Open！

　あんたが芸大で教授してるとはなあ
１０年前は想像してない

　いや、５年前だって思わないなあ

　あはははは

　ここは東北の山の上の芸大、本日はオープンキャンパス、未来の芸術家候補が学内を探検する。

　美術科の教授たちの会話はゆる〜っとしていて楽しそうだった。苦を苦ともせず乗れる波に乗り飄々と生きている。これが芸術家だよねぇと心の中がにこにこするわたし。

　高校進学したものの受験に乗っかっ

記憶冷凍

二億斎藤さんから
あっそれ冷凍記憶だよ！と指さされた。ん？過去なんだよ〜味が変わらないから混乱するけどね。ほらほらさっさと捨てちゃいな、新鮮なものはたくさんあるんだから。そう言って二億斎藤さんは目の前から奪うと捨ててしまった。僕は正直ぎょっとした。だって僕のものだったからだ。うそだろ、食べかけなのに‥家路に着いても悶々と思い出す。そしたら飼い猫が寄ってきてまた目の前から奪っていった。やめろよ、僕の

どうやら負の感情というのか、嫌だ、つらい、さびしい、悲しい、傷ついた、聞きたくない、

そういうのに気づくのが遅い。
現在、人間関係から一歩距離を置いている。
はっきり言ってよ！と怒られて益々萎縮するのもここら辺の問題。
どう表す?

３行日記

今年も先に歳をとるよ。とhappy birthdayの通信が届くと言いがちだ。彼女達は冬に生まれて半年遅く歳をとる。なぜ、私の周りには秋や冬に生まれた人が多いのだろう。

大きな目

真夜中に万華鏡なんか覗くもんじゃないよ。と苦い顔して年長者が言っていたのを子供心に覚えている。

真夜中、万華鏡、それが今目の前に揃っていた。

私はもう子供じゃないんだし。何かと誰かの声はよぎるけど。
万華鏡を手に取り目に当てる。
大きな目がこっちを見ていた。
うわっ！手を離して床に転がる。
確か綺麗なガラス細工をばらした様なのが見えるはずでは。

もう一度、確かめたい。おばけなんてないさ。思っ

真夜中万華鏡

夢の中に万華鏡が現れた時に覗いて良いものだろうか。
黒くて丸いちゃぶ台にそれはひとつ置いてあった。なんとなく手にとってはいけない雰囲気を感じてその日は目を覚ました。
何日かするとまた似たような夢を見た。続きかな‥
万華鏡は立ててあり底が上を向いていた。だれのかな。
この世界は私の脳内が作り出したもの、では私のものということにしても良い。左手で掴みくるんとひっくり返し片方の目を瞑る。
なんとも懐かし

放課後はランプ

放課後は渡り廊下が暗すぎる。それでランプを持って歩く様になった。西の階段の下に２つ、東の階段の下にも２つ、ランプ台があった。コンクリート打ちっぱなしの普通の高校なのにそこだけどうしたの？ってなったけど。
ランプは計よっつなのでなるべくならひとりで渡らない様にと暗黙のルールがある。ゆらゆら揺れる炎を頼りに薄暗い廊下を歩いていくと向こう側からもゆらゆらと赤いものが近づいてくる。本当に間近になるまで誰が

3行くらいの日記

２日前に喉痛は病院で診てもらいその後は大変だった。友人は太陽フレアのせいかもよ？とわざわざデジタルな筆談で知らせてくれる。空気が乾燥して指先がちくりとする。静電気とも関係あるのかな。久しぶりの体調不良は激しいつわりを思い出させた。諦めて出かけてみると時折頭痛で落ち込むものの（その度愚痴っぽくなり娘と喧嘩してしまう、、それでも）楽しく過ごせた。

3行日記

さあ休もうと力を抜いたらあっという間に病気になった。立ち止まろうとするからやっと風邪も忍び込む。頭の中ではもっとしたいことがあって、いいのかな?と思いつつ横になっていた。こんなの早く追い出したい。

3行日記

昨日の湿度が続いているが、まだ体は重くない。今朝の喉の痛さ尋常じゃなかったからのんびりしようっと。

手を挙げた人の名前だけが呼ばれるんだ

私の娘は学校という環境を経験したばかりだ。まだまだランドセルが大きい。授業では手を挙げない様だ。理由は
『間違ってたら恥ずかしい』からだ。
ぐいぐいと手を挙げて発言する人は確かに恥ずかしがり屋ではなさそうだ。
なんなら笑いさえ持っていく。
それを思うとすべるのも嫌だし‥（と、思うのは私）

間違えたら恥ずかしいから手を挙げない。じゃあ確実に正解なら自信を持って上げれるのか。挙げると思う。
間違えた

笑顔のままで

着ぐるみの笑顔はそれでも笑顔で
だけど目の前で素の姿を晒すから私はどうしたらいいんだろう？

御伽話のユートピアの様なところでぬいぐるみが頭の上を取ってしまったらそこは夢の国では無くなる。それをしていいのは舞台裏だけだ。スタッフオンリーの絶対の秘密だ。
しかし私の親はそれをやる。
私の前でだけ被り物の笑顔を繰り出し、兄や姉が隣に来た途端に頭を取る。それを全て見せた上でまた私に向き直ると頭を取り付け

三日月ファストパス

満月に右往左往してる皆んなを横目に私はファストパスで三日月の日をゆったりと過ごす。
これを手に入れる前まで私もああだった。
あなたと私の空は違う。それで体調は万全すらすらと日常をこなした。たまたま手に入ったコレが平等でないと言うなら満月に目眩を起こす体がそもそも平等じゃない。
丸を削って痛みを削って細く輝く三日月が私のお守り。
時々誰かの頭の上にある満月が邪魔だ。
不満垂れてるのも恥ずかしいので三

回ってる

幻想的だねぇ。
河川敷へ続く石段に腰掛けている君と私。
‥今夜、電話する予定だったの
あぁ。
私は生放送で聴きたい歌があったよ。
あぁ。
こんなに桜の木を植えるから。
あぁ。
きれいだからねぇ。
きれいだよ。

だけど何にも繋がらなくなる。桜吹雪で。
人口が減り続ける日本でお墓に入る人は増えたけどお墓を作れる人は足りてない。古い家は取り壊して更地になった。昔ならそこにまた新しい家が出来たけどそんな

無理しないで

私はこう思ったからだけど貴方がそれを嫌うならそれでいいんじゃないかな。
って思ってる。

価値観が違っててそれをお互いに理解し合うところまで辿り着けなかった。
諦めてて説明も出来なかった。何を言っても跳ねつけられそうで怖かった。
送った人生が違う。家族を看取った私には刺激的な体験だった。怖かった。
彼が送った人生は私とは違う。
なら、それでいいんじゃないかな。
深いところを切り込むのを避けている様

まつもとひとしは今がいちばんおもんない、だよ。