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インドネシア大統領選

インドネシア中央選挙管理委員会は20日、2月14日実施の大統領選でプラボウォ国防相(72)が当選したと発表したとのこと。正式な発表までに1月以上要したのは、選挙の仕組みのせいなのか分からないが、時間がかかりすぎである。

要約文

インドネシアの中央選挙管理委員会は、2024年2月14日に行われた大統領選で、国防相のプラボウォ氏が当選したと発表しました。プラボウォ氏は経済成長を重視する政策で広範な支持を獲得し、58.6%の得票率で他の候補者を破りました。ジョコ大統領の3選禁止により、大統領交代は10年ぶりです。プラボウォ氏は以前、ジョコ氏と競合関係にありましたが、後に連携を深めました。また、ジョコ氏の長男ギブラン氏を副大統領候補に選んで、ジョコ氏の支持層を取り込みました。プラボウォ氏には過去の人権侵害への関与疑惑がありますが、本人は関与を否定しています。ギブラン氏は副大統領として、プラボウォ氏が任期途中で退任した場合には職務を引き継ぐ可能性があります。

学校無料給食 コスト年4兆円超

インドネシアでは、プラボウォ国防相の大統領選勝利が確実視される中、彼の公約である学校での無料給食制度の導入が現実的になりつつあります。この制度は約8300万人の幼稚園から高校生を対象にし、年間で4兆円以上の費用が見込まれていますが、資金の確保方法には不明瞭な部分が多く、財政悪化の懸念が出ています。給食はすべての学校で提供され、栄養バランスの取れた食事と牛乳が含まれます。この計画は貧困減少や経済成長率の向上に寄与するとされていますが、資金調達方法にはガソリン補助金の削減や教育予算からの配分などが検討されているものの、具体的な説明はありません。首都移転やインフラ整備といった他の大規模プロジェクトと並行して進められる予定で、財政赤字の拡大が懸念されています。

経済開発・民主政治両立カギ

インドネシア大統領選でプラボウォ国防相の当選が確実視されています。彼の勝利は、現職ジョコ大統領の政策継承を掲げた戦略によるもので、ジョコ大統領の高い人気を背景にしています。ジョコ政権はインフラ整備や貧困削減などで成果を上げ、経済成長や社会保障拡充に貢献しましたが、経済成長率は平均5.1%にとどまりました。インドネシアは2045年に先進国入りを目指しており、これを達成するには平均6%以上の経済成長が必要です。

プラボウォ氏はジョコ政権の路線を継承することを公約に掲げていますが、彼の経済政策の具体性や民主主義の後退への対応には不透明な面があります。プラボウォ氏の政権運営における重要な試金石は、財務相を含む主要な経済政策担当者の人選になります。また、議会との関係構築も重要で、大統領選と同日に実施された議会選でプラボウォ氏の党は予想よりも得票を伸ばせず、連立政権の結成が課題となります。

インドネシアは今後、人口ボーナス期の終わりを迎え、25年から45年にかけての国家長期開発計画において、経済開発と民主政治を両立させることが求められます。プラボウォ政権は経済成長を促進しながら、民主主義を強化するバランスを取ることが重要な課題となるでしょう。

日経新聞の図引用

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