小鹿裕介

徒然なるままに・・・。 意味不明なことを書き連ねます。 変わり者です。

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最近の記事

新作 『Genderless 雌蛇&女豹の遺伝子』(3)救世主か?その後のNLFS。

雌蛇NOZOMIに敗れた植松拓哉は彼女へのリベンジをマスコミの前で誓った。このままでは格闘技にすべてを賭けてきた男の人生が全否定される。いくら、パウンド・フォー・パウンド最強の男といっても女子に失神させられ敗れてしまったのだから過去の実績なんて何の意味も持たない。 しかし、燃え尽きたNOZOMIは堂島麻美戦を最後に引退すると表明。その時の彼女の表情を見た植松は、もう自分と戦ったあのNOZOMIではなく抜け殻だと感じた。 世間ではNOZOMIの “勝ち逃げ” という声もあったが

    • 新作 『Genderless 雌蛇&女豹の遺伝子』(2)無間蛇地獄。

      植松拓哉は信じられなかった。 いくら次々と男子格闘家を倒してきた ” 史上最強の女 NOZOMI“ といえども、所詮女ではないか。今まで28戦、このオレと戦って3Rまで持ったのは5〜6人しかいない。勿論、全て男子格闘家相手。女がどうしてここまで戦えるのか? 1Rはこの女独特の間合い、リズム感、何をしてくるか分からないという違和感があって仕方ない。しかし2Rは本気で倒しに行った。殴り、蹴り、そして首絞めの体勢になった時は極まったと思った。しかし、この軟体生物はどうやっても極め

      • 新作 『Genderless 雌蛇&女豹の遺伝子』(1)女が男に挑むということ。

        前作『雌蛇の罠&女豹の恩讐を振り返る』(33話)は『雌蛇の罠』(20話)『女豹の恩讐』(72話)を振り返ったものでしたが、此処からはその続編的新作になります。途中で挫折するかもしれませんが、興味あれば、今まで同様読んで頂ければ嬉しく思います。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 『Genderless 雌蛇&女豹の遺伝子』 総合格闘技界絶対王者パウンド・フォー・パウンド氷点下の男との異名を持つ植松拓哉に、雌蛇NOZOMIが挑んだ試合は、堂島兄妹(龍太、麻美)による禁

        • 『雌蛇の罠&女豹の恩讐を振り返る』 (33)俺の大切な可愛い妹。完。

          試合開始早々、麻美の高速タックルを警戒しながら近付く兄の顔面に妹の右ストレートが決まると兄はダウン。 そこから非情なる女豹の攻撃が兄を襲う。倒れている兄を妹は容赦なく蹴り上げマウントになるとその顔面に拳を振り下ろす。うつ伏せの兄に馬乗りになると、頭を持ち上げマットに顔面を打ち付けた。 「麻美! お兄ちゃんになんてことするの?やめなさい!」 母 佐知子はテレビに向かって叫ぶと何度もそのスイッチを切った。 倒されても起き上がる息子を見ながら、佐知子は ”もう立たないで!こんな試

        新作 『Genderless 雌蛇&女豹の遺伝子』(3)救世主か?その後のNLFS。

          『雌蛇の罠&女豹の恩讐を振り返る』 (32)兄と妹、禁断の死闘。

          更新は来週の予定でしたが時間が出来たので更新します。 “ 堂島兄妹による禁断のシュートマッチを仕組んだのはNOZOMIである。血を分けた兄と妹に真剣勝負させるなんて、、、なんて残酷なことを考えるのだろうか… ” 世間からはそんな声(批判)が少なからずあるのは知っていた。それでもNOZOMIはそれしか選択肢がないのだと思う。 あの兄妹の素質は認めていたが、まさかここまで上り詰めてくるとは、、、どちらか一方でも私(NOZOMI)の領域まで上がってくることを期待してはいたが、二

          『雌蛇の罠&女豹の恩讐を振り返る』 (32)兄と妹、禁断の死闘。

          『雌蛇の罠&女豹の恩讐を振り返る』 (31)妹が俺を倒しに来る。

          レスリング流反り投げから、飛び膝蹴りで天才キックボクサー・ダン嶋原を倒した麻美は勝ち名乗りを受けている。そこへ、半失神状態でしばらく立ち上がれなかった嶋原がフラフラと起き上がるとセコンドに支えられながらやってきた。 「麻美ちゃんは強いな。完敗だよ…」 「そ、そんなこと、、たまたま今日は運良く勝てただけ。嶋原さんは強いです」 嶋原はそんな慰め言われたくはなかった。自分は男なのだ、女の子相手に運がどうとか、、そんなことは関係ない。麻美ちゃんは好きだけど残っているのは屈辱だけ

