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外食チェーンの決算

カレーハウスCoCo壱を運営する壱番屋と、日高屋を経営するハイデイ日高の2月期の決算が出て共に好調のようだ。そこでこの2社について調べてみたいと思う。

壱番屋の24年2月期、純利益6%増

壱番屋は2024年2月期に純利益が前年比6%増の26億円、売上高は14%増の551億円を達成し、両方とも過去最高を更新しました。これは、新型コロナウイルスの影響が軽減し、「カレーハウスCoCo壱番屋」の客足が回復したこと、価格の上昇、および海外事業の拡張によるものです。特に、持ち帰り商品の価格上昇や配達代行サービスの拡大が売り上げに貢献し、海外では特に台湾での売り上げが伸びましたが、中国では不採算店の閉鎖を進めました。次の期には売上高615億円、純利益31億円を目指し、新たに国内外で56店舗の出店を計画しています。また、今期の年間配当は株式分割を考慮し16円とされています。

壱番屋、「LFD JAPAN」の全株式を取得

壱番屋は、株式会社LFD JAPAN(福岡市に本社を置き、「博多もつ鍋 前田屋」を経営する飲食企業)の全株式を取得し、これを連結子会社として迎え入れました。この動きは、国内外で展開する「カレーハウス CoCo 壱番屋」を含む外食事業の強化と、新たな業態の開発・育成による企業価値の向上を目指す壱番屋の戦略の一環です。LFD JAPANのもつ鍋ブランドは、その成長性と商品力が評価され、壱番屋のグループ強化に寄与すると見られています。この取引による今期の壱番屋連結業績への影響は軽微とされています。

業績

楽天証券から引用
楽天証券から引用
楽天証券から引用

ハイデイ日高の営業益7倍!

ハイデイ日高は2024年2月期の営業利益が前期の約7倍となる45億円前後を記録し、新型コロナウイルスの影響が本格化する前の水準を超えた。この増益は、駅前の人流の回復とメニューの値上げが寄与した結果です。売上高は前期比約3割増の480億円で、既存店売上高は25.9%増加しました。夜間営業の拡大や女性客の増加、さらにはメニューの値上げにもかかわらず、割安な価格設定で需要を捉えた。注文端末の導入により人件費の増加幅を抑え、売上高営業利益率は9%超に回復しました。株価はやや軟調ですが、25年2月期も増益が予想され、さらなる出店やメニュー改定、利益率の改善に向けた取り組みが計画されています。

鶏白湯ラーメンの新業態

ハイデイ日高は、新業態として鶏白湯ラーメン専門店「らーめん日高」を埼玉県川越市に開店しました。この新店舗は、主力の「日高屋」と比べ価格が高めで、本格的な鶏白湯ラーメンを提供し、特に女性客の獲得を狙っています。価格帯は690円から1020円で設定され、店内は明るい雰囲気で、昼食や夕食、さらには「ちょい飲み」需要にも応えるラインナップを揃えています。ハイデイ日高は、首都圏を中心に「らーめん日高」の展開を計画しており、一部の狭い立地では試験的に出店することを検討中です。

番外 ラーメン、崩れた1000円の壁

ラーメン業界では、従来の「1000円の壁」とされていた価格帯が崩れ、より高価格で質の高いラーメンを提供する動きが広がっています。この変化は、新型コロナウイルスの影響からの回復や物価上昇、訪日外国人の増加が後押ししています。東京では、ミシュランで星を獲得するラーメン店が現れるなど、ラーメンの価値観が「いいものは高く」に変わりつつあります。この結果、個人店ではブランド力を高めるための値上げが進み、客単価は上昇傾向にあります。また、ラーメンチェーンの株価が好調で、家族層の獲得などに成功している事例もあります。個人店とチェーン店で異なる戦略が見られる中、ラーメン業界全体では品質向上や価格戦略の見直しが進められています。

日経新聞の図引用

業績

日経新聞の図引用
日経新聞の図引用
日経新聞の図引用

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