦う。

先にリングへ上がったのはダン嶋原。
嶋原は花道の向こうからASAMIこと堂島麻美がやって来るのを待ち構えた。静かな音楽が流れる中、真紅の生地に豹柄ワンピース水着、ASAMIが嶋原に向かって歩いてきた。今日は派手な入場パフォーマンスすることなく静かに静かにリングへ向かう。

これが麻美ちゃんなのか!?
嶋原はASAMIの鋭い眼光、そのしなやかでネコ科の猛獣を思わせる歩く姿は『女豹』を思い浮かべるのだ

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『雌蛇の罠&女豹の恩讐を振り返る』 (28)龍の覚醒。

『雌蛇の罠&女豹の恩讐を振り返る』 (28)龍の覚醒。

リング上でシルヴィア滝田と相対した龍太は不思議な思いになった。
“何故俺はこうして女性相手に真剣に戦おうとしているのか?”
男と女が格闘技で真剣勝負するなんておかしいではないか。男の方が絶対強い生き物に決まっている。あの日があるまでは、、、男はか弱い女を守るものと信じていた。

10年前、元日本王者のベテランキックボクサーであった尊敬する父が、まだ17才女子格闘家の挑戦を受け敗れた。そして帰らぬ人

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『雌蛇の罠&女豹の恩讐を振り返る』 (27)麻美が豹なら、俺は龍である。

『雌蛇の罠&女豹の恩讐を振り返る』 (27)麻美が豹なら、俺は龍である。

物語は禁断の兄妹対決に向かってクライマックスを迎えようとしています。
デビュー戦で惨敗の兄と圧勝の妹。対照的ではあったが、その後は兄妹揃って快進撃が続いてゆく。

龍太は総合ルールでも打撃ルールでも圧倒的な強さで満天下に“堂島龍太あり!” を示してきた。それは、幼い頃からやってきたKG会空手、中学から始めた柔道をバックボーンに、父も所属していた格闘技ジムで名トレーナー、今井(継父)、岩崎に指導を受

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『雌蛇の罠&女豹の恩讐を振り返る』 (26)女豹の男狩り。

『雌蛇の罠&女豹の恩讐を振り返る』 (26)女豹の男狩り。

堂島龍太は妹のデビュー戦の相手が迫田宗光だと知ると不安になった。迫田とは高校時代柔道でのライバルであり、現在は同じ大学の一年柔道部員。いけ好かない野郎だがその実力はよく知っている。

「堂島!お前が俺の挑戦を受けないから、代わりにお前の可愛い妹を絞め落としてやるからな。後悔するなよ…」

それは冗談には聞こえなかった。
確かに麻美はNLFSでのトレーニングで、兄である自分の想像を遥かに超える実力を

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『雌蛇の罠&女豹の恩讐を振り返る』 (25)俺は妹より弱いっていうのか?

『雌蛇の罠&女豹の恩讐を振り返る』 (25)俺は妹より弱いっていうのか?

デビュー戦で、年下の女子選手にTKO負けを喫した堂島龍太は傷心の日々を過ごしていた。“俺は格闘技に向いていない、そんな自分が父の仇討ち?打倒NOZOMIなんて身の程知らず。世間に笑われるだけだ!もうきっぱり格闘技の舞台から降りよう…”
そうやって、部屋に引きこもっていたのだが、何故か釈然としないものが残り時が経つにつれふつふつとした悔しさが込み上げてくるのも感じていた。

そんな、悩む兄のもとへ

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