          『雌蛇の罠&女豹の恩讐を振り返る』 (31)妹が俺を倒しに来る。

          『雌蛇の罠&女豹の恩讐を振り返る』 (30)女豹の飛び膝蹴り。

          第2ラウンド早々、ダン嶋原は前に出た。第1ラウンドは相手の出方を見過ぎていた。嶋原はNLFS女子格闘家の研究から、様子を見すぎるのは良くないという結論に至っている。いくらタックルの達人ASAMIといえでも前に出てくる相手にそれは容易に決まるものではない。それでも、不用意に突っ込めば組み付かれてしまう可能性がある。そこは慎重に前へ出る。 多くの男子格闘家がNLFS女子格闘家に敗れてきたのは、女子と戦うことへの違和感、躊躇い、男として負けられないというプレッシャーがあったのは事

          『雌蛇の罠&女豹の恩讐を振り返る』 (30)女豹の飛び膝蹴り。

          『雌蛇の罠&女豹の恩讐を振り返る』 (29)赤いスカートの似合う女の子とリングで戦う。

          先にリングへ上がったのはダン嶋原。 嶋原は花道の向こうからASAMIこと堂島麻美がやって来るのを待ち構えた。静かな音楽が流れる中、真紅の生地に豹柄ワンピース水着、ASAMIが嶋原に向かって歩いてきた。今日は派手な入場パフォーマンスすることなく静かに静かにリングへ向かう。 これが麻美ちゃんなのか!? 嶋原はASAMIの鋭い眼光、そのしなやかでネコ科の猛獣を思わせる歩く姿は『女豹』を思い浮かべるのだった。 “女豹ASAMIが俺を食い殺しにきた…” 嶋原は遠い日のことを思い出

          『雌蛇の罠&女豹の恩讐を振り返る』 (29)赤いスカートの似合う女の子とリングで戦う。

          『雌蛇の罠&女豹の恩讐を振り返る』 (28)龍の覚醒。

          リング上でシルヴィア滝田と相対した龍太は不思議な思いになった。 “何故俺はこうして女性相手に真剣に戦おうとしているのか?” 男と女が格闘技で真剣勝負するなんておかしいではないか。男の方が絶対強い生き物に決まっている。あの日があるまでは、、、男はか弱い女を守るものと信じていた。 10年前、元日本王者のベテランキックボクサーであった尊敬する父が、まだ17才女子格闘家の挑戦を受け敗れた。そして帰らぬ人となった。龍太は女子に敗れた亡き父の無念を晴らすため、代わりにそのリベンジするこ

          『雌蛇の罠&女豹の恩讐を振り返る』 (28)龍の覚醒。

          『雌蛇の罠&女豹の恩讐を振り返る』 (27)麻美が豹なら、俺は龍である。

          物語は禁断の兄妹対決に向かってクライマックスを迎えようとしています。 デビュー戦で惨敗の兄と圧勝の妹。対照的ではあったが、その後は兄妹揃って快進撃が続いてゆく。 龍太は総合ルールでも打撃ルールでも圧倒的な強さで満天下に“堂島龍太あり!” を示してきた。それは、幼い頃からやってきたKG会空手、中学から始めた柔道をバックボーンに、父も所属していた格闘技ジムで名トレーナー、今井(継父)、岩崎に指導を受けてきたことが大きいのかもしれない。 その全方位的に対応できる技術は、将来のMM

          『雌蛇の罠&女豹の恩讐を振り返る』 (27)麻美が豹なら、俺は龍である。

          『雌蛇の罠&女豹の恩讐を振り返る』 (26)女豹の男狩り。

          堂島龍太は妹のデビュー戦の相手が迫田宗光だと知ると不安になった。迫田とは高校時代柔道でのライバルであり、現在は同じ大学の一年柔道部員。いけ好かない野郎だがその実力はよく知っている。 「堂島!お前が俺の挑戦を受けないから、代わりにお前の可愛い妹を絞め落としてやるからな。後悔するなよ…」 それは冗談には聞こえなかった。 確かに麻美はNLFSでのトレーニングで、兄である自分の想像を遥かに超える実力を身に着けているのだろう。しかし、麻美は高校男子柔道全国3位の恐ろしさは知らないは

          『雌蛇の罠&女豹の恩讐を振り返る』 (26)女豹の男狩り。

          『雌蛇の罠&女豹の恩讐を振り返る』 (25)俺は妹より弱いっていうのか?

