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早期退職 第21話 退職後に思ったこと① -退職後、何もしないのは自分の選択肢のひとつ-

 退職を決めた後、家族の前で何とかなるさと楽観的なことを言った時の家族のあの顔を今でも忘れない。まるで、お父さんのせいで私たちがどれだけ大変な目にあっているかと言いたげだった。不謹慎な発言だったと反省した。本当に家族には心配をかけた。申し訳ない気持ちでいっぱいだ。あと、ついてきてくれたことに感謝している。
 
 退職後の今の生活を振り返ってみて感じるのは、自分のように何もせずにいることが苦痛な人がいることだ。何かやっていないと落ち着かない。そういう人にとって、自分のような生活はとても耐えられないらしい。複数の人と話して気がついたのだが、自分のようなタイプはおそらく少数派ではないかと思う。
 
 自分で考えて選んだ道なので後悔は無いのだが、不思議である。自分にとって、この生活は嫌でないし、むしろ心地よい。ただし、何もしないで過ごすのは、あくまで今後の選択肢のひとつでこれしかないということではない。
いずれにせよ、自分で選んだ道なので、どちらが良いとか悪いとかではない。ただ、あちらを選ぶとこちらができない、こちらを選ぶとあちらができないなど、なかなか両方は難しいような気がする。とにかく、自分が選んだ道を進むだけである。他人の人生を目標にするのではなく、あくまで自分の人生を歩むことである。
 
 あと、五十代で退職すると周りに同じような境遇の人がいないのに気付く。先の学生時代の友人も、一人は退職後一年で再就職した。もう一人も辞める、辞めると言っておきながら一向に辞めてない。そうこうしている間に私の方が先に退職してしまった。つまり、ひとりぼっちなのである。多分、自分は他の人より孤独に対する耐性はある方だと思うのだが、さすがにどうかと思う時がある。
 
 退職後、何もしないことは自分の選択肢のひとつだと今でも思っているが、休息と充電期間を終えたら何かやることを考えてみるのもいいと思ってきた。ただし、一年位は、ゆっくり休息を取るくらいでちょうどいいと思う。自分が思っている以上に心身ともに疲労は蓄積している。回復後は、無理しない範囲内で何か始めてみるのもいいかなと考えるようになった。


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