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未来に手をふる

雨の合間をぬって早朝、買物に出掛けました。
夜中じゅう降っていた雨の足跡は
アスファルトを黒く濡らして
少し肌寒い朝を作っていました。

私が歩くスーパーまでの道は、マンションと戸建てが立ち並ぶ「◯◯village」と括られた街並みです。

戸建てのお庭は、そう広くないスペースですが
それぞれの玄関からのアプローチに
工夫され、厳選された草花や庭木が、植えられています。

それぞれに個性があって楽しく拝見でき、歩く人を飽きさせないほどです。
本当に、人が違えば好きな花も異なり
しかし、違えども可憐に咲く小花は
朝の澄んだ空気に、尚一層のふくよかさを添えてくれています。

そんなGWの朝に、元気な小学生の声が響きました
「お母さん、行ってらっしゃい!」
「はーい行って来るわねー」
答えるお母さんの声も軽やかに、朝の空気に弾みます。
「気をつけて!」後から若いお父さんの声も、仲良く加わりました。

GWとは言え、出勤しなければならない母と
お休みが取れている父と
学校がお休みな息子ちゃん。

何度も何度も「行ってらっしゃい」の声が重なって
何度も何度も振り返り、それに応えている、お母さんがいました。

お父さんは少し遠慮ぎみな声。
お母さんは「頑張って来るからね!」と、清々しく頼もしい声。

私は昔、子供や家族の居ない合間をぬって仕事をしていたので
仕事に出掛ける時「行ってらっしゃい」や「お帰りなさい」と言われた記憶は、殆どありません。

私の母が若い頃、仕事に行く際に、いつも幼い私に見送られて
多分「後ろ髪を引かれる思い」をしていて
見送る私も「離れ離れ感」を、毎日感じていて
双方が、とても切なかった思い出があるので

自分に子供が出来たなら
「おかえり」と「行ってらっしゃい」は
必ず私が言おう…と思っていました。

そんなこんなで、いつも隙間に仕事をする状態を選んでいたので
後になって子供から「あれ?仕事してたっけ?」と
あえなく聞かれた事もありました。

あらぁ…兼業主婦しっかりしてましたよ…と
心で呟いても後の祭り
でも、それだけ側にいた印象が有るならば
私の作戦は成功で
私と同じ寂しさは、感じなかったと言う事で
一件落着とします。

それでも、現代のお母さんが貫く「仕事との向き合い方」を、垣間見る度に
「自分のキャリア」を大切に育てると言う
凛とした覚悟を感じ、とても尊敬します。

そしてそれに共感して、応援するパートナーの姿も
見ていて微笑ましく、とても愛情深いと思いました。

時代が変われば、暮らし方も、思考も変化して行きますが
お互いが能力を認め合って、助け合って子育てをし、
どちらかが何かを諦める事もなく
2人で「命を育てる重さ」を分け合いながら
「家族」を作っていこうと言う姿勢は
見ていてとても豊かな気持ちになりました。

今では当たり前に選ばれている家族の形も
当時私が選んだ家族の形も
その時々に「自分らにとっての最適」だったのだと思います。

そしてそれはこれから先もまた
時間がたてば変化もして行く事でしょう。

どちらが良いとか、比べるとかではなくて
自分の決めた事を、自分の家族を作り育てる為に
快く全うする事が大切で
決して「犠牲になって」とか思わず
皆んなフラットな立ち位置で
育てる過程も楽しむ事が、大切なのかなと思います

決して楽しむ余裕すらない子育ての時期も、必ずや有りますが
それも過ぎてしまえば、懐かしさすら感じるものと、なり得る気がします。

家族に見送られて何度も手を振るお母さんに、
心の中で私もエールを送ります。

素敵な、あなたの未来のために!

頑張れお母さん、頑張れ家族!

そして・・・がんばれワタシ。



ギャラリーからお借りした素敵なイラストは
「ふうちゃん」さんの作品です🎐ありがとうございました






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