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Airbnb、「空飛ぶ家」

民泊仲介大手の米エアビーアンドビーは1日、コンテンツ企業や文化施設と協力して用意した物件に宿泊できるようにしたと発表した。アニメ映画「カールじいさんの空飛ぶ家」を再現した施設やフランスの有名美術館をそろえる。独自の旅行体験の提供で利用者層を広げる狙いとのこと。

これから日本は観光立国になる必要があると思っているが、宿泊地の不足問題に直面するだろう。そのときに、空き家の活用やエアビーの取り組みは参考になるはずだ。

要約文

Airbnbは、独自の宿泊体験として「空飛ぶ家」などの特別な物件を提供することで利用者を増やす計画を発表しました。これにはアニメ映画「カールじいさんの空飛ぶ家」をモデルにした施設やフランスの有名美術館などが含まれます。新しい「アイコニック」カテゴリーが追加され、当初は11件のプランが提供され、抽選や審査を通じて約4000人に利用可能になります。また、パリ五輪に合わせてオルセー美術館やフェラーリの博物館での宿泊プランも用意されています。これらの体験は低価格で提供され、新たな利用者を惹きつけることを目的としています。CEOのブライアン・チェスキーは、デジタルが支配的な現代において現実世界での魔法のような体験を提供したいと述べました。また、アプリの新機能として予約の共有が可能になり、旅行計画が友人間で容易になりました。

地方観光で日米交流

Airbnbは、日本と米国の地方観光交流プログラムに100万ドルを拠出し、日本の地域振興に携わる人々を米国に招待して民泊施設を体験させることを発表しました。この取り組みは、訪日外国人の増加を背景に、日本の地方での物件取扱いを拡大することを目指しています。2024年から25年にかけて、15〜20人の関係者を米国に招く予定です。これにより、観光が地方経済に与える影響についての理解を深めることを期待しています。また、2024年は「日米観光交流年」として、両国間の観光や交流が促進されることにも注目されています。

Airbnb売上高17%増 10〜12月

Airbnbは2023年10月から12月の売上高が前年同期比17%増の22億1800万ドルを記録しましたが、税関連の一時費用のため最終損益は3億4900万ドルの赤字となり、7四半期ぶりの赤字と報告されました。期間中の予約は9880万件で前年同期比12%増加し、登録施設は770万件を超えています。CEOのブライアン・チェスキーは2024年の重点として施設の増加とサービスの利便性向上を挙げ、国外での事業強化を進める方針です。また、生成AIの活用を進めることで、民泊の事業領域を拡大する方向性を示しました。

日経新聞の図引用

AIで物件の間取り表示

Airbnbが新たに人工知能(AI)を用いた機能を導入し、宿泊施設の写真の整理を自動化することでホストの負担を軽減しました。この機能により、ホストは写真を区分けする手間を省き、AIが自動で部屋ごとに写真を分類して表示します。これにより、ゲストは宿泊施設の写真を通じて間取りをより正確に把握でき、実際に訪れた際のギャップによる失望を減らすことができます。さらに、過去の宿泊客による高評価の物件を「ゲストチョイス」として紹介する機能も追加されました。

感想

Airbnbは革新的な取り組みにより、民泊業界におけるリーダーとしての地位を不動のものにしています。特に、AIを活用した物件の間取り表示機能の導入や、特殊な宿泊体験の提供は、ユーザー体験の向上に寄与しており、これが売上の増加につながっていると考えられます。また、日本とアメリカ間の観光交流プログラムへの投資は、国際的な理解と地域経済の活性化に貢献するものとして評価できます。

一方で、日本における宿泊施設不足という問題は、Airbnbのようなプラットフォームが増加することで、一部では住宅市場に悪影響を及ぼすとも言われています。特に大都市圏においては、短期賃貸が長期の住宅市場に影響を与え、家賃の高騰を招く可能性が指摘されています。しかし、Airbnbはこれに対して新たな規制に適応しつつも、事業を展開し続ける柔軟性を見せており、地方の宿泊施設増加による地域経済の活性化など、ポジティブな影響も提供しています。

このように、Airbnbは多くの利点を提供しつつも、地域や市場によっては課題も抱えていることが明らかです。したがって、規制と協調しながら持続可能な成長を目指すことが、企業にとっても地域社会にとっても最善の道であると言えるでしょう。

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