          デビュー戦で、年下の女子選手にTKO負けを喫した堂島龍太は傷心の日々を過ごしていた。“俺は格闘技に向いていない、そんな自分が父の仇討ち?打倒NOZOMIなんて身の程知らず。世間に笑われるだけだ!もうきっぱり格闘技の舞台から降りよう…” そうやって、部屋に引きこもっていたのだが、何故か釈然としないものが残り時が経つにつれふつふつとした悔しさが込み上げてくるのも感じていた。 そんな、悩む兄のもとへ妹の麻美が様子を見に来た。 「何だ!麻美。こんな弱くて情けない兄を笑いに来たの

          『雌蛇の罠&女豹の恩讐を振り返る』 (25)俺は妹より弱いっていうのか?

          『雌蛇の罠&女豹の恩讐を振り返る』 (24)女豹の咆哮!お父さんとお兄ちゃんを侮辱された!

          堂島龍太18才の夏。 遂に念願のプロ格闘技戦デビューを果たそうとしていた。全国から格闘技自慢の高校生8人が集い、ワンナイトのトーナメント。 優勝するためには一晩で3人から勝利を奪わねばならない過酷なもの。この大会にはレスリング、柔道、空手等の格闘技経験者が集まり、高一1人、高二1人、高三6人が参加する。最も注目を集めているのはNLFS所属練習生の紅一点、韓国からやってきた柳紅華という少女であり、まだ16才(高一)の大会最年少。彼女の一回戦相手はなんと堂島龍太と組まれていた。

          『雌蛇の罠&女豹の恩讐を振り返る』 (24)女豹の咆哮!お父さんとお兄ちゃんを侮辱された!

          『雌蛇の罠&女豹の恩讐を振り返る』 (23)男が女に負けるのって何故屈辱なの?

          エキシビションとはいえ、プロでキャリアを積む男子キックボクサーを、当時中学2年14才の少女がリングに沈めてしまった光景はあまりにも衝撃的であった。 あれから2年、、天海瞳は高校1年の16才になっていた。NLFSの練習生はその技量に応じて16〜18で正式デビューさせていた。今回が正式な瞳のプロデビュー戦である。 相手は梶村誠。20才の若者で、彼も又デビュー戦となる。梶村は子どもの頃からキックボクサーに憧れ必死に努力し目指してきた。その努力は実り、この日、念願のプロデビュー戦を

          『雌蛇の罠&女豹の恩讐を振り返る』 (23)男が女に負けるのって何故屈辱なの?

          『雌蛇の罠&女豹の恩讐を振り返る』 (22)ムエタイ少女、男子キックボクサー沈める。

          佐知子は娘の麻美が、友達の父親と格闘の末ケガを負わせてしまったことに頭を悩ませていた。小学生女子なのに、、大人の男性に馬乗りになって殴り泣かせてしまうなんて将来が思いやられる…。 麻美は年頃でもあり、自分と今井との関係を知ると反抗的になってきた。素行の面も気になり今井や息子の龍太と相談の結果、彼女が以前から希望するNOZOMIが立ち上げたNLFSへの入校テストを受けることを許した。あそこは全国から格闘技で実績ある少女が多く集まるが、大抵の少女は面接の段階で逃げるように帰って

          『雌蛇の罠&女豹の恩讐を振り返る』 (22)ムエタイ少女、男子キックボクサー沈める。

          『雌蛇の罠&女豹の恩讐を振り返る』 (21)小学生女子に組み伏せられる男。

          故堂島源太郎の妻佐知子は、この物語進行時点で今井壮平と付き合っていた。彼は生前の源太郎のトレーナーだった男だ。 息子の龍太は「お父さんは、お母さんが幸せになることを天国で祝福してくれるよ」と言うが、小学生の麻美はそうではない。 「パパ(源太郎)がかわいそう、、今井さんは良い人だけど、私のパパじゃない…」 麻美は中学になったらNOZOMIが立ち上げたNLFSの入校テストを受け練習生として入りたいと考えていた。 「あそこは男の人と戦うことを目的とした女子格闘スクールなのよ!」

          『雌蛇の罠&女豹の恩讐を振り返る』 (21)小学生女子に組み伏せられる男。