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フィンランドの森で越冬したアリを見つけた

僕は昔から昆虫が好きです。
その中でも、アリの仲間に対する興味はかなり上位に入ります。

アリは決まったシーズンに結婚飛行を行います。
結婚飛行とは、巣の中で生まれたオスアリとメスアリ (新女王アリ) が一斉に飛び立ち交尾するビッグイベントです。オスアリは交尾するとすぐに息絶えてしまいます。メスアリはというと、交尾後に自ら羽を落として歩き回り、巣に適した場所を探します。巣に適した場所が見つかると、そこで小さなスペースを確保し、新しい巣ができるのです。

最初は数個の卵を産み、1匹目の働きアリが成虫になるまで餌も食べずにワンオペ育児です。一生飛ぶことは無いので、飛翔筋のエネルギーを育児に使うと考えられています。過酷ですよね。

結婚飛行の日は種類によって決まっていて、その日は打ち合わせでもしたかのように、それぞれの巣から一斉にアリが飛び立ちます。僕はこの日が楽しみです。自分の誕生日よりも楽しみです。そして、地面や街灯の下をうろついてアリを探すんです。完全に不審者です。

大学院時代に研究棟の周りで新女王探しをしていたら、守衛さんに何か落としたの?と聞かれたこともありましたし (アリを探してますと正直に答えた)、試薬会社の営業の方に目撃されてよく笑われてました。

フィンランドに来てからも昆虫は探したいし、飼育もしたいなあと思っています。

こないだ、雪解けの森にいったら、針葉樹と白樺の混合林で見たことのない塚のようなものを見つけました。

よく見ると、無数の小枝からなっています。

更に近づくと、そこには大量のアリが。
閲覧注意です (遅い)。

日本でいうところのムネアカオオアリです。
ただ、何となく日本の個体より胸の赤が褐色っぽいです。黒い部分んも何となく褐色がかっている。体色は松やシラカバの木の色に寄せているんでしょうか。

日本でも森林に住んでますが、僕のいたエリアでは倒木に営巣することしか知らなかったので、このようにアリ塚を作るのは意外です。
この塚は越冬の時に地表温度の低下や凍結から守る役割があるんでしょうか。アリ玉のようになっているのを何度も見たので、ミツバチがオオスズメバチを蜂玉になって焼き殺すように、温度を維持する役割があるんでしょうか。アリ塚の作られる時期や役割が気になります。

また、石をひっくり返していたらケアリの仲間の新女王も出てきました。
フィンランドでは秋に結婚飛行して越冬するのがメジャーなんでしょうか。

ヨーロッパでは日本よりも昆虫に対する関心が薄いです。
サステナビリティとか環境保全とかいう割に、日本人の小学生がするような昆虫採集や学級内での生物飼育などはしません。あと、国によっては、古い街路樹なんかも人間の都合でバッサリ切ることだってあります。犬猫や目に付きやすい動物、愛着がわきやすかったり「賢い」とされる動物にはあんなに熱心なのに。表面的な事しか言ってないように聞こえます。

脱線しましたが、フィンランドで新女王アリ探しなんかしてたら日本にもまして不審者扱いされそうです笑まあやりますけど。

今回は地上・地下性のアリを探しましたが、今度は樹上性のアリがいないか探してみようと思います。

北欧のアリ情報、その他昆虫情報を知っている方いたらご教授いただけると幸いです。
ではまた。Moi moi!